今日のラブネバーダイ | 海をみていたい

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日常。思ったこと、メモがわりだったり、テンションあがって発信したかったり、観劇、観戦、鑑賞日記です。
濱田めぐみさん、町田樹さん、パナソニックワイルドナイツ好き、現在連日HIDEKIさんを思い出しています。
趣味は携帯写真。

今日のラブネバダイ
石丸幹二さんファントムでした。

 

オープニングのファントムの歌はクリスティーヌに未練たらたらの内容なんですが先日の市村さんのはその狂おしい様子が生々しくて戸惑ってしまったんです。

さらにクリスティーヌがファントムに再開再会した際、あなたが死んだと思ったからこういう人生を送ってきたのに生きているならどうして姿を現さなかったのよ、と責めるような勢いで前作のオペラ座とはかなりニュアンスが違う話だったと思い出しました。

ちゃっかりラウルを騙して(?)奥様になりきっていたはずのクリスティーヌは再び蘇る愛欲に浸りそうな勢いで老ファントムと激しくはじめるので、正直こっちが気恥ずかしくなりました。
こういうのはどちらかといえばミュージカルよりオペラ向きの題材ですよね。オペラは、違和感あってもシラーっと無理矢理強引な展開を歌う物語が多いので。
そういう意味でもラブネバは音楽的な歌唱力が必要な作品だとあらためて感じました。

石丸ファントムはその最初の歌をちゃんと歌曲として聴けたんです。したがって歌い終わりに自然と拍手も湧き上がりました。

市村さんはもちろんお上手な役者さんだけれど、特に今回のような生々しい内容を迫真の演技でされればするほど凝視するのが気恥ずかしく、オペラのようにただ歌うしかないような気がするんです。
石丸さんは思いのこもった演技の上に歌い上げる力を持っていらっしゃるからメロディがしっかり耳に入って来ました。

ラブネバ初演の時はやさぐれて豹変したラウルにびっくりしましたが、今回は純粋に妻を愛する人物像で、逆に妻には秘密があるからこそ、それに気づいていないラウルですが、なにかうまくいかない結婚生活、逃げ場のなさに酒に溺れるラウル、という構図が明確でかわいそうな人でした。

万里生さんラウルは嘆き苦しむ夫でしたが小野田さんラウルはジレンマに陥って苦しんでいるように見えました。それゆえに出航せず戻ってくる旦那さん役、頑張ってました

 

めぐさんも断然今日の「愛は死なず」がよかったです。

 


それにしてもラブネバではなぜかモテモテのファントム。メグジリーにも慕われていてそれでいて心はクリスティーヌ。その罪な男ぶりが結果、悲劇を生んでしまうんです。

メグジリーもラウル同様、気の毒なキャラクターで咲妃さんはゴーストの時よりも今回の方が適役です。彼女の癖なのか?変な息で歌う時は客席から逃げ出したくなるけれど、前半の一見明るく演目を務める部分と後半の本音があふれ出す演じ分けが良かったです。
ねねさんは、どんな配役でも暗いというか、陰を感じますよね?舞台で彼女のいいところが見つけられなくて、どうしてあちこちキャスティングされるのか不思議です。今回は咲妃さんに軍配ですね。

今日のグスタフは、滑舌が悪いのか?甘ったるい喋り方でこれが四季の舞台だったらオーディションに落ちていそうでした。特にこの作品だと単なる子役の歌ではなく、息子の歌が重要な場面なので歌もその甘ったるいまま歌われるとこの下手くそ!って言いたくなりました。大前優樹くんが素晴らしかったのでどうしても比べちゃいました。
ただオーラスの幕切れは子役の芝居が責任重大なのでそこは果たしたかと。好い場面でした。

 

 

本編の中に本家の元々のオペラ座の怪人のメロディが所々流れてくると、その楽曲のクオリティーに落差を感じてしまいます。オペラ座は良い曲が揃ってましたので。
『ジーザスクライストスーパースター』がこの作曲家の最高傑作だったと思うんだけど、印象に残る美しいメロディーがあれば納得いかない物語でも傑作になってしまうんです。思いきってアンドリューロイドウェバーではなく、ロイドウェバーっぽくという条件をつけて若手が制作&作曲したら、もしかしたら記憶に残る楽曲も生まれたかもしれません。

 

それにしても寒かったです。直前に降っていたんじゃないかしら?道路に濡れた跡がありました。

 

次回、鳳蘭さんマダムジリーと熊谷さんグスタフ回がラストの観劇になりますが、今日の組み合せが悪くなかったのでベストな組み合わせでもう一回行けるかな?