2019年8月31日~9月6日
 走行日数8日間
 累計走行距離508km(99174km~99682km)

◎道路
 基本的に走り易くて側道も広い道。エストニアやラトビアと比較してやや坂道が多い国だが、それでもほとんど平坦路だし多分この国で標高300mを超えたことは1度もない。要するに自転車旅行で移動するのは超簡単。
 ・・・なのだが、首都のビリニュス郊外だけは自転車で走れる道が極端に少ないし道路は交通量多くて危険だわと最低であった。町中に関してはそれなりに自転車専用道が整えられてる辺り、自転車による長距離の移動という需要が全くない国なのかもしれない。若しくはビリニュスの西や南からの進入路というのは大きな川を越える関係で自転車の走りやすい道がないだけで、北側からの進入は簡単とかあるかもしれないけども。

◎治安
 どこでも安定して良い雰囲気であった。どんな国でも人が多く集まる町なり観光地というのは一定数悪人も寄ってくるものだが、そもそも人の数が少ない北欧ではせいぜい首都で気をつけた行動取っていればトラブルに遭遇する確率は非常に低いと思われる。シャウレイ十字架の丘なんか超絶観光地だったけど、郊外という立地もあってか嫌な感じする人いなかったもんな。

◎ビザ・出入国
 シェンゲン協定圏内なので審査なし。ちなみにビリニュスのベラルーシ大使館にてトランジットビザなら簡単に発給させてもらえるとか話を聞いた。私は48時間でベラルーシ抜けるの不可能と思ったので利用しなかったが、ポーランド東部からウクライナへと移動するルートならば自転車でも一応ベラルーシ国内をトランジットで入国することは可能と思われる。あんまり面白そうじゃなかったのでやらなかったが。

◎交通事情
 すごく良いと思うですよ。やっぱりね、自転車の立場が世界で一番確立されてるのはヨーロッパだと思わされる理由って交通インフラもそうなんだけど、ドライバーの人たちによる自転車への気遣いとかそういう点も大きいと思うのだ。
 結局北欧に入って以降、ドライバーに対して本気で腹が立つということはほぼ無かったということがその凄さを証明している。自転車が1つの交通移動手段として確立されているというのは、ドライバー個人の運転上手い下手ではなく運転の仕方に影響してくるものだと思う。だから横断歩道渡る自転車に対して多くの車両が止まってくれるように、様々な場面で「ヨーロッパのドライバーは親切だ」と感じるのだと思う。

◎特徴
 バルト三国では最も国土面積が大きい国である。なので他2国と同じように走行計画練っていると、思ってるより日数必要としてしまうことが多い。私のように北欧からバルト三国へ南下して来た場合、多くがシェンゲン協定の滞在日数ギリギリであろうことからリトアニアで思いの外に日数使ってしまうことの注意が必要。
 ちなみにシェンゲン協定外の隣国ベラルーシは自転車で入国するの2019年現在では非常に難しい国であり、かといってロシアもビザ必要。仕方ないのでポーランドへ向かおうにも滞在日数がヤバい・・・という状況になりかけたのが私です。

◎気候
 9月前半のリトアニアはまだ夏の気配を残しつつも暑過ぎない気温なので自転車には最高の季節であった。走ってると並木の葉が黄色く色づいてたり落ち葉が目立つ場所もあったので、日本で紅葉の始まりとなる10月前半くらいのイメージかな、気温的にも見た目としても。
 そんなに強い風は吹かなかったけど、風向きが一定して南東方向からばかりだったので毎日逆風ではあった。広大な農地や牧草地が多い土地なので割と大変。

◎言語
 リトアニア語らしい。とりあえず英語の通用度が非常に高いので今回も苦労は少なかった。海外旅行をするときに「英語さえ使えりゃ何とかなる」というのは大嘘だと思っているが、こと北欧に関しては英語さえ話せりゃ何とかなってるとは思う。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 ラトビアとどっこいって感じ。カウナスのホステルの方が若干値段高かったのは観光地的に激戦区ではないためだろうか?何にしても10ユーロそこそこでホステルなら宿泊できるし、そのホステルはどちらも設備が非常に良くコスパの良い宿だったと感じた。
 町から離れてしまえば野宿も簡単だし、まだまだ水場が多くて身体洗うのも容易。小さな町に湖がある場合は大抵海水浴場となってる印象で、それに伴いトイレやピクニックエリアとか設備も整ってる野営地が多い。野宿するの超簡単ですよリトアニア。カウナスでキャンプ場も覗いてみたけど1泊9ユーロとか言われてしまい、ここまで物価下がるとあんまり料金的な旨味ないし素直に野宿するかホステル使ってた私。
 都市部はともかく田舎ではバルト三国で1番Wi-Fi見つけるの大変だった。それでも丸1日ネットに接続できなかったことないし、インフォメーションセンターやファストフード店にあとサークルKでもFreeWi-Fi飛んでたな。要するにネット環境では苦労しないということです、速度も速いし文句ないね。

◎動物
 結構動物注意看板で鹿の絵とか描かれてるんだけども。大型動物は一切姿を見かけなかったし、野宿しててもリスとかの方がよっぽど注意しなくてはならない存在だと思う。

◎自転車店
 2回見かけたけど品揃えとしては完全にMTB系で統一されていた。何度か走ってるローディとすれ違ったりもしてるけど、お店でロードは1度も見なかったなそういえば。
 そんなに旅行系の部品が充実してる感じじゃないけど基本の消耗品となる交換パーツは一通り揃っていたので、何かしらトラブルあってもどうにでもなるだろうとは思ってた。

◎物価・食事
 レストランこそ入ってないが、物価的には自炊しなくても何とかる程には安い国というのはラトビア・エストニアと同じだな。感覚としてはリトアニア・ラトビアは食材に関してはどっこいで、エストニアはやや高い。ビールはリトアニアが1番安いと思ったかな。
 この辺だとファストフードにケバブが結構あるのだが、これが値段の割に量が多いし美味いしで嬉しかった。下手なハンバーガーやサンドイッチより私はケバブ派かもしれん。

◎総括
 北欧最後となるリトアニアだったが、見どころ多くて想定より随分長居してしもうた国。おかげでシェンゲン滞在期限がギリギリとなり、この後ウクライナ入国までかなりハイペースで走り続けることになった。バルト三国の総括作るの遅くなったのはそんな裏事情があったようで、単に面倒臭かっただけの気もする。
 田舎の走りやすさと都市部見どころの多さとが良い具合にバランス取れてる印象で、旅行していて飽きさせない。それだけにビリニュス郊外のアクセス悪さが何とかなればなぁ・・・とか自転車乗りとしては思ってしまうのだけど。