M.シュナウザー・チェルト君のパパ、「てつんどの独り言」 

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もとに戻る?

2020-09-06 | エッセイ

 依然として、「昔に戻る」、「戻りたい」という発言が結構ある。

  

 コロナ以前の世界に戻りたいという気持ちの表現だ。しかし、よく考えてみるとコロナ発生の原因と思われるのは、人間社会の膨張が新しいウイルスとの遭遇を招き、それが世界的なコロナの蔓延を生んだのであり、さらには異常気象という大きな環境変化がコロナの裏にはある。簡単に時間がたてば元に戻る…というわけにはいかないのだ。

 <CO2: By Great Acceleration>

 基本的な異常気象の原因は、空気中のCO2の増加であり、地球の温暖化による氷河の融解であり、南極の氷の融解であり、結果として人間にとっては、吸える空気、飲める水が足りなくなるという将来があることを認識しなければならない。水資源の枯渇ということを考えると、もう過去に戻ってはならないのです。

 戻らないで、進化している部分も結構あると見受けます。

 例えばテレワーク、オンライン診療など、物理的なディスタンシングを保つこと、つまりコロナの感染から逃れるため、物理的な三蜜からの逃避が余儀なくさせたものでしょう。

 残念ながら 従来通り、全く変わらない部分も結構あります。例えば、満員電車。なぜ無くならないのでしょうか。不必要な出社を抑えれば、満員電車で定時に東京駅に着く必要は本当にはないのです。しかし、以前として昔を懐かしく思う会社の風土、部下を見渡したい中間管理者、これまでの仕事のやり方を選択するきもち、もしくは出社することを当然の社会生活だと思っていることなどに、元に戻るという動機があるようです。同時に、自宅で働くことの難しさがあるとも思います。仕事と家庭の切り替えがあいまいになって、精神的に不安定になるとか。

 <丸の内北口:東洋経済>

 コロナによって大きく変わったことが、いくつかあります。解決していかなくてはならない問題も見えてきました。

 大学の姿は、授業がオンラインになったことで、人と人とのつながりが密から疎に代わって、結果として友達が作れない、友達とワイワイやれないということが大学教育の問題として現れているようです。

 大学時代を思い出せば、非常によくわかるのですが、大学の先生との議論、友達との議論、友達とのサークル活動、大学祭などは、人が物理的に集まって、ワイワイガヤガヤやることによって、始めてその人々の内面を知ることができ、親しくなれるのです。逆に、この人は、僕が付き合う相手ではない、などという動物的な勘も含めた判断ができたのですが、それはオンライン教育では全く不可能だということでしょう。

 <大学祭>

 これは発達心理学から見ても、大きな問題で、特に小学校、中学、高校においては、まだ大人としての自己が確立してない時期に、感情と匂いと雰囲気を感じるこができないオンライン画面でのやり取りとでは、社会の中に生きる人間を育てるという社会の重要な使命から見ても、欠落するところが大きいと明らかになっていると思います。

 <社会心理学によるEGOの発達>

 それを、例えば心理学的なカウンセリングでカバーするとしても、それがまたオンライン診療 オンラインのカウンセリングということになると ボディランゲージを含め、人間の動物としての行動をカウンセラーとやり取りすることが不可能になり、的確な反応ができなくなるとと思います。

 やはり、経験から見ても対面でのカウンセリングしか考えられません。この辺は本当に手を打たないといけないことだと思います。子供たちの将来がかかっています。

  テレワークでモラルが下がっているということが伝えられます。当然のことながらジョブ・ディスクリプションに従って会社と繋がり、その成果で評価されるということだけになると、人間味のある仕事にはならないでしょう。またそのジョブ・ディクリプシオン自体を作成する際にも、その人の特性、モチーフ、独立性、将来の希望などの各要素を総合して考えないで作ってしまったら、仕事を始めたとしても 決してモラルは上がるわけがありません。

 <テレワークvs出社:H.B.R.より>

 一つの実験としては、決められた記述された仕事以外に、冒険的な、もしくは野心的な新しいことへの挑戦を含めてアサインすることが重要だと言うことが認識されてきました。言われたことだけやってればいいやでは、人間のモラルは上がらないのです。 ちょっと高い目標を目指して、できれば、ほかの人たちとの意見を交換しながら、より高い目標にチャレンジすることが、モチベーションアップの基本的な重要な要素です。それを、どうオンラインの社会で作っていくのか、これも大きな課題だと思います。

 <野心的な目標とモラル:H.B.R.より>

 もっと手短な問題としては、新入社員をどう育てていくのか、従来のOJTに代わるものがあるのか、それともハイブリッドにするのか、大切な問題も残っています。

 日本の会社全体の旧来のビジネスプロセスの再構築ではなく、リ・エンジニアリングを行って、仕事のやり方の変革が絶対に必要でしょう。もちろん、ツールとしては、DX/AIなどが現れてくるでしょう。基本は、新しい社会を作るという心構えが大前提です。

 皆さんは、どんなことを考えていますか?

 

クレジット :H.B.R. Hurverd Business Review

 


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