Powered 

by Tigers-net.com
 こんばんは。


 今日のニュースを見ていたら、アニメ制作会社に対する残業代請求の裁判に関するものがあったので、取り上げてみました。

 男性は、正社員として労働していましたが、主張によれば月最大103時間の時間外労働があったものの、残業代が支払われなかったということでした。
 労働基準監督署が、未払いの残業代について会社に是正勧告を行ったものの、会社が支払いを拒否したため、男性は残業代などの支払いを求めて提訴しました。
 この裁判では、会社が、男性について、専門業務型の裁量労働制を採用していたと主張しており、これが適用されるかどうかが争点だということでした。
 そして、裁判の中で、和解交渉がなされたものの、決裂してしまい、判決に向けて裁判を進めていました。
 その矢先、会社から、事前連絡なく、男性に残業代全額と遅延損害金が振り込まれたということでした。
 男性は、請求原因がなくなったことで、裁判の取り下げをしようとしたものの、会社が請求棄却判決を求めて同意しなかったため、最終的に男性は請求放棄をすることにしたということでした。
 男性は、裁量労働制に関する認定を裁判所から受けたいと考えたものの、それができずに非常に複雑な気持ちであると話をしたということでした。

 アニメ業界の低賃金、過重労働についてはかねてから大きく問題視されていましたが、どうやら雇用ではなく請負であるなど、いくつかの理屈を用いて会社側は対応してきたように思われます。
 また、社員に対しては裁量労働制が適用されるという反論を行っていることも聞いたことがあるのですが、この裁判ではまさにその反論がなされた一つのものということだと思います。

 会社側が請求の大半を支払った理由について、早期解決のためということではあるものの、形だけ見れば会社としては勝訴判決を得ることが難しいと考えた上で、少しでも遅延損害金を減少させるために、早々に支払ったというように見えるところです。
 時間が経過すればするほど遅延損害金は増額していきますし、仮に敗訴判決を受ける可能性が高いのであれば、早々に支払ってしまった方が経済的損失が少ないと考えて支払いをしたとすれば、一応理にかなった行動ということにはなると思います。
 また、敗訴判決にまで至ってしまった場合、同様の職種で同じような労働条件の人について、裁量労働制が適用されないというお墨付きが生まれてしまいますから、同業他社としてはとんでもないものを出してくれたということで業界中で睨まれることも想像されるところです。そういった批判を回避しようという意図もあったのかもしれません。
 真意はわかりませんが、形だけ見ると、そんな風に邪推してしまうところです。

 ただ、会社側は、ただ白旗を揚げただけでなく、訴え取り下げに同意をしなかったということですから、ある意味最後まで男性に対して戦闘的な体制をとり続けたということなのでしょう。
 訴えの取り下げは、被告側が一度反論をした後は、被告側の同意なしに取り下げることはできず、男性に請求放棄というある意味屈辱的な対応をとらせたことはせめて最後の一撃をというニュアンスもあるのかもしれません。

 男性は、判決を受けることで、業界の体質に一石を投じたいと考えた可能性もあるかと思いますが、それが叶わず、かつ最後の一撃まで受けたわけで、非常に複雑な気持ちというのは多いに理解できるところではあります。
 ただ、男性の裁判について意味がないというわけではなく、少なくともこの会社に所属する別の社員が、会社に対して残業代の請求をした際には、同様の対応をとってくれる可能性が高いということはよくわかります。
 ですから、男性の通った道をそのまま後について進む人は、会社から相応の支払いを受けられる見込みという意味では、無駄な裁判ではなかったと思います。
 とはいえ、これだけのニュースになってしまったということを考えると、仮に裁判を起こした人が同業他社に行きたいと考えても、採用されるかは難しいと思われます。そうすると、後に続ける人は、アニメ制作業界とは縁を切る覚悟ができた人のみということになると思われます。
 そういった意味では、この裁判の効果は限定的であり、判決まで行けば業態が変わったかもしれないのにという気持ちもなくはありません。

 労働事件の裁判は、一般的に、これを提起する際、元の会社のある業界と縁を切る覚悟で行うことが多い、非常に労働者にとって負担の大きな類型のものだと思います。
 それだけに、男性は、相当な覚悟を持ってこの戦いに臨んだと思われ、その幕切れが結局業界を変えるまでに至らず、自身が業界を離れる可能性が高い状況に至ることは残念に思っているのかもしれません。
 ただ、個人的には、男性が、覚悟を持って、長期間努力されたことについては賞賛したいという気持ちです。


 プロ野球がついに開幕したものの、阪神は読売から3タテを食らってしまいました。
 これはいかんなと思っていて迎えた今日のヤクルト戦ですが、ようやく初勝利を挙げることができました。

 初勝利まで長かったため、ある意味今日までが自粛期間だったというように思っているのですが、なぜか開幕戦から今日までの期間がそれ以前よりも長い自粛期間だったという感覚です。
 それだけ酷い点差で負け続けてきたということであり、ついおとといまでは今年はやっぱり開幕は止めたとならんものかと思ったものでした。

 今日の勝利は、まずは先発の青柳さんの出来がよかったことでしょう。
 また、マルテさんが開幕からずっといい仕事をしてくれていること、糸原さんがようやく目覚めてくれたことが大きな要因だったと思います。
 さらに、梅野さんのタイムリーがなければ、流れがヤクルトさん側にいっていたように思われ、あれがチームを救ってくれたというように思っています。
 最後に失点した藤川さんは不安要素ではありますが、現段階では今日の結果だけ見て不安だどうだとかいうのも違う気がしています。
 また、中継ぎを3人も使ってしまったため、これが後に響かないか、やや心配です。

 よくいわれているボーアさんですが、正直言ってこの出来であるならば大山さんを先発で使ってくれはしまいかと思うところです。
 鳴り物入りで加入した助っ人だけに、まだ様子を見るべきではあると思いつつも、主砲として育成中の大山さんを出さずに不調の新外国人を起用するチーム方針には疑問を持たざるを得ません。
 仮に同じような状態であれば、将来の主砲に試練を与えるべきであり、そもそも獲得すべきは外野の守れる大砲であるべきですから、やはりフロントの判断が間違っていたというべきなのでしょう。
 とはいえ、不幸中の幸いとしては無観客であることでしょうか。もしもファンが入っていたら、この成績であれば黙っていなかったことを考えると、より状況が悪かったように思われ、ある意味これを救いとしてまずは一本出てほしいところです。

 明日の先発は練習試合ではいまいちだったガンケルさんなので、個人的には不安ではあります。
 ただ、読売戦で取りこぼした借金を少しでも回収しなければならないため、とにかく明日も勝ってもらわないと困ると思っています。


 また思いついたら書きます。ではでは。


↓よろしければ押していただけるとありがたいです。

阪神タイガースランキング
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 22:45

Comments

Post a Comment








Track back URL

http://bsr37.tblog.jp/trackback/361058

PAGE TOP