残業をアテにして、土曜日・祝日出勤を見込んで、工程計画を立てる。

なんでそんなことすんだろう？全然余裕しろなくなって、自分で自分の首締めるだけじゃねーの？

ゼネコンで勤務するたび、そんな想いを抱く。

そもそも、建設業は自然相手の仕事なので、想定外の事態に巻き込まれたり問題が発生することがしばしばある。いや、日々何かしら起きている。

そのため、問題やトラブルに対応するための余裕しろは必要だと、私（金山）は考えている。そうでなくても、工事工程の実績は計画から遅れがちになるのに、余裕しろが無い中で問題やトラブルが起きたら、どんどんどんどん遅れていく。問題やトラブルへの対応に時間が取られるからだ。

追加で測量や地質調査したり、設計をやり直したり、新たに施工計画書を作り直したり。あるいはもっと厳重な安全対策を検討せねばならないことだってある。

ヒューマンエラーだって起こる。測量ミス、設計ミス、材料手配漏れ、不完全な安全対策、などなど。

負の感情エネルギーの力はバカでかい。常に意識していても、気づいたら呑み込まれている。防御壁を築いていても、あっという間に破壊される。

それでも、感情の向くままに行動したら、自分に負けたも同然である。

たとえ、他の全員がカッカカッカしていても、自分だけは冷静でいられるようにしている。冷静さがあれば森全体を見れるようになるからだ。

全体を見ることができれば、数字をいじったらどこがどう変わるのか？かわかるようになる。

A工事の工程を少し変えたら、どの工程に影響を及ぼすのか？

構造計算の土質定数を変えたらどこが変わるのか？OUTになる箇所はあるか？あるとしたらどこがOUTか？それはなぜか？

いろんなことが見えてくる。それを上に報告すれば良い。

とてもシンプルなのだ。

それもこれも、余裕あればこそ、である。テンパったり焦っては全体を見渡すことは至難である。検討に要する時間がなければ、要所でも手を抜いてしまうかもしれない。

だから、計画工程に対して出来る限り余裕を持たせる。使える時間・曜日に余裕を持たせる。

ギッチギチに詰め込んで余裕が全くない状況は危険である。耐力に余裕の無くなったコンクリートのように、いとも簡単に破壊されてしまうのだから。