Look at the Dawn Sky (^^)

生きとし生けるものが幸せでありますように。

南へ、西へ。そして西へ西へ。

2019-06-14 16:27:39 | 日記

 冬場にはおよそ20羽。そして今くらいの季節はだいたい4、5羽のスズメ達が毎日私のもとにエサを強請りにやってきます。

 そして今の季節にやって来るスズメ達の半数は、雛たちを養う為に強請りにやってきます。

 私がパラパラと少しずつエサを撒くと彼らはその小さな嘴で、目一杯にパンくずを咥えられるだけ咥え、おそらくは雛たちが待つであろう巣の方角へと全力でカッ飛んで行きます。毎日毎日、何度も何度も。

 そんな4、5羽のスズメ達の中で、私が間違いなく個を特定出来るスズメはたったの2羽だけです。

 それは一番小さな個体と一番大きな個体の2羽だけで、その一番小さな個体をホリママ(聖母/ホーリーマザーを短縮)と、一番大きな個体はジャイアン(そのまんま)と呼んでいます。

 ホリママやジャイアンと私のつきあいは、だいたい三年半ほどに及びます。

 その三年半の間、それはまあ、いろいろとありましたが、そのいろいろの中から今回は、最近のホリママの行動について(多分に推測、妄想をも含みますが)、そして私が何故この個体を聖母と呼ぶに至ったかについてまで、少しまとめてみましょう。



 ところでこのホリママという個体は以前このブログで記事にした「スズメからの贈り物」に出てきたスズメと同一の個体です。

 そのホリママさんは白詰草の後もしばらくの間、様々な贈り物を時々私に届けてくれていました。

 白詰草をはじめとする草花の切れ端などなら、私も素直にありがたく頂戴出来るのですが──その後、様々な虫の死骸やら、正体不明の白くてぶよぶよした謎の物体Xやらをドヤ顔で持ち込まれては……さすがに苦笑いを返す他ありません。

 ところで私は、このようなスズメの贈り物についての事例は他にも絶対あるはずだと思い、少しネットで調べてみましたら、やはりそこそこありました。

 それらは主に発情期の季節とダブるようにして、こうしたスズメの贈り物(恩返し?)的な行動が散見されていました。

 とはいえ発情期に全てのスズメがこうした行動を行うワケでは無く、また発情期だからといってスズメが人間に対し性的な欲情を催しているなどとは到底思えません。

 だからおそらくは、こうした行動を行うスズメとはごくごく一部の気のきいた個体であり、そうした一部の個体が、気候が穏やかでエサが豊富で生存が容易なこの季節に、ごくごく単純な感謝と好意から発された行動だと私は考えていました。

 

 そんな微笑ましい贈り物の季節(発情期)が一段落したら、次は巣作り、産卵、抱卵、そして子育ての季節がやってきます。

 ホリママは(あ!、ママとか聖母とか私が勝手に言っていますけど、この個体が本当にメスなのかどうかは分かりませんのであしからず)毎日、身体中に巣作りに要したであろうたくさん草木のゴミをひっつけながら、時折自分の栄養補給のために、エサを貰いにやって来ていました。

 もちろんホリママの他にも巣作りに励んでいる個体は見受けられていましたが、ことジャイアンに関しては至って通常運転、巣作りには一切関わっていないご様子とお見受けしていました。

 そんな5月の中頃。ホリママの他にもう1羽のスズメがパンくずを咥えて飛んで行くようになりました。

 ホリママは南へ、もう1羽は西へと、おそらくはそれぞれの巣で待つ雛たちのもとへと飛んでいることは、ほぼ間違いないと思っていました。

 そして5日ほど前のこと。

 ホリママがエサを咥えて飛び立つ方角が南ではなく、西へと変化しました。

 もちろんそれまでに西へと飛んでいた個体も相変わらず西へと飛んでいるので、現在(今日まで)のところは2羽が同じ方角へと飛んでいることになります。

 ところでそのもう1羽の個体ですけれど、私が観察した限りだとホリママと比して、とても不器用な個体なのです。

 私が与えているエサとはパンのミミを約1cmの大きさに切り刻んだモノなのですが、ホリママは自らの嘴でそれを三つ以上に切り分け、それを複数上手に咥えて飛び立ちます。

 しかしもう1羽の個体の方は、そもそも私や人間の姿にどうしても怯えてしまい、なかなかエサ場に近寄れないことと加え、パンを切り分けることもまた大変不得意なご様子。

 最初はそれでもなんとか自分で切り分けようと努力していましたが、ついに努力は実らなかったようで、結局1cmのパンをひとつだけ咥えての往復に専念しているようでした。

 さて、ここまでは私がこの目で見た事実を端的に述べたつもりですが、ここからは幾らか私の主観が好む妄想混じりの推測になります。

 まずはホリママが南へ向かって飛ばなくなった件についてですが、これには沢山の可能性が思いつきます。

 一番穏当で順当なところでは、ホリママが養っていた雛たちがこの度無事巣立ちを果たし、給餌の必要が無くなったというものです。

 しかしそれ以外にも有り得ることとして人間やカラス、或いはネコなどから何らかの妨害に遭い、巣が壊滅したという可能性も捨てきれません。

 どちらにしても……と言うか、もし、ホリママの巣が何かに襲われ、壊滅していたとして、それでも尚、襲撃者を恨む事も暇もなく、他人(他鳥?)の子育ての援助に邁進していたとするならば、これはもう菩薩行というか、聖母そのものというか、とにかくとても尊い行いだと、どうしても思われるのです。



 実は今日、私は持病のぎっくり腰でしばらくの間、件の場所でうずくまっていました。

 その時、ホリママは私の目と鼻の先、ほんの数センチの所に来て「(……大丈夫?)」と、とても心配そうにしてくれていました。

 これはもちろん100%私の妄想に違いありませんけれど、まあその辺は平にご容赦頂きたいところで御座いますよ。



 というワケで後日またこのブログでスズメ達のレポートを報告したいと思います。

 生きとし生けるものが幸せでありますように。


 230 拝


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