*** june typhoon tokyo ***

G大阪 vs FC東京【ルヴァンカップ】


 “鬼門”アウェイ・ガンバ大阪のジンクスを崩せず、ルヴァン杯プライムステージ初戦を落とす。

 FC東京の“鬼門”と呼ばれるものとしては、浦和や以前の鹿島のアウェイ戦などがよく取り上げられたものだが、実はアウェイのG大阪戦というのもあまり勝ったという記憶がない。そこで、近10年のアウェイG大阪での戦績を調べてみたところ、2009年から今年2019年まで一度たりとも勝利していないというなかなかの“鬼門”ぶりを再確認。

2009/04/29 J1第08節 ✕FC東京 2-4 G大阪(A・万 博)
2010/04/24 J1第08節 ✕FC東京 0-2 G大阪(A・万 博)
2012/11/24 J1第33節 △FC東京 2-2 G大阪(A・万 博)
2014/05/24 ナ杯予(5) ✕FC東京 1-3 G大阪(A・万 博)
2014/10/26 J1第30節 ✕FC東京 1-2 G大阪(A・万 博)
2015/03/07 J1-1第01節△FC東京 2-2 G大阪(A・万 博)
2016/09/25 J1-2第13節△FC東京 3-3 G大阪(A・吹田S)
2017/03/11 J1第03節 ✕FC東京 0-3 G大阪(A・吹田S)
2018/08/10 J1第21節 ✕FC東京 1-2 G大阪(A・吹田S)
2019/05/04 J1第10節 △FC東京 0-0 G大阪(A・パナスタ)

 勝利は2008年のJ1リーグ第31節、3対1で勝利した時まで遡らなければならない(ちなみにゴールはカボレ、石川、平山。G大阪のゴールはルーカス)。それ以前、2000年~2007年の間も勝利は2度しかなく、それ以外は6敗と非常に厳しい結果となっている。

 そのジンクスを覆そうと臨んだ一戦だったが、日本代表へ橋本と永井、韓国代表にナ・サンホ、日本U-22代表に岡崎を送り出し不在のなか、オ・ジェソクがレンタル移籍中の制約で移籍元のG大阪との試合には出られず、怪我人なども含めてどのようなスタメンとなるかが気になるところだったが、DFに来季FC東京加入内定の17歳、バングーナガンデ佳史扶(カシーフ)がJ1初デビュー。中盤にはアルトゥール・シルバ、FWにジャエルを置く布陣に。対するG大阪は東口、三浦、遠藤、小野瀬、倉田、井手口、パトリックといった主力メンバーに、鈴木雄斗やU-21から高江を起用し、ホームアドヴァンテージを活かす陣容を整えてきた。

 直前の大雨により試合開始を30分繰り下げてキックオフ。前半はG大阪がボールを支配するが、両チームとも守備に重点を置いているからか、なかなかシュートまで持ち込めない展開が続く。だが、39分、FC東京の自陣左サイドからサイドラインをドリブル突破しようとしたバングーナガンデがややラフなボールを近くのアルトゥール・シルバへ戻すと、そのボールの競り合いからアルトゥール・シルバが倒されてしまう。副審は左右に旗を揺さぶりファールがあったジェスチャーをしたが、プレーは続行。そのこぼれ球を奪った小野瀬がドリブルでペナルティエリア内へ侵入すると、ゴールライン手前の深い位置からグラウンダーのパスを折り返したところを中央で倉田が難なく合わせて、G大阪が先制。ジャッジに多少疑問が残るところはあるものの、笛がなるまでは集中力を切らさずにプレーを続けるという基本が疎かになっていた。どうしようもないスーパーなゴールなら致し方ないが、これは意識を高めた守備をしていれば防げただろう失点で、大いに課題として受け止めなければならないところだ。

 後半からアウェイゴールを奪いに攻めるFC東京だったが、51分に高江のシュートをGK林が弾いたボールがバウンドしてゴールラインを越えたとして、主審はG大阪のゴールを宣告。しかしながら、ルヴァンカッププライムステージから試験導入されているVAR(ヴィデオ・アシスタント・レフェリー)による協議の結果ノーゴールの判定となった。ボールの外側がゴールラインにかかっているかどうかという際どい映像で、導入の初めから主審にとっては難しいジャッジを強いられることになったが、FC東京にとっては追加点を奪われずに済んだことは大きい。

 FC東京は攻撃の圧力を高めるべく、63分にジャエルに代えてディエゴ・オリヴェイラを、71分には東に代えて田川を、82分には大森に代えて内田をピッチへ送る。前半とは異なり、FC東京がボールを支配してG大阪陣内へ何度も押し込むが、三浦や菅沼などG大阪DF陣の身を挺してのブロックもあり、なかなかシュートを決めさせない。アディショナルタイム5分の最後までハードワークを続けたG大阪が、FC東京にゴールを割らせずに完封勝利。準々決勝で先勝した。

 FC東京は後半は攻勢を高めたものの、ジャエルの1トップあるいは0トップに見える形のなか、エリア付近から精度とスピードを欠き、決定機を作れそうで作れないままボールを奪われることが少なくなかった。ボールをもらいにジャエルが中盤まで下りる姿も散見され、前線に厚みが生まれないなかで、そのジャエルと併用するのではなく、ジャエルとディエゴ・オリヴェイラを交代させても、ディエゴ・オリヴェイラの個の力に依存する確率が高くなるだけで、なかなか連動が生まれなかった。連動という意味では左SBのバングーナガンデもそうで、アルトゥール・シルバや大森との距離感やパスの受け渡しのタイミングもいま一歩。個では光るところも垣間見えたが、チーム力として加われたかというと、素直に首を縦には振れないか。その意味ではアルトゥール・シルバもまだまだ周囲との連係に課題が。67分にはアルトゥール・シルバが後方で不用意に出した浮き球パスが高江に当たってルーズボールになったところを、パトリックが頭で裏へ抜け出した高江へパス。高江がエリア内右から鋭いシュートを放つも、DF渡辺がゴールライン前で滑り込んでシュートを弾き出すファインプレー。このシュートブロックがなかったら追加点は間違いなしというビッグプレーでFC東京の痛手を最小限に留められたのは良かったが、つまらないミスでピンチを招いて命取りになりかけたのも確か。時間は短かったが、田川や内田は前への推進力を見せていただけに、NACK5スタジアムで行なわれる第2戦は期待に応える活躍を望みたい。

 チームの連動性や選手層という意味では課題が重くのしかかった一戦となったが、2点以上を獲って勝つという明確なテーマで挑めることをポジティヴに捉えて、ホームNACK5で次のステージへ進む勝利をもぎ取るべく、連係や集中を高めていきたい。

◇◇◇

【JリーグYBCルヴァンカップ プライムステージ 第1戦】

2019年9月4日(水)19:33試合開始 パナソニック スタジアム 吹田
入場者数 7,045人
天候 曇 / 気温 25.5℃ / 湿度 61%
主審 山本雄大 / 副審 三原純、武部陽介 / 4審 小屋幸栄

 G大阪 1(1-0 / 0-0)0 FC東京 

≪得点≫
(G): 倉田 秋(39分)
(東): 

◇◇◇

【FC東京】
≪スターティングメンバー≫
GK 33 林 彰洋
DF 02 室屋 成
DF 32 渡辺 剛
DF 03 森重真人
DF 42 バングーナガンデ佳史扶[U-21]
MF 07 三田啓貴
MF 45 アルトゥール・シルバ
MF 08 高萩洋次郎
MF 39 大森晃太郎 → 内田宅哉(82分)
MF 10 東 慶悟  → 田川亨介(71分)
FW 16 ジャエル  → ディエゴ・オリヴェイラ(63分)

≪サブスティテューション≫
GK 01 児玉 剛
DF 47 岡 哲平[U-21]
DF 05 丹羽大輝
MF 28 内田宅哉[U-21]
MF 44 品田愛斗[U-21]
FW 27 田川亨介[U-21]
FW 09 ディエゴ・オリヴェイラ

≪監督≫
長谷川健太

◇◇◇

【JリーグYBCルヴァンカップ】
≪グループステージ≫
第01節 03月06日(水)19:00 ✕FC東京 1-2  柏 (A・三協F柏)
第02節 03月13日(水)19:00 ✕FC東京 1-2 仙 台(A・ユアスタ)
第03節 04月10日(水)19:00 〇FC東京 1-0 鳥 栖(H・秩父宮)
第04節 04月24日(水)19:00 〇FC東京 2-0  柏 (H・NACK)
第05節 05月08日(水)19:00 △FC東京 0-0 仙 台(H・秩父宮)
第06節 05月22日(水)19:00 〇FC東京 1-0 鳥 栖(A・駅スタ)

≪プレーオフステージ≫
第1戦 06月19日(水)19:00 〇FC東京 1-0 C大阪(H・味スタ)
第2戦 06月26日(水)19:00 △FC東京 1-1 C大阪(A・ヤンマー)

≪準々決勝≫
第1戦 09月04日(水)19:30 ✕FC東京 0-1 G大阪(A・パナスタ)

第2戦 09月08日(水)18:00 FC東京 vs G大阪(H・NACK)

◇◇◇


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