走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

一生を通して行うケア

2019年02月21日 | 仕事
昨日の続き。黄疸がある赤ちゃんへの指導。保健師が自宅訪問するから任せれば、、、について。

プライマリーケアというのは前にも書いたが、1次と2次の疾病予防。疾病のマネージメント、そして健康教育。ジェネラルプラクティショナー(GP)と呼ばれる家庭医とナースプラクティショナー(NP) はクレードル(ゆりかご)からコフィン(棺桶) までのケアと呼ばれるように、人の人生を通して行なっていく継続的なケア。GPとNPは患者のケアの総監督みたいなもの。

保健師の人にケアを委ねたいのなら、保健師と直接話して状況を説明して、しっかりバトンタッチを行なってするのならそれで良い。しかし異常があれば保健師が気づくから、、、ではプライマリーケアの責任を取っているとは言えない。

専門家に紹介するかどうか、入院が必要かどうか、それを決めるのも私たちの仕事だ。高齢者や重い疾病になり在宅医療が必要となれば訪問部門が関わってくる。私たちに変わって症状を報告してくれる。その情報をどうするかも私たちにかかっている。両方向で密接なコミュニケーションも重要になってくる。

この赤ちゃんの黄疸が悪化して後遺症か死亡となった時に責任を責められるのは保健師ではない。私たちなのだ。適確な指導をしなかった私たちの。

1週間後に再診してもらう事にした。それまでにも何がどうなったら再診するのか、いつ救急へ行かなければならないのかも明確に説明しなければならない。新生児の黄疸は自然な事だ。しかし回復しなければ異常となる。それを見極めるまでは安心できない。そういう事をNP学生さんにわかってもらいたかった。


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