走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

思い込みか頑固オヤジか

2020年12月06日 | 仕事
彼は思い込んだら一直線。思い込みが激しいのでそれをほぐして新しい理解へ導くのはとんでもなく難しい。コロナのせいで電話診療であればそれはさらに悪化する。以前書いた彼のブログはこちら。

で、今回も同様の事。電話では埒があかないので来診してもらう事にしました。で、看護師のAさんと来ても良いか?と彼は言います。このAさんは誰ですか?と彼に聞いても看護師だの一点張りです。名前とかではなくてどこに属する何の目的で、、、が聞きたいのに。だって私は訪問看護も依頼していないし、いったい誰なんだ???と疑問が湧きます。

で、その来再診の際Aさんは付き添いでやってきました。Aさんは同じ教会へ行く方。私の患者の病状を心配した教会側がAさんに私の患者を手伝ってもらえないか?と頼まれた事が始まりです。いわゆる報酬が発生しないボランティア。あーようやく理解できました。身寄りがそばにいない一人暮らしの彼にとって自分側に立ってサポートしてくれる人は大事です。

いやー本当に助かった。Aさんの存在は大きかった。同じことを言っていても私からの説明とAさんの説明では彼の反応が全く違う。何せ彼にとって私は自分の話を聞いてくれない(理解してくれない)医療者ですから。今まで拒否していた検査にも行くと言ってくれました。

思い込みや先入観。これもコミュニケーションを阻害するものです。患者の事を理解力が低い、とレッテルを貼ってしまう人がいますが、その理由にもいろいろある、と知ることはとても大切だと思います。


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