チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繫ぐもの 213

2019年08月23日 13時12分38秒 | 日記
「もの」から「こと」になったと言われている
物を持つより「こと」に参加する
最近着物姿のグループに出会うことが多い
みなさん嬉しそうに歩いている
目的は何でもいいとにかく着物仲間と一緒に歩き語り合いたいと思うらしい

銀座の歩行者天国を大勢で着物を着て歩く
また恒例化されているが黄八丈を着て銀座を歩くとこれも歩行者天国で行われている
まだある 浴衣を着て銀座を歩く

そのために着付けのボランテイアが大忙しで着付けをする

また仲間で気に入ったレストランでランチをする
歌舞伎に行く 文楽に行く オペラに行く 音楽会にいく 神社仏閣をめぐる
更にはハワイの町を浴衣を着て歩く
パリで着物ツアー ローマで、ニューヨークでと世界にも着物の団体が広がっていく

世界に着物の良さを美しさをアッピールするという目的の他に
着物を着ることの楽しさを自分で感じたいという気持ちが強い
こういうイヴェントでしか着物はもう着られないのかしらと嘆く気持ちも私にはある

さささと着物を着るにはあまりにも身につけるのが多くなっているのも現状
幼い頃の母の姿を思い出すと目にも留まらぬ速さで着物を着ていたように思う
お茶のお稽古に行く姉もそうだった目を離したすきにもう着ていた

「今日は小千谷にしよう」
という母の言葉を聞いて「今夜はおじや」ととり「いやだおじやは」と半泣きの私をみんなが笑って「大丈夫ちゃんとご飯たくから」下の姉がなだめてくれたりして、着物の素材が日常会話に使われていたことを思い出す

こういう時代は「着物を着る」という心の構えはなく、ごく自然に着物と洋服を着分けていたのだろう

誰かと一緒に着物を着るという時代から、一人でも「着たいから着る」にしたいな

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