『もう 終わったの?』
黙ってしまった 通話相手の耳に
届かない様
マイク部分を
ギュッと握り込んで
視線の先の 兄貴に声を掛ける
兄貴的には
こっそり覘いてたつもりが
がっつり見つかって
“ややっ”て
やっちまった感 ありつつ
…の
『その…大丈夫?』
会話の弾んでいない状態
プラス
俺が
PC作業する ポチポチ音に
混じる
殺気
処理速度の遅さ
加えて
データー削除の
一掃に着手しかねる
好奇心の横やり
プラス
抑えきれない
慾の存在
et ceteraにて
俺の苛立ち感情
態度で音で
周囲への通達
言葉よりも饒舌で
リモート飲みに
不参加だった兄貴の耳にも…
で
余計な気遣い
させちゃってる現状
あぁ…もう 本当に…
と
俺自身の 大人げない
未熟さに
嫌悪が始まる
と 同時に
もういいや
って
インストールした
あれやこれがど~のこ~のって
旧式ツールへの執着
投げやる気分と
目の前の兄貴との
2人の時間に
とっとと シフトしよう
って 欲求から
取りあえず
データーの処理を
俺がどうこうしないでもいい様
ホストに連絡入れてる…って
ふわふわの言葉
信じるとかじゃなく
態よく 欲望に傾いてる
今の俺にとっては
見られたくない映像だから
見てないでって
ふわふわの希望が
利害の一致…ってヤツな訳で
『…じゃぁデーターの山
ひとまず 放置するから
処理の方は 好きにやってよ』
そもそも
そうしてくれと言われたんだ
開口一番に
本当に放置していいのかどうかなんて
分かんないけど
つまみ程度の料理
リモート会議の合間に
口にしていた程度の兄貴との
食事
優先する事にして
俺から掛けた電話を
俺から切った
つづく