後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

秋の思い出、あけび、栗、柿

2019年09月18日 | 日記・エッセイ・コラム
秋になりました。
秋になるとあけびや栗や柿などを思い出します。
戦中、戦後に仙台市に育った頃は秋の果物といえば柿と栗しかありませんでした。冬になれば果物店に青森の林檎や静岡のミカン並びがましたが、一般的に果物は貴重品でたまにしか食べられませんでした。
そんな時代の1950年頃に郊外の八木山の森深く入って行くと不思議に山栗が沢山落ちているところを一度だけ発見したのです。それは踊り上がるような歓喜でした。
栗の実を拾い集めてからさらに森の奥に入って行きました。と、不思議な果物がつるにぶら下がっていたのです。それは淡い紫色になったアケビでした。
すぐに取って、中の果実を口に入れると、やさしい穏やかな甘味が広がります。その甘味は砂糖のように強くなく、ほのかな甘味ですが、何故か体中が幸せになるような感じがします。
この世の果物ではないような味です。幻想的な味です。
それ以来、野生のアケビを探して八木山の奥に毎年のように入りましたが、なかなか見つかりません。まさしく幻の果物でした。
・・・それからいろいろな事がありました。あっという間に25年が過ぎ去りました。
1975年になって山梨県の甲斐駒岳の麓の森の中に小屋を建てました。初めて行ったときに小川の向こうに何と、あの幻の果物のアケビが実っていたのです。薄紫色のアケビが3個ぶら下がっています。
少年の頃。仙台の八木山でアケビを見つけた時の歓喜がよみがえります。
そこでその小屋の名前を「あけび荘」とし、彫刻用の木版に彫って小屋に取り付けました。
・・・それからまたいろいろな事がありました。あっという間に15年が過ぎ去りました。
1990年に琵琶湖で中古のヨットを買って、霞ヶ浦のマリーナまで陸送しました。その時、ヨットの店の人に「あけび号」と船首に書いて下さいと頼みました。
霞ヶ浦に浮かんだ「ヤマハ19」の白い船首の両側に墨黒々と「あけび号」と書いてあります。
その10年後に少し大きな中古ヨットを買いましたが、その登録名は「あけびⅡ号」としました。
アケビの実は不思議です。私の人生の大切なものになりました。
いつもは忘れているのに人生の折り目、折り目に心の中から出てくるのです。そして八木山の奥でアケビを発見した時の歓喜がよみがえってきて幸せな気分になるのです。
ある新聞に下の句がありました。

「あの頃のほのかに甘き通草(あけび)かな」  松井矢菅

写真にあけびや秋の果物の写真を示します。
あけびの写真の出典は、http://www.geocities.co.jp/Foodpia-Olive/2344/recipe/oba-chan/akebikawa.htmです。
栗の写真の出典は、http://blog.goo.ne.jp/syumi-uu/m/200609です。
秋の果物の写真の出典は、https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=22654001497&GroupCD=0&no= です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)





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