12月のラボ便り
皆様、こんにちは。
今回のラボ便りでは、胚(受精卵)のグレード(評価の仕方)についてお話致します。
受精した卵は、1つの細胞から2つ、2つから4つ、4つから8つ、、というように、分割をしながら成長していきます。
受精して2〜3日目の胚(初期胚)を評価する際には、Veeck分類という方法を用いています。
Veeck分類では、割球(細胞1つ1つ)の均等さとフラグメントの割合で1〜5の5段階で評価をします。
フラグメントとは、細胞が分裂する際に生じる細胞が断片化したものです。
このフラグメント自体が卵に悪影響を及ぼすというわけではありませんが、
フラグメントが多い卵は、
少ない卵よりも染色体異常を持っている確率が高いと言われています。
また割球の大きさは、より均等な方が状態がいいと言われています。
5段階の評価方法は以下の通りです。
グレード1:割球の大きさが均一/フラグメントが見られない
グレード2:割球の大きさが均一/フラグメントが少し見られる
グレード3:割球の大きさが不均一/フラグメントが少し見られる
グレード4:割球の大きさが不均一/フラグメントが卵の半分に見られる
グレード5:卵のほとんどにフラグメントが見られる
グレードの高い胚の方が妊娠する確率は高くなりますが、
グレードの低い胚であっても妊娠する可能性は十分にあります。
グレードの低い胚=妊娠に到らない胚ということではありません。
グレードは全て胚の見た目による評価です。
実際に大切なのは、子宮に戻した胚がしっかりと成長を続けることです。
何かご不明な点等ございましたら、お気軽にスタッフにご質問ください。