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BSP 日本史Rock show Vol.1『承久の乱』 [観劇感想(その他)]

BSP 日本史Rock show Vol.1『承久の乱』
2020年9月12日(土)ABCホール 11時 I列


BSPの新作は、ためになる歴史の授業。学校の授業がこんなのだったら楽しく覚えられるよね。という雰囲気。でも時間制限のためか、だいぶん端折っているからある程度知らないと難しいかも?という気もする。タイトルにROCKとあるけど、それは主題歌だけで、中身はとっても真面目だった。
10人でセットなし、舞台袖なし、舞台上の字幕で不足を説明。でもセリフ通る人ばかりだし、古語だからだね。素晴らしいフォロー。
全員が透明マスクつけて芝居していた。役者も体を大事にしないとね、でもお疲れ様です・・。

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日本史Rock show Vol.1『承久の乱』
脚本演出 大塚雅史

「承久の乱」あたりは、日本史でもあまり舞台にならないので、あまり詳しくなかった。以前に読んでいた本(永井路子さんの一連のシリーズ)や漫画(『吾妻鏡』竹宮恵子とか『風恋記』木原敏江とか同時代の作品ね)での知識くらいしか・・『平家物語』はよく舞台や映画になるから知ってるけど、創作物で取り上げられるのは、義仲や義経の派手な場面が多くて、政治家である頼朝のお話は地味な印象でした。だからその後の話は、『吾妻鏡』をざっと見たくらい(しかも途中で漫画に頼った)。地味なのだけど、日本史上では指折りの激変の時代。貴族社会から武家社会への変わり目だもの。なかなかいいところを突いてくるなあと、企画の妙に感心した。舞台でSTADYできるなら、こりゃ楽!
で、今回舞台を見て。「草薙剣」をモチーフに、結構わかりやすく史実にそって説明してくれていたけど・・やっぱり予備知識がないと難しくない?と思った。予習してなかったので、帰ってから上記の本を読み返してしまった。


後鳥羽上皇(松田岳)
美しい。ゴージャスな宮廷一のいえ日本一の権力者の衣装が似合う。上品だけど王者の傲慢さがとっても出ていて素敵。可愛い息子が二人も出てましたが、お父様が一番色っぽいなんて。あやしい魅力満載で、さすが日本で指折りの怨霊のおひとりです。

北条政子(田淵法明) 
プログラムの写真があまりに綺麗でびっくり。静止画は美人だ。でも舞台では男役の女装みたい、迫力がある。そこが尼将軍らしくて似合ってる。声は低いほうかも?無理に高い声にしないから台詞も歌も安定してるので聞き取りやすい。ちゃんと女性に見えた。プログラム見たら結構な年齢で、やはり「女役」もある程度年季を重ねた役者じゃないと難しいんだなと納得した。(いつも宝塚で男役10年って世界を見てるからね。異性の役って大変)

北条義時(田中尚輝) 
政子さまの弟で、事実上の最高権力者になる影の男。かっこいい。裏の主役ですね。海に沈んだ三種の神器「草薙剣」が重要なアイテムの物語ですが、それを握っているのが彼。彼だけ刀を持たずに剣を振るう意味分かつた。冷静沈着で、さすが義時って感じです。
田中さんって声が良いですね。ささやき声でもよく通る好きな声だ。

源頼朝(鐘ヶ江洸) 
源氏の棟梁、なんて凛々しい。政子が惚れて通ったのがわかる。まあ周りに美形が多いのでなんですが、頼朝も素敵です。

北条時政(山本健史)
政子と義時の父。子供たちに比べるとちょっと明るく軽い。牧の方に踊らされて破滅するけど、「こんな感じのおじさんだったんだよね~」ってイメージぴったり。でも実は、のちの北条家はすべてこの人の子孫という一代で成り上がった人物なのですごい人なんですよね。

源実朝(小川丈瑠) 
公家に憧れた三代将軍、頼朝と政子の息子とは思えない平和的な弱さが見事。この夫婦のもとに生まれず、宮廷貴族に生まれていたら和歌の才能で後鳥羽上皇に気に入られて出世しそうなタイプ。若いですね!

公暁(松田大輝) 
頼朝政子夫妻の孫なんですよね。不遇だけど。2代将軍の息子なのにこの扱い。そりゃ怒りと恨みと、取り返す!という正義感があって無理はない。若さと怒りが良い感じ。出番が少ないからバイト多いね。

土御門上皇(池之上頼嗣) 
穏やかで武力嫌いで、実朝と合いそうなタイプ。父である鳥羽天皇に頑張って意見してるけど、父は一顧だにしてない。異母弟で自分を退位させて皇位についた弟にも優しいし、いい人だ。そのいいひと感が良く出ていました。プログラム見て、役者さんの名前が鎌倉武士みたいで、土御門帝は実は武士?って思ったわ。

順徳天皇(石田直也) 
可愛い陛下。まだ若いんですよねきっと。だから父に洗脳されてる感じで、よくわからず鎌倉に戦いを挑んでしまったっていう雰囲気が出ていました。

慈円(土倉有貴) 
物語の語り手で、ややこしい文章は全部この人のセリフ。字幕を一番使っていた方。「愚管抄」を読んでみたいと思ったけど、やっぱり大変そう(ごめん)。最後に、なんで後鳥羽院に平伏したかわからなかったのは、私の理解力不足だ。ずっと見てたのに・・・。セリフ明瞭で分かりやすい声だったのに。


今回は全員がずっと舞台の上にいて、10個のストールに座っている。場面に応じて必要人物が中央に出てきて芝居をする形式。衣装もそのままだけど、何役もする人もいて。でも不思議と混乱はなかった(義時が義経役してるときとか、多少はあったけど私)
舞台が狭いのもあり、ダンス場面も少なく、多くて3人って感じ。いつものような全員による激しいダンスシーンは時節柄できないのですね。だから照明も大人しめ。代わりに仕事をしていたのが、舞台上空のスクリーン。特に慈円のセリフを映してくれて助かった。「愚管抄」からだと思うけど、彼のセリフは書き言葉の古語だったので、字幕がないと頭に入りにくかったと思う。字幕スクリーン、大活躍。


こちらの客席も、前後左右無しで口をきけない状態。飲み物もロビーでと言われたけど、そのほうが駄目では・・?とか思った。水筒のお茶くらい座席で飲ませてほしい。
あとはまあ仕方ないけど、全席同一料金7500円はちょっと高額ですよね~私後ろの席だったから、ちょっと不満が(心狭くてごめん)。プログラムも2000円で、以前より内容薄いような気もする。まあご時世だから仕方ないけど。やっぱり舞台は生で見たいので、許容範囲。見れて良かった。

第1弾ということなので、次が楽しみ。今度は予習して見に行こう。

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