鮨一@千日前 | ディックの独白 / Dick's Monologue

ディックの独白 / Dick's Monologue

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次にお会いできるのは2年先か
 
 
 
予約待ち1年とも1年半とも噂されるミナミのお寿司屋さん。たまさかの好機が訪れ、訪問できることに。それがこの日のお店 鮨一
 
 
 
 
完全アウェイなミナミ。
筋ひとつ変わるとお店の雰囲気もガラリと変わるからと若い頃に先輩達から忠告されたものだが、この歳になっても足を踏み入れることを躊躇ってしまう路地があちこちにみられる。
 
 
 
今回のお店もそんな路地にあるため、目的がなければきっと路地の前を素通りしていたことであろう。
 
 
 
今回ご一緒するのはKT社長。
お忙しい方なのでなかなかご一緒できないけど、この日はお久しぶりの飲み。KT社長は僕よりも歳上だけど、やはりミナミには精通されていないとのこと。
 
 
 
少し早く着いたので周囲を散策して、定刻5分前に再びお店に到着。看板に灯りは燈っていないが、お店は煌々と電気が点いている。
KT社長と顔を見合わせ、覗いてみましょうか とどちらともなく言い出してドアをガラリと開ける。
 
うわっ、近い!
ドア開けたすぐ目の前にカウンターとネタケース。座れば背中がドアと接触するくらいの狭さだ。席は4つしかなく、しかも席と席の間は密接距離くらいしかないので、肩寄せ合って座るしかないのだ。
 
 
 
2階から大将が降りてきた。
腰の低い、物腰の柔らかな人が第一印象。口ひらけば、その印象は間違っていないことを確信。
 

 
いきなりの握りではなく、アテを適当に見繕ってくださいと注文。
ちなみに本日のメニューは大将の背中側に掲示。
 
なにか苦手なものはありますか? と大将。
ピーナッツがダメなんですけど、お寿司屋さんには関係のない食材ですよね と軽口叩くと、豚バラ煮との料理があるのでそれは出さないでおきますね と直球での返答。握り鮨は魚しか扱っていないと思い込んだらあきませんね。
 
 
 
 
まずはビールから。
 
 
 
 
 
日本酒の銘柄は、なかなかの有名どころが置いてありました。これは後ほどのお楽しみ。
 
 
 
ネタケースを見て、テンション上げ上げのKT社長。
最近はこういうのを置いてある店が少なくなったんですよね これ食べたいなってネタを見ながら頼みたいですよね といつにも増して雄弁。
 
 
 
 
フキのおひたし。
全くエグミも無く、まろやかな出汁が中にしっかりと入っていて、二人共に感動。
 
 
 
ふぐ皮と遠江(とうとうみ)ポン酢。
コリコリの食感とポン酢で彩られた味が格別だ。この本皮は、大きなふぐでないと取り分けることが出来ないというほど貴重な部位らしい。
 
 
 
香住 せこがに酢。
 
 

 
僕はビールのおかわり。KT社長は芋焼酎ロックだったかな。
 
 
 
 
刺し盛り。
常連さんと思しきお隣のカップルが真っ先に注文されていて、それがサーブされたのを見たらものすごく美味しそうだったので、僕達も注文。
キメの細かな塩が添えられていたが、KT社長は甘い、僕は塩からいと何故だか両極端。でも二人共、これをつけて食べると素材の味が生きていいねとの最終評価は一緒。
 
 
 
七本槍を頼みました。そのあとは上喜元も飲んだんだけど撮り忘れ。
 
 
 
燻製盛り。
左手から順に、干しホタルイカ、ブリ、タラの白子、シシャモ。燻すと味が濃厚になるというが、特にタラの白子がこの日秀逸。これはお酒が進みます。
 
 
 
ブリユッケ。
ユッケといえば胡麻油。ブリとの調和が取れていて、もう最高。
 
しかし握りの前にこんなに食べて大丈夫なのか。
KT社長に問うと、やはりお腹が膨れつつあると。そろそろ握りを と大将に投げかけると、あと一品お出ししてから との回答。柔らかな返答の中に、職人としての芯の強さを垣間見た気がした。
 
 
 
鯛の子。
魚ってどの部位も美味しいけど、なかでも魚卵は別格。優れた料理人の手にかかると旨みが更に引き出されて美味しさの高みに押し上げられるが、まさにこれがそれを体現。
 
 
 
ひと口で食べられるサイズだけど、お酒を舐めながら少しずつ齧るのが僕の食べ方。だってその方が長く楽しめるしね。
 
 
 
さて真打の握り登場。
 
真鯛。仄かに香る柚子の香りを楽しむ為に塩をつけて。
 
 
 
太刀魚。少し炙っているのか良い香りがする。これはなにもつけずに。
 
 
 
KT社長注文の赤貝 ヒモと身。これもそのままで醤油はつけず。
 
 
 
ハリイカ。これも柚子の香りを纏って登場。
ここの大将、柚子をうまく使っています。甘くて美味しいイカ。
 
 
 
シラサエビ。
スジエビ、もしくはモエビとも呼ぶそうですが、天然物しかないというネタ。さすがに生では出ませんでした。
 
 
 
頭も別で出していただきました。
 
 
 
イワシ。
光物が大好きなKT社長。とっても嬉しそうです。
 
 
 
 
ここで馬糞雲丹が出たんだけど痛恨の撮り忘れ!
 
 
マグロ中トロ。甘くて味が濃ゆい。
 
 
 
穴子。
僕が一番大好きなネタです。期待通りの美味しさに満足満足。
 
 
 
ブリカマ沢。
ネタが新鮮でないと巻けませんね。
 
 
 
 
玉子。
鮨職人の腕を見るには玉子を真っ先に食べるべし といいますが、これまでに出された料理で大将のすごい腕前は見せつけられました。
 
 
 
干瓢巻。
 
 
 
握りはここで終了。2回転目が20時からで、既に次のお客さんが待っておられたので最後の一品となりました。次がなければまだまだ食べられました。
話には聞いていましたが、シャリが小さいので僕やKT社長の様な小食派であっても、いくらでもお腹に入ります。キリがないので、事前にアテをしっかりと食べておくことをお勧めします。
 
 
 
ご馳走様でした!
大将の丁寧な仕事ぶり、接客には本当に感心しました。やはり人気のあるお店はどこでも共通してお客様ファーストを貫いていますね。
大将に伺うと、今の予約は2年後、つまり再来年の分となるようです。4席で2回転しかしなかったらそうだろうね。しかも新規客の予約は受け付けていないそうなので、僕とKT社長にとっては最初で最後の訪問になるやもしれません。
またなんらかの機会があってお伺いできたらいいなぁ。
また来ますね と気持ちは前向きですか。


 
 
でも宣言します。
また来ますね!