ワイプの中の彼を見ながら
よしっよしっよしっ
思った通り 食いついたぞ
と
饒舌な彼の声 聴きつつ
ほくそ笑む…も
「そこそこ技の数も あるし
初心者には あれだけど…
試してみるには 面白いと思うよ」
要は
キー操作覚えるまでは
時間食うってことが
言いたいのだろう
軽く
俺を下に見る発言
挿みつつの 毎度のやり取り
「はいはい」
と 聞きつつ
彼の
絶対的自信…って言うか
自分が勧める武器を
俺が必ず 選択すると
思い込んでる節
言葉の端々に
疑う余地もない風な
彼の物言いが
ちょっとばかし
俺の悪戯心を くすぐるから
彼も見てる 画面上の
持ち物切り換え作業中
決定ボタンを 押す流れの所で
選択カーソルを 再度動かし
彼 推薦の武器の上を
通り過ぎたりして見せれば
「おぉい…聞いてた?俺の説明」
モニター上の
俺の 迷走っぷりに
突っ込んできた 彼の声
慌てた様子に
俺の悪戯気分は 満足しつつも
「あぁ…これでしょ?
デザインがなぁ…
んんん…これねぇ…はいこれ」
と 渋々感 演じながら
選択すれば
早速
「…お前みたいな奴には
勿体ない装備だぞ
使ってみてから文句言えよ」
また 彼ってば口が悪いったら…と
思った通りの 反応する彼を
くすくす笑いつつ
手にした武器の
使い勝手を試す動作
ボタン連打で 初めれば
まだ 技の練習も
してない内から
仕返しか
早速とばかり
「ぉお~し…ぶった切っていくぞぉ」
彼ペースの 開始の合図
「死ぬなよ」
ホント
見た目に似合わない
物騒な物言いばっか の声に
喧嘩腰な話題だけじゃなく
静かに語る声とかも
聞きたいもんだ…
と 彼への願望 増やしつつ
ゲームを再開する
つづく