走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

たかがブログ、されどブログ

2020年02月20日 | 仕事

先日から看護師の業務拡大に対する意識調査について自分の考えを書きました。これらに関してもう一言。

私もブログとツイッターで日本に向けて自分の考えを述べています。書くときに気をつけている事は、自分の品位が疑われるような内容は書かない。高度実践看護師(APN)はリーダーです。自分が理論性や説得性に欠ける事を書く事は、自分のみならず、カナダのナースプラクティショナー(NP)はあんなレベルだね、と言われかねないからです。これはSNSの発言に限らず、公共の場、職場、患者家族に対しても同様でNP学生時代から教師陣に厳しく言われてきた事です。私が所属するBC州では、NPはまだまだ新職種だからです。新しいものには注目がいく。周りが批評するのは当然。言葉、行動、立ち居振る舞いがいつも見られている気でいろ、と。

NPは新職種なので注目度が高いわけだが、私はこれは看護職という職能団体にも当てはまる事だと思う。だからカレッジはスタンダードやスコープを設け、個人のSNS活動にも注目する。一看護師の言動があたかも看護師全員を反映しているように取られる可能性があるからだ。職場だってそうだ。一職員のはずが職場名を出すと、まるで代表として喋っているようになりかねない。だから私の職場では職場名を出して公共で意見する場合は必ずメディア部門の許可をもらわなければならないのだ。

ネットはとても怖い世界です。一旦出てしまえば、回収はほぼ不可能であちこちに出没します。世界図書館に登録された学術論文や著作権が関連するものは別として、親切思いで掲載したプレゼン用のスライドが1人歩きする事だってあります。

世界の医療雑誌への掲載や海外の学会での発表には査読があり、それなりの質がなければ採用されません。しかし貴方のスライドやブログやツイッターは自分の判断でネットを通して世に送り込む事が出来ます。つまり貴方の品位や知識レベルが問われるのです。看護職の業務拡大のスライドについて2日間かけて違う角度から批評した私の意見は厳しいものです。

何が言いたいかと言うと、ネットに自作のものをあげるときは、それなりの覚悟で、看護師やそれぞれの専門分野で妥当だと確信できるものを出すようにしましょう。そうでなければ、統計をわかっていない、研究をわかっていない、看護論をわかっていない方が出すものは、その分野の知識がある人にはすぐわかってしまいますからね。これがあなたの職業を見下される理由になる事だってありますよ。

多種職や国民から看護職の評価を上げたいと思うなら、このようなところにも気を使うべきだと私は思います。以前にも書きましたがブログやツイッターで職場は隠していても、職業名を名乗っているのなら、たかがブログ、たかがツイッターでは済まないと思います。

長くなってきたので続きは次回に書きます。


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