ワンスアポンアタイムインハリウッド | 海をみていたい

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日常。思ったこと、メモがわりだったり、テンションあがって発信したかったり、観劇、観戦、鑑賞日記です。
濱田めぐみさん、町田樹さん、パナソニックワイルドナイツ好き、現在連日HIDEKIさんを思い出しています。
趣味は携帯写真。

ワンスアポンアタイムインハリウッド
映画へのオマージュがたくさん溢れていて、映画愛のつまった作品でした。
デカプリオとブラピの配役もその役柄の関係も結末も、だからそう(脚本を)書いたんだ‼️と深いシネマ愛に包まれた気がしました。


結構ネタバレしていますので、
知りたくないかたはスルーして下さいませ。


1969年のハリウッドもタランティーノ監督がこだわった当時の街並みもヒッピーたちも見たこともありませんが、これまでの多くの映画やかつて観た米国ドラマから知ることはできるし、40年位前のバーバンクやハリウッドには行ったことがあるので勘違いかもしれませんがなんだか懐かしささえ感じました。
落ち目のテレビ俳優リック(デカプリオ)が映画進出を狙っているんですが、うまく転進できなくてもがいたり落ち込んだり、アルコールに逃げたり、自分を叱咤激励する姿は苦しくて悲しいんです。リックとテレビドラマシリーズで影のように吹替したスタントマンであり、雑用係兼運転手のクリフ(ブラピ)はプロデューサーに嫌われてスタントマンの仕事がなくなって来ているんだけれどリックの付き人のような立場でなんとかハリウッドに生きているんです。このブラピの立場はファイトクラブのオマージュかな?って思いました。現実にはいない人物。けれども観客の頭の妄想のなかでは彼が偶然が重なった結果スタントで鍛えた技を駆使してスッキリさせてくれるんです。
それがどんなにバイオレンスでも。そこに嫌悪はなく、むしろ笑うところだよね、そういうギャグだと思いました。溜飲がさがったような、ホッとした気分になったんです。
実は
観る前に評判もあまり良いものはなかったんですが、観たら逆にどうして?タランティーノの中で一番良いじゃない‼️って感じました。
パルプフィクションをはじめて観た時は衝撃的でトラボルタのキャスティングの仕方も面白くて、どうしてそうなるの?ってはまってしまいましたが、このワンスアポンアタイムインハリウッドはそういうものもパロっているし、ハリウッドを取り巻く過去をリスペクトしているから、いろんな場面がギャグとして成立しているし、同時に表面的な軽さではなくその意味が深く読み取れるんです。

アロハ男のブラピは核心に触れていきます。
だからこそクリフは本当はリックの傍にいるのではなく、頭のなかに存在しているもう一人(ヒーロー)なのかな、って。

ちょっと何回か繰り返して観たいです。


自宅プールで一見、優雅なセレブライフのリックですがそんな余裕はなく、台詞覚えに必死で涙ぐましい努力と、同時に絶望感からこの先例えば1980年代のアルコールや薬物まみれな印象の業界まで透けて見えてくるような気がしました。


そっくりさんと、言って良いのか?スティーブマックイーンとかブルースリーが出てきたり。
あと、あの人誰だっけ?って懐かしかったのはビバリーヒルズのディラン(ルークペリー)。彼も既に亡くなってしまいましたものね。
アルパチーノはリックに仕事をアドバイスしてくれるエージェントで出演。

なんと言っても魅力的なのがシャロンテート。
自分がちょい役で出演した映画をハリウッドの映画館で周りの観客の反応を見ながら鑑賞したり、若手女優さんで身重で旦那さん(ロマンポランスキー監督)にテスの初版本をプレゼントした可愛いらしい女性に描かれていて、
この事件のことをよく知らなかったから、てっきりシャロンテートがヒッピーで自堕落な女なんだと勘違いしてたんです。
きっとタランティーノが描いたようにごく普通に新進女優さんとして、新妻として、ハリウッドの若きセレブとして暮らしていたんだろうと、逆にリアルな暮らしが見えたように感じました。









そしてラストは



その日ハリウッドの業界人たちが映画人たちが恐怖と悲しみに包まれた事件がベースなのですが、
映画はファンタジー(過激なバイオレンスですが(^^;💦)で、そして悪い奴等に仕返しをしています。それが事実だったら良かったのに😢