ヘッドフォン、イヤフォン修理で再活用月間 | とれすけのブログ

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特段期間を定めてやっていたわけではないのですが、たまたま必要性が生じたのと、難しかった修理方法に解決策が見つかったので連続したという感じです。

修理というからには壊れた経緯がある訳ですが、私の場合はほとんどが断線の症状でした。
家でギターの練習をする時はヘッドフォンやイヤフォンを使うのですが、その際に結構汗をかく訳です。で、その汗が結構なくせ者です。

最初のケースはBoseのTriportという密閉型のヘッドフォンなのですが、汗の影響が大きいと思うのですがパッドがボロボロになってしまいました。なので、しばらくお蔵入り。
ですが、Amazonで交換用のパッドが売られているのを知り、交換して見事復活、と行きたいところだったのですが、どうも本体に近い部分で断線の症状が出てしまっていました。一旦はケーブルを短くして断線部分を取り除き、それを本体のドライバに半田付けしょうとしたのですが、ヘッドフォンとかイヤフォンのケーブルの芯線はコーティングされているものが多く、BoseのTriportもその例に漏れませんでした。



コーティングを剥がさないと半田も載らないし、一見くっついたようには見えても接続はされていない状態です。コーティング剥がしはその時は紙やすりでやってみたのですが、目が荒すぎたせいもあって、芯線自体もちぎれちぎれとなり、一応繋がったものの音が片方だけ小さいみたいな状態にしかなりませんでした。
結局、これは諦めて年月が経ちました。

二つ目のケースはBoseのInn-earというイヤフォンなのですが、この場合はある時期からケーブルに割れが入ってきました。やはり汗の影響だと思います。
当座しのぎでホットボンドで修復を繰り返してきたのですが、さすがにケーブルの半分近くがホットボンドで覆われるという惨状になったことで使用を諦めました。

もう一つはiPhoneに付属していたイヤフォンなのですが、これは単純にプラグのあたりで断線という症状。

普段音楽を聴くのはBluetoothイヤフォンに移行してきたので、あまり困ることもないのですが、ギターを弾くときはBluetoothイヤフォンだとレイテンシ(遅れ)が大きすぎて使えないこともあり、できればBoseのTriportは直したいなと常々思っていたのでした。

で昨年年末にバンドの練習に入ってみて、イヤーモニターの必要性を感じたことから、何か作れないかと考えた結果、出来上がったのが前回書いた記事のワイヤレスイヤーモニターです。
いくらか進化させて、今はこんな感じになっています。


簡単にいうと、安いギター用のワイヤレスシステム+ミニアンプ+イヤフォンという構成でモバイルバッテリーを電源にしています。
この時に、使うイヤフォンとしてiPnone付属の断線したイヤフォンを使用することにしたのでした。ミニアンプは基盤形なのでプラグは使わずイヤフォンのケーブルを途中でカットして基盤に半田付けてます。

で、この時やはりケーブルの芯線がコーティングされていたものだったのは言うまでもなく。
今回はネットで情報を探りました。
曰く、半田の熱で焼く等々。
ただ、やってみると熱量が足りなかった感じもあり、試しにライターの火で炙ってみたらコーティング剤と糸(断線防止のためでしょうか、こういうのが一緒に巻いてあるんですね)がチョロチョロと燃えてくれました。
アルコールですすを綺麗にして、予備ハンダを付けてトライしたところうまく付いてくれました。

コーティングをどう剥がすかがポイントで、この燃やす方法ではコツとして燃やす部分より手前はラジオペンチなどで延焼防止をしておくといいと思います。全部燃やしちゃうとGNDとショートしてしまいますし。

この方法がうまくいったので、Triportの方もやってみることにしました。
最初はドライバの手前でケーブルを切って、ケーブル同士つなげようと思ったのですが、これはあまりうまくいかず、結局ドライバの端子のところで半田付けすることで、なんとか解決しました。

このモデルは左右のケーブルが均等に真ん中でまとまるというスタイルだったものが、かなり右寄りに短くなってはしまいましたが、往年の音が復活しました。



さて、もう一つBoseのInn-earですが、これはケーブルだけ新しくするというのがシンプルな解決策かと思っていましたが、昨今主流のBluetoothにしたら面白いのではないかと思いつきました。
Amazonで検索すると、こんな製品があり、MMCXプラグ型にするのもいいかなと思ったのでした。





プラグの方も購入していざ取り掛かったのですが、このプラグにイヤフォンのヤワな芯線を結線するのは至難で、一応やってはみたものの結果は×でした。
どう考えてもGNDとくっつけないで半田付けすることは私の技量と道具では無理でした。
こういう時はさっさと諦めます。ここで無理をするとドツボにはまる、きっと取り返しのつかないミスをやらかしてしまうという確信がありました。
こういう時は寝てしまうのが一番です。

しばらく放置していて、その間も何か方策はないかなと頭の片隅においていたのですが、ある日夢をみたんですね。その夢自体に解決策はなかったのですが、どうしてもBoseのイヤフォンの音で聞きたいという欲望が満期となり、その日は朝から作業に取り掛かりました。
もはやプラグ接続は諦め、線でつなぐことにします。
ちょっとためらいましたが、Bluetoothモジュールのプラグ部分をニッパで切り落とします。
線を剥くと、これまたコーティング。しかもかなり細い。
ライターの火で炙ってみましたが、煤けるばかりでうまく行きません。
そこで、今回は紙やすり、#1200番台の紙やすりで慎重にこすって行きます。
裏表みたいな感じでこすって銅線の色が出てきたところで止め、予備ハンダを載せます。
これはうまく行きました。
問題はBoseのドライバの方です。
最初ケーブルを切って、線同士つなげようと思ったのですがうまくいきませんでした。
なんとか分解できないかとひねくり回しているうちに、ちょっと力を入れたところうまく半分に別れてくれました。


接着剤でくっついていたようですが、経年劣化もあってか回すようにすると割と簡単に外せました。
ドライバの半田付け部分でハンダを剥がして芯線を外したのですが、ケーブルが通っている部分は単純に通してあるわけではないらしく、いくら引っ張ってもケーブルが抜けず、結局細めのドリルで引っ掻き出すみたいな感じで穴を通しました。

Bluethoothモジュールの方のケーブルは若干太かったので、ドリルで少し穴を広げました。
ドライバに半田付けもうまくいって、あとは接着です。
ケーブルはゆるゆるではないものの、このままではちょっと引っ掛けたりしたら断線してしまいそうなので、ケーブルも接着剤で固定することにしました。
今回使ったのがこの瞬間接着剤。かなり強力です。



その分、次に断線したときには修理不能になるかもしれませんが、今回はもうこれで決着させようと思いました。直るだけでもめっけもんですから。
完成!


思いの外うまくいったなというのが実感です。
Bluetoothモジュールの特性もあるので、音的には純粋に復活とは言えないかもしれませんが、持っている他のBlurtoothイヤフォンと比較してもやはりアドバンテージがあります。
また、嬉しいことに最近購入したBluetoothトランスミッターとも接続できましたし(持っているBluetoothイヤフォン3台のうち繋がったのは一台だけでした)、富士通のタブレットF-05Eとも接続できました。(こちらも繋がるのは今まで一台だけでした)



このトランスミッターも安い割に便利で、送信だけでなく受信モードにもなります。
夜中のTVの音なんかを飛ばしてます。

Macとの接続ではSBC接続でしたが、音質は悪くないですね。ただ、起動したり接続したりした時の案内がまんま中国語です。

ギター練習用にはTriport、普段の音楽にはInn-earと、またしばらくBose生活が続きそうです。
今更ですが、Boseのアフターサービスはしっかりしているらしく、費用はかかるものの直接修理依頼する方が正解のようです。

ワイヤレスイヤーモニターの方は次回のスタジオ練習で真価を発揮できるか、乞うご期待といったところでしょうか。