MFC06拡張改造、MIDIプログラムチェンジシフトマシン、MIDIプリセットボリューム完成! | とれすけのブログ

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だいぶ久しぶりの更新です。

ライブの計画がコロナ肺炎の影響で延期になってしまい、意気消沈していたせいもあるのですが、ライブ用の機材を新たに調達したり、譜面作成、音色作成、機材修理、機材製作他の準備作業にも追われていて、特に機材修理、製作では一時かなり行き詰ってしまい、それどころではなかった、というのも一因になっています。

で、その中で機材製作が今月一気に進んで、完成をみたので、一旦ご報告ということで、ブログの更新となりました。

 

 まず、一番最後に出来上がったYAMAHA MFC06の改造ネタから。

これは、今回のライブには直接関係ないのですが、ライブでキーボードのプログラムチェンジに使用しているYAMAHA MFC1というMIDIフットコントローラーがかなりかさばるので、その代替に同じYAMAHAのMFC06が使えないかと、思いついたものです。

 

 MFC06というのはYAMAHAのマルチエフェクターFX500専用のフットコントローラーということで、スイッチが6個あり、そのうちの5つでエフェクトコントロールできるようになっています。大きさはMFC1の半分くらい。そして、スイッチの切り替えでMIDIプログラムチェンジも出力できるのですが、そのナンバーは1〜5の固定となっています。

さすがにこれだと少なすぎて、他の用途に使うのは厳しい、ということで長らくお蔵入りしていた機材でもあります。

 ただ、以前から構想にあったのは、これにバンク機能を設ければプログラムチェンジナンバーを拡張できるのではないか、ということでした。その時は外付けの機械を考えていて、Arduinoを使えば比較的簡単にできるかなと考えていました。

しかし、また別に電源が必要になったり、場所も取ることから考えついたのが、MFC06の中に組み込もうということでした。

 

 その結果、バンクナンバーをセグメントLEDで表示させるという仕様で、ケースの加工なんかも若干必要でしたが、うまく完成に至りました。

MIDI信号は、中のMIDI OUTジャックに繋がるパターンをカットして、そこにArduinoを割り込ませるだけです。最初、フォトカプラを使用した回路を作ったのですが、配線を間違えていたのをきっかけに、直接ArduinoのRXに繋ぐ形に改めました。 

バンクアップのスイッチも一番左の切り替えスイッチのパターンをカットして使用しました。

電源は、内部の電源基板からの出力が5Vだったので、Arduinoの5V端子に接続しています。

単体のセグメントLEDは初めて使用しましたが、配線もコードもちょっと面倒ですね。

一応、元々の切り替えスイッチは別に小さなタクトスイッチを付けておいてあります。

 

 さて、これで実現できるのは、0から9までの10バンクに5つのパッチが付くということで1から50までのプログラムチェンジナンバーの出力です。

これも、コードを追加すれば、変更は面倒ですが任意のプログラムチェンジナンバーを割り振ることも出来ます。

バンクチェンジがアップだけなのが玉に瑕ですが、10バンク程度なら一巡してもなんとか使える範囲でしょう。コードを直せばバンクを少なくすることも可能です。

元々電池駆動が可能な機材ですので、かさばらないという点ではこれに勝るものはないのではないでしょうか。

MFC1との比較では、MFC1はA,Bの2バンク×4パッチ+チェイン2バンクという構成なので、ライブを考えるとパッチの余裕がなく、またチェインの使用が必須となり、あまり使い勝手がよくありません。この点、この改造MFC06だと10曲までなら1曲5パッチ使えますし、曲ごとにバンクを切り替えるというのは動作的にも分かりやすい感じがします。ということで、MFC1との入れ替えも視野に入ってきました。

MFC06は今だと中古で1,000円もしないので、部品代考えても2,000円かかっていません。比較的簡単な改造で機材が生き返りました。

 

 次にご紹介するのは、MIDIプログラムチェンジシフトマシン。

どういうことかと言いますと、今回ライブで使うキーボードがKAWAIのKC10というシンセで、このモデルはエフェクト類が一切ないというシンプルな構成になっています。ただ、これではライブで使える音色にならないので、定番のZOOM MSシリーズ、今回はMS-50Gを空間系のエフェクターとして使用したいというところからスタートしました。KC10のプログラムチェンジナンバーに自由度が少ないのと、MS-50Gは受信できるプログラムチェンジナンバーが50までとなっているので、そのマッチングにこのマシンが必要ということなのです。

 どういうことかと言うと、例えばKC10をフットスイッチでナンバー70の音色に切り替えると、その時MS-50Gは切り替わらなくなってしまうので、MS-50Gには35とか50までの別なナンバーを送ってあげるというものです。

 MS-50GにはUSB MIDIで任意に設定したナンバーを送信、レガシーMIDIはそのままスルーという形で、Arduino MiniとUSBホストシールドで構成しました。ナンバー設定表示用に小型LCDを使用、メモリはArduino内蔵のEEPROMを使って、任意のプログラムチェンジナンバーに任意のナンバーを振れるようにしてあります。電源は外部9V電源で供給。MS-50Gの横に置ける、小型のいいマシンになりました。

 

 最後はBOSS DD-500に接続するMIDIプリセットボリュームです。

今回、ライブにあたり、エフェクターボードも一新して、新たに組み直しました。その過程でボリュームペダルを外さなくてはならなくなり、その代替手段を考えていました。

ボリュームペダルといっても、用途はチューニング時や曲間のミュートに使っているだけなので、だったら別な方法でもいいかなというのと、以前はBOSSのディレイ、DD-500でやっていたソロとバックの音量変更もいっしょにやってしまえれば操作性もあがるということで構想しました。

 以前、大塚明さんがギターマガジンに連載していたハンドメイドプロジェクトでやっていたプリセットボリュームのMIDI版みたいなのが出来ればいいという発想でした。

ただ、MIDIコントロールチェンジでマスターボリュームの設定のあるエフェクターがあればいいのですが、今回使用するBOSSのDD-500もRV-500もMIDIで機能するのはエフェクトレベルとか、個々のパラメーターだけです。一旦諦めたのですが、ステレオ出力仕様の両機にはPANのコントロールがあり、これを使うことでなんとか実現にこぎつけました。通常、モノ使用時にはアウトはLチャンネルを使うようにマニュアルには書いてあり、そのままだとPANは機能しません。そこで、あえてRチャンネルだけを出力に使うことで、PANによる擬似的な音量操作が可能になりました。

 機能的には大塚明さんのマシンのパクリみたいなもので、今回はメモリのようなものは使用せず、可変抵抗を3つ取り付けて、それぞれの値によりMIDIコントロールチェンジ信号を送って音量を切り替える仕様になっています。

ただ、完全ミュートに一つ使ってしまうのは勿体無いので、外付けのフットスイッチを使ってミュートできる仕様にしました。

 DD-500にはスイッチャーからプログラムチェンジ信号をレガシーMIDIで送っているので、プリセットボリュームからのコントロールチェンジ信号はUSB MIDIで送るようにしています。

電源は9Vの電池を内蔵するようになっています。エフェクターボードの外部に置く形を想定していて、ケーブルはUSBケーブル1本にしたかったのと、電源アダプターを使うほどの電流量を必要としないからですね。今は充電式の9V電池があって、それを使っています。ケースもちょうどいい大きさのものがあって、なかなか使い勝手もいいです。

 

 難点は、例えば音量を下げた状態でプログラムチェンジを行うと、音量はMAXに戻ってしまうことと、その際プリセットボリュームの表示は戻らないというところでしょうか。

ただ、実際使っていると、この方が使い勝手はよく、仮にプログラムを変えても音量が下がったままになってしまったら、元の音量に戻す作業が必要になってしまいます。表示が一致しない、という点だけが残念なところでしょうか。

 

 以上、完成は3点ですが、この他にもジャンク品のドラムパッドを使ったMIDIパーカッションコントローラー、BIAS(懐かしい)製グラフィックイコライザーの復旧、ギターアンプYAMAHA F-100 212の修理、同じくF-50 112のメンテナンス、マイク用のウインドスクリーンの調達、修理、MaxonチューブスクリーマーST-9の修理、ベスタファイアデジタルディレイD-1Xの修理、旧自作スイッチャーの修理などあれこれやっておりました。

残念ながらパーカッションコントローラーはまだ未完成、YAMAHA F-100は修理断念と、うまく行かないものもありまして、特にF-100は期待が大きかっただけにかなりダメージを食らいました。

ただ、さすがに100Wのアンプはでかくて重く、簡単に運搬などできるものではないのはよく分かりました。その代わりと言ってはなんですが、運良くいい状態のF-50を偶然に安価にゲットできて、これは久々のヒットですね。いずれレビューしたいと思います。FシリーズはこれでF-20、F-30、F-50と三種揃ったので、そろそろ打ち切りですね。F-50ならライブでも大丈夫かと思います。あとはフェンダーのチューブアンプで50W程度のがあればアンプも一区切りと思っています。

 アンプが良くなってくるとTS系オーバードライブだということでチューブスクリーマーを数十年ぶりに復活させました。中身をラックケースに組んでいたのを元のケースへ戻したのですが、なかなか出来なかったのは可変抵抗が一つ壊れてしまい、同サイズの交換品が入手できなかったからでした。少し大きな代替品を使うため、配置を入れ替えたりしてなんとか復旧しました。ベスタファイアのデジタルディレイもボリュームの交換で復旧、これも小さな可変抵抗が必要で、うまく入手できたので復活できました。かなりレアなマシンですが線の細いディレイ音がギターにはかえってマッチします。またモジュレーションをかけてのコーラスはなかなか他では味わえないキレのある音になります。好きな音ですね。ただ、筐体が大きいのとプリセットもできないのでエフェクターボードへの組み込みは断念しましたが。

 

 ということで修理と自作に明け暮れた半年あまりでしたが、思った以上に成果がありました。そろそろネタも尽きた感じですが、またいいアイデアを思いついたら随時作っていきたいと思っています。ライブで使う自作の機材は、MS-50Gコントロール可能なエフェクトループスイッチャー、バッファー、シグナル分岐バッファー、パワーサプライ、そしてこのMIDIプリセットボリューム、プログラムチェンジシフトマシンと、必要に応じて作っていくうちにだいぶ増えました。こういうオリジナルの自作の機材をライブで使っていくのはなんとも楽しいですね。

ではまた。

 

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