ニセコのダチョウ牧場(第2有島だちょう牧場)

ダチョウの孵化から解体まで行い、命を頂く事、牧場を営む事で得た、学びや気づきを記録しています。

自然への感謝、責任について

2019年09月21日 | 日記
牧場の中を民泊に来た学生さんと散策すると、キノコや山ぶどう、サルナシにくるみが目につきます。
美味しく熟れた果実の味も知ってもらいたいですが、まだ熟れていない果実の野趣あふれる味、深みのないみずみずしい味も知ってもらいたいです。
おいしさを伝えたいのではなく、今しか感じられない初めての味を知ってもらいたいです。
そして、子どもたちの中に味覚を通して、自然の中で過ごした記憶を残してもらいたいです。
修学旅行が終わって都会に戻り、全く自然と関わることがない生活に戻り、大人になっていく彼らに、少しでも自然と関わった思い出を残すことができれば、自然を大切に思う気持ちが少しでも強くなるかもしれません。

私たちが与えられている自然の恩恵を、これからも受け続けられるとは決して思えません。
環境が変わっていっていることをニセコの四季を通して感じます。
ゴミの分別や環境への影響を減らす努力を個人でしていくことには限界がありますが、それでも、続けていかなくてはならないと思います。
学生さんが来たら、だちょうのエサをいろいろと頂いてきたものでまかなっている話やごみや糞をたい肥化して無農薬で化成肥料を使わずに野菜を育てていることを伝えています。
野菜にもこうした栽培法に適したものとそうでないものがあり、すべてを有機栽培でするべきだと言いたいのではなく、自然に負荷をかけない農業の方法を模索していることを伝えます。
この先も地球に色々な変化が訪れ、どうすればその変化に順応し、破滅的な未来を避けられるのかは分かりません。ですが、何かしなくてはならないです。
学生さんの民泊を通して、自然のありがたさを再確認しつつ、私達がもつ責任について考えさせてもらっています。

牧場ではお菓子の工房を始めさせてもらいましたが、ここでは食品ロスの発生をゼロにしています。
経営学では食品ロスを出すくらい、商品をたくさん作ることが売り上げを伸ばすということが分かっています。
食品を過剰に作らないでお客さんを逃すことは機会損失コストとも呼ばれ、避けるべきだとも考えられています。
しかし、これからはそういった経営をして利益を得ても、最終的に環境が激変してしまっては意味がないのではないかと思うのです。
お客様が商品が売り切れてしまい、残念な思いをしないよう、しっかりと考えなくてはいけないので大変です。ですが、安易に大量に作るよりも、考えて適正な量を作ることに価値があると思うのです。
自然への感謝を忘れず、責任を果たすということは考えれば考えるほど、本当に大変なことです。
まだまだできていないことが多く、偉そうなことを言える立場でもなく、これからも偉そうなことを言っていい立場には立てなさそうですが、言いたいことが出てくるのだから困ったものです。




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