Scope/Scope | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 ScopeオランダJazz Rock Band。Foucusを筆頭にSupersisterやSolutionといったバンドが有名であるこの国もまた素晴らしいJazz Rockを演奏するMusicianやBandが存在する。近年2ndアルバム『Darts』がReisueされた名ギタリストLex Bolderdijkが在籍していたGammaやEkseptionの鍵盤奏者Hans JansenとギタリストHans Hollestelle率いるSpin、71年に名盤『Explosive!』を残したFestival Big Band、Flute奏者Chris HinzeのThe Chris Hinze Combinationなど、70年代に登場し、世界的な知名度こそ高くないものの、Qualityの高い作品を残して存在感を発揮している。本日ご紹介するScopeというバンド、これまた一般的にはその存在を知られていなかったであろうが、今年になってようやくReiseueされた2枚のアルバムによって、71年に Zwolleで結成されたこのバンドの実力派ぶりが伝わってくる。鍵盤とFluteを担当するRik ElingsにギターのRens Nieuwland、ベースのErik Raayman、ドラムスのHenk Zomerという4人編成。ZomerとElingsによるStarange Powerというバンドが母体となっている。Scopeは76年に消滅するまでに2枚のアルバムを残している。この2枚のアルバムはどちらも素晴らしい出来で、Scopeは多くのJazz Rock好きにはたまらなく魅力的な存在となることだろう。南欧や東欧、北欧、あるいは中南米から70年代に登場した超絶技巧で洗練された楽曲とEnsembleを誇る数多くのJazz Rock Bandと比較しても、強烈な個性こそないものの、結構健闘しているといっても良いだろう。本盤は74年にリリースされたデビュー・アルバムで、翌75年にリリースされた2ndアルバムII』ではベースのRaaymanが脱退し、鍵盤奏者のElingsがベースを担当、新たに、あの"エレピの魔術師"Rob Frankenを鍵盤奏者に迎えている。

 

 『Scope』はScope74年にリリースしたアルバム。

アルバム1発目は“Watch Your Step”。いきなり疾走感に満ちたリズム隊にのってFleteとギターのUnisonが心地良くキマっていく。揺らめくエレピがCool Downさせてくれる静かなPartを挟み、再びEmotionalなギターが煽る緩急自在の展開が素晴らしい。

Can You Follow Me”も大人しめに展開される序盤に続いて弾きまくり叩きまくりキメが炸裂の目まぐるしいRhythm Cahnegeが繰り返されていく。ベースとギターのAggressiveな弾きまくりとドラムスの叩きっぷりと対照的にCoolにキメるSynthesizerやエレピ・ソロのContrastが良い。

Nucleus後期Soft Machineを思わせるRiffとエレピが最高に心地良い“Kayakokolishi”。Emotionalに燃えたぎるギター・ソロやHammondもイイ感じ。

Yesternight's Dream”はギターのArppegioFluteによる演奏。2分足らずだが、幻想的な雰囲気の中、彼らの実力が如何なく発揮されている。

幻想的なエレピで始まる“Description”はExoticな香りが漂うArab~SpanishなJazz Rock。エレピ・ソロもギターソロも心地良くキマっている。

7拍子で躍動する“Walpurgis Night”。カッコイイRiffスリリングなキメがビシバシとキマり、Henk Zomerのドラム・ソロもFeatureされた本領発揮のナンバー。

ベースのRiffで始まるChill Outな“Chewing Gum Telegram”。夢見心地のFluteとエレピがイイ感じ。

アルバム最後をシメるのはベースのRiffSharpに叩きまくるドラムスが激カッコイイ“The Queen Can Do No Wrong”。

(Hit-C Fiore)