シュガーさんバルジャン、伊礼さんジャベール、梅田レミゼラブル | 海をみていたい

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日常。思ったこと、メモがわりだったり、テンションあがって発信したかったり、観劇、観戦、鑑賞日記です。
濱田めぐみさん、町田樹さん、パナソニックワイルドナイツ好き、現在連日HIDEKIさんを思い出しています。
趣味は携帯写真。

梅田芸術劇場7月14日マチネ

レミゼラブル

素晴らしかったです。

 

 

 

もう一度観たいシュガーさん、小南さん、内田さん出演回を探していたのですが手に入ったのが今日のチケットでした。

 

 

 

このままだと内田さんマリウスはもう観られなそうですが、すでに何回か観ている海宝マリウスにまた新たな魅力が見つかったので今回の日帰り遠征は大収穫です。

それにしても個人的には晴れ雨兼用傘を失くしてしまいまして。

ものすごくいい気分と残念なことが混ざってしまった休日。

これで日傘を失くすの何度目かな?早朝出掛けるときはザーザー降りだったので普通に雨傘にするか、折り畳み傘にするか一瞬迷ったんですが、大阪は暑そうだからと日傘にしたのが間違いの元。なぜいつも大阪に忘れてしまうんだろ?

 

 

さて、

囚人のシュガーバルジャンは声が随分変わってしまった?と感じるくらいハスキーさが増しザラザラした声になっていて、ちょっと驚きました。それでも怪我の功名というか、話し言葉のような歌唱がさらに進化していて冒頭から掴まれました。座長と共に大勢の囚人たちまでも各々無実の罪に囚われているかのようで、切々と語る歌が共鳴しあって。この感じははじめて触れる、まるで初めて観るレミゼラブル。

 

バルジャンの19年の理不尽な苦役と外に出てからも受ける差別を本当に実際受けてきたかのように感じられて。仮出獄許可書を見ようともしないで(全く気に留めようともしない中西司教が)手を差し伸べてくれる現実に奇妙な感覚を覚えながらも身に着いた悪癖を自然と犯してしまうバルジャン。

殴られて蹴られて牢獄に繋がれてが当たり前に感じているバンジャンが自分のために嘘をつく司教に唖然として、動きが止まってしまう様は心の動きが、変化が絶妙でした。

 

罪人は決して更正しないんだと頑なに信じている伊礼ジャベール。愚直でありながら職務に忠実な人間像を魅せてくれます。マドレーヌ市長を一瞬バルジャンではと疑ったことも正直に謝り、どことなくノーブルでもあります。川口ジャベールが愚直そのもの、上原ジャベは粗野に対して伊礼さんは気品があるのも面白いです。そしてお株を奪う程の美声。伊礼さんってこんなにうまかったっけ?って書いてしまう程めっちゃ歌がいいんです。

ちょうど当日伊礼さんイベントが開催される日だったようで観劇した後にもう一度伊礼さんに会えるファンの人たちがうらやましい回でもあったんですね。

 

すべての出演者にシュガー座長の熱意が次々伝わっていくようでどの場面も新鮮で感動がありました。

ファクトリーでは女たちの、多分いつもの嫌味な会話が生き生きと表現されて次第にファンテーヌを追いつめていきます。めぐファンテも歌い出しからシュガーさんの魔法にかかったよう。話し言葉のように聴こえ、楽しかった夏を懐かしむのではなく、破滅に向かっていく苦しい現状を涙目で伝えていました。

また新たな発見でした。

囚人たちも村人たちも工員たちも娼婦たちもテナルディエの店の客も学生たちもそれぞれが引き立っていて、相乗効果とでもいうのでしょうか。

 

加えてガブローシュ大矢 臣くんがあまりにも素晴らしくて。

これまで小林ガブは明るい子供、坂野佑斗くんのガブローシュがお兄さんぽい演技でそれがあの子供ながらに学生たちに交じったり、街中で生きて行くキャラクターを高めている、って観てたんです。たぶん、今回初見の大矢ガブは家でも世間からも虐待されていてひねくれた子という背景が垣間見えて、そのせいで機転が働くというか、観ていて気の毒な気持ちにさせられました。なんという演技力!

 

またこれまでどうしても相葉さんは線が細い感があったのですが、今日のアンサンブルキャストとの組み合わせで生き生きと革命に走るアンジョルラスを好演していました。

海宝さんも、もちろんマリウスは安定の海宝さんで決まりなんですが、恋をしてはしゃいで学生たちが集まるカフェに入ってくる海宝さんをはじめて観た気がしました。これまでこんなに可愛かったでしたっけ?エポと話す時だけ周りが見えなくなっている気配でしたが、

エポのキャスト違いでもその場の素直なマリウスの反応が違うし、コゼットもそうだけれどこんなに海宝マリウスが可愛くみえたのははじめてで、あっ、と(笑)

 

小南コゼットは比較的年の近いシュガーパパとどうだろうか、という心配をよそに、かわいらしく、パパのことも大好きで涙を誘われました。

かえって傍目にはシュガーパパの方が小南コゼを海宝マリウスに取られて………シュンと見えてました。

 

 

そしてラスト、

もうめぐさんに号泣でした。

いつもなら黄泉の国の人として晴れやかにバルジャンヲ迎えしあわせ感いっぱいの笑顔のファンテーヌですが

悲嘆してマリウスに抱きしめられながらパパの手紙を読むコゼット、そして「パパありがと」をしあわせに生きてゆくコゼットをうしろから見届けたファンテが涙をこらえて、もう顔がゆがみそうになりながらのエピローグ。

ちょっとこんな奇跡の回があったでしょうか。

 

深刻に悲惨に進んで行くこの舞台に負の明るさと言うか、

テナルディエ夫妻の存在はやはり重要ですよね。

そのテナルディエ好演の斉藤さんと今日は海宝さんの大阪千秋楽だったそうでカーテンコールでシュガーさん進行の元、ふたりの挨拶がありました。

 

 

この先、自分好みのキャスト組み合せがないので今日が最後だったキャストもいらっしゃって、マイプチ千秋楽でもありました。

 

観たくても取れなかった17日の貸切公演も奇跡のレミゼになりそうな気がします。