Anthony 'Reebop' Kwaku Bah/Rebop Kwaku Baah | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Rebop Kwaku Baahといえば大好きなTrafficCanに参加したGhana出身のPercussion奏者である。そのキャリアのスタートとして60年代末にWynder K. Frogの『Out Of The Frying Pan』やJazz Pianist Randy WestonAfro-Cuban Jazzなアルバム『African Cookbook』や『Niles Littlebig』にRandy Weston's African Rhythmsの一員として参加したことでも知られている。その後、SwedenのTour中にTrafficと親交を持ったRebopは、Tim HardinJoe CockerのアルバムやFreeの『Heartbreaker』、大好きな鍵盤奏者John "Rabbit" Bundrickの名盤『Broken Arrows』、Hansonの『Now Hear This』にも参加している。その他、Trafficの諸作やSteve Winwoodの1stソロ・アルバム、Jim Capaldiのソロ・アルバム、The Rolling Stonesの『Goat's Head Soup』やEric Claptonの『Eric Clapton's Rainbow Concert』などBritish Rockの有名どころでもRebopの名を目にすることができる。72年にはWinwoodや後にTraffic~Canに参加するRosko Geeが参加した1stソロ・アルバム『Rebop』をIslandからリリースしている。本作は、そんなRebopが73年にPhillipsからリリースした2作目のソロ・アルバムである。参加MusicianはSwedenのMusicianが中心となっている。同国を代表する鍵盤奏者Bobo StensonやギタリストJanne SchafferEje Thelins KvintettEGBA、Schaffer同様ABBAのバンドで活躍した名Sax奏者Ulf AnderssonFläsket BrinnerからベースにBengt Dahlén、ドラムスにErik Dahlbäck、同バンドに出入りしていたBaritone SaxのGunnar Bergstenを迎えている。さらに、Jazz界からはベースに名手Lucas Lindholm、ドラムスのRune Carlssonといった一流どころが参加している。加えてSevdaのメンバーでトルコ出身のTrumpet奏者Muvaffak "Maffy" Falayが参加しているのも個人的には嬉しいところ。Coolに腰を動かすStensonのエレピや時にEmotionalでRockな唸りを上げるSchafferのギターがRebopの煽りまくるPercussionにのって実に心地良い。AfroでPrimitiveなJazz Funkで、イナタいVocalが加わったりするところも良し。

 

 『Anthony 'Reebop' Kwaku Bah』はAnthony 'Reebop' Kwaku Bah73年にリリースしたアルバム。

アルバム1発目“Kwaku's Thing”。心地良いPercussionが鳴り響く中、Horn隊が軽やかにThmeを奏でる。Bobo Stensonが弾くエレピをバックにUlf AnderssonのTenorソロ、Muvaffak "Maffy" FalayのTrumpetソロがイイ感じである。

ご機嫌過ぎるPercussionがイントロから飛び出す“Funkum”。腰を動かすリズム隊とエレピにのって力強くThemeを奏でるHorn隊も良し。Stensonのエレピ・ソロが流石の出来。

イントロの語りからExoticなAfro感がたまらない“Iponohinime”。PrimitveなベースラインからHorn隊が洗練されたThemeを奏で、Janne Schafferのギターが絡むところもイイ感じ。

タイトルもまんまな“Africa”はPercussionとベースのRiffのイントロにギターが絡み、Horn隊が加わるところが鳥肌モノのカッコ良さ。躍動感に満ちたPolyrhythmを叩き出すリズム隊も最高。野太いSaxソロもご機嫌ですな。

Lovin' You Baby”はイナタいThemeがご機嫌である。Baritone Saxが効いている。垢抜けない英語詞のVocalも、それゆえに味わい深い。SchafferのRockなギター・ソロもカッコイイ。この辺のダサカッコ良さは一度ハマると病みつきだ。

アルバム最後をシメるのはPrimitiveなPercussionにのった浮遊感溢れるStensonの蕩けそうなエレピが極楽気分の“200 To 500 Years Ago”。TenorとTrumpetの2管が自由な空気を纏いながら交差していくと骨太なFunkへ突入していく。明らかにSteve Winwoodの影響を受けたと思われるVocalが飛び出すのはご愛嬌。Hammondも登場するとTrafficな雰囲気も漂うが、あくまでも泥臭くAfricanな香りは良い意味で個性となっている。じわじわとテンションを上げながら後半の盛り上がりは中々のもの。

(Hit-C Fiore)