曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

安倍内閣退場実現する政策連合を構築せよ

2019年04月23日 09時55分16秒 | 政治

                                    

                       「植草一秀の『知られざる真実』」
                                     2019/04/22
  安倍内閣退場実現する政策連合を構築せよ
             第2313号
   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2019042219000053989 ──────────────────────────────────── 4月21日、統一地方選の第2弾、ならびに衆議院議員補欠選挙が投開票日を 迎えた。
最大の焦点は大阪12区と沖縄3区の衆議院議員補欠選挙だった。
大阪3区では日本維新の会の新人藤田文武氏が初当選した。
沖縄3区ではオール沖縄の支援を受けた無所属新人屋良朝博氏が初当選した。
自民党公認候補は両選挙区で落選した。
2012年12月の第2次内閣発足後、自民党が衆参の補選で敗北したのは、 不戦敗だった2016年の衆院京都3区補選を除けば初めてのことである。
この夏には参議院議員通常選挙が予定されている。
いよいよ安倍内閣終焉のときが近づいてきたと言える。
統一地方選を含めた今回の選挙で明らかになった事実がある。
それは、既存の政党に対する不信が巨大なマグマとなって蓄積されていること だ。
沖縄では沖縄の主権者の意思を踏みにじる安倍暴政に対する不信が沸騰してい る。
昨年9月の沖縄県知事選、本年2月の県民投票に続き、辺野古米軍基地建設を 強行する安倍政治に対する県民の不信と怒りが拡大の一途を辿っている。
民主主義の社会で主権者である市民が、自らの意思を、正当に、そして明確に 表示しているのに、為政者がこれを一顧だにしない。
まさに民主主義そのものを踏みにじる行為だ。

沖縄においては、安倍政治を許さないとする大きく強固な連帯が形成されてい る。
日本政治を刷新する上で、これ以上の手本はないという主権者の連帯、団結が 形成されている。
安倍内閣は金でほおを叩いて人民をひれ伏せさせる、という旧態依然の手法を まったく改めていない。
しかし、沖縄の主権者は、もはや「金で人の魂を買う」という差別主義に基づ く傲慢な政治手法を受け付けないという成熟を示し始めている。
沖縄の闘いを日本全土に広げることが、明日の日本を切り拓く原動力になると 言えるだろう。
他方、大阪の選挙結果が示していることは、既存政党に対する主権者の不信の 拡大である。
自民党は安倍首相自ら選挙区に入り総力戦を展開したが大惨敗に終わった。
メディアが重用する民間芸能会社の興行まで活用するという破廉恥行動まで示 された。
メディアと芸能会社と政治権力の癒着ぶりが改めて浮かび上がった瞬間だっ た。
しかしながら、大阪市民は権力を笠に着たパフォーマンスを一蹴した。
私は日本維新の主張にまったく賛同しないが、大阪の市民は増長する権力に対 する不信と不満の意識を膨張させていると見て取れる。
自民党の一部は確実に維新とつながっており、複雑な側面を有するが、旧態依 然の自公勢力に対する風圧が強まっていることは明確である。
同時に単純な野党共闘が人心を引き付ける力を失っていることも明らかになっ た。

基本政策を共有しない野党が、ただ結集するだけでは政治の抜本変革は実現し ない。
既存の政治の何をどのように変えるのかを明確にしなければ、市民の熱烈な支 持を集めることは難しい。
具体的な政策公約を明示して、この公約の下に理念と哲学を共有する者が結集 するのでなければ、市民を強く引き付けることはできない。
山本太郎参議院議員は消費税率の引き下げと最低賃金全国一律1500円実現 という具体的な政策公約を掲げて、路線を共有できる勢力の結集を呼び掛けて いる。
単なる野党の結集ではなく、政策を基軸にした連帯でなければ、市民の強い支 持を集めることはできないと考えられる。
窮地に追い込まれた安倍内閣は消費税増税延期に逃げ道を求めるしかない状態 に陥った。
土壇場での消費税増税延期を打ち出すには、日本経済の悪化を認めるしかな い。
景気悪化を認めることはアベノミクス失敗を宣言することに等しい。
劣勢に回った戦局は、すでに詰んでしまっている可能性もある。
安倍首相投了のタイミングが近づいている。
ここで消費税減税の大連合を創設するべきである。
政策を基軸に候補者の一本化を図る。
政策を基軸にした共闘でなければ主権者が積極的な支持を示すことはない。
野党がこの取り組みを進展させないなら、山本新党躍進の可能性が急浮上す る。

大阪では維新旋風が生じている。
しかし、維新の旋風は大阪固有のものであって、全国的な広がりはない。
はっきりしていることは安倍自公勢力の退潮が明瞭になり始めていることだ。
大阪ダブル選、北海道知事選、衆院大阪補選で当選したのはすべて若い候補者 である。
大阪府知事選で自民党は古色蒼然たる元副知事を擁立した。
この候補者擁立の段階で勝敗は決していた。
自民党が旧態依然の対応を進めるなら、若い有権者を中心に急激な支持の後退 に直面するだろう。
時代は清新さを求めている。
この主権者の感性を的確に捉えて、これに応える対応を示す勢力が躍進するこ とになる。
立憲民主党は2017年10月の総選挙で、主権者が求めるものに応える対応 を示した。
だからこそ、多数議席を獲得したのである。

しかし、その立憲民主党が主権者の意思に沿うことを忘れて、枝野幸男氏の私 有物の様相を強めてきた。
主権者が求める方向とは真逆の方向に進み始めたのだ。
主権者は枝野幸男氏に首相になってもらいたいとの思いでこの新党を支援した のではない。
安倍政治に対峙する政治勢力の結集を主導する存在としての立憲民主党に期待 を寄せたのだ。
ところが、枝野代表は安倍政治に対峙する勢力の結集、大同団結に背を向ける 姿勢を示し続けてきた。
その結果として立憲民主党は急速に主権者の支持を失い始めている。

他方、国民民主党は希望の党創設以来、自公の補完勢力としての位置づけを鮮 明に示してきた。
問題の根は旧民主党の「水と油体質」にあった。
旧民主党内には、安倍政治に対峙する「革新勢力」と安倍政治と裏で通じる 「隠れ与党勢力」の混合物だった。
「隠れ自公勢力」が革新政権であった鳩山由紀夫内閣を破壊し、自公と通じる 菅直人内閣、野田佳彦内閣という「傀儡内閣」を形成して、安倍自民党に大政 を奉還した。
その「隠れ与党勢力」が基軸を占めているのが国民民主党である。
したがって、国民民主党から共産党まで含む「野党共闘」に対する主権者の違 和感が強いのだ。
単なる野党の結集では「野合」のそしりを免れない。

理念と哲学を明確にし、その上で政策公約を明示する。
さらに清新さをアピールする。
これが主権者の意思に沿う対応である。
旧態依然の利権に群がる企業体に動員をかけ、組織を締め付ける手法では選挙 を勝ち抜くことが困難になり始めている。
自公勢力は利権に関与する主権者の4分の1勢力を総動員しての、候補者を一 人に絞る選挙で、有効投票の半分弱を得票することによって多数議席を確保し てきた。
しかし、この勢力に真正面から立ち向かう勢力が理念と公約を明示して、清新 さをもって訴えかければ、これまで選挙に参加してこなかった主権者が投票に 参加して勝利を得る図式が打ち立てられる可能性がある。
政党の党利党略ではなく、主権者の意思、主権者の要請に沿う取り組みを示さ なければ、主権者の積極的支持を得ることはできないのだ。

今回の選挙結果は、既存政党に対する強い警告を示すものだ。
政党のために主権者が存在するのではない。
主権者のために政党が存在するのだ。
このことを忘れた政党は急速に失速してゆくことになる。
安倍内閣はこのまま参院選に突入すれば大敗北を喫する可能性が高い。
参院選惨敗=安倍内閣総辞職のシナリオが現実化する公算が高まりつつある。
窮余の一策として浮上するのが、消費税増税延期を宣言しての衆参ダブル選へ の突入である。
求心力を失う政権の失速は早い。
事態は風雲急を告げている。

                             



最新の画像もっと見る

コメントを投稿