FC東京 vs Ｃ大阪＠味スタ【J1リーグ】

　首位追撃へ負けられない2位と3位の直接対決は、好ゲームの末ホームチームに軍配。

　負けない川崎の後ろ姿が遠ざかりつつあるなか、これ以上離される訳にはいかない両者、FC東京とC大阪が、FC東京のホーム・味の素スタジアムで直接対決。雨が降るなかでの攻防は、先手を取ったFC東京が、堅いC大阪のゴールをこじ開けて、（1試合消化が少ない）C大阪に勝ち点1と迫る勝利を収めた。

　FC東京は怪我から安部が戻り、アルトゥール・シルバ、ディエゴ・オリヴェイラ、永井が先発に復帰。高萩の怪我と連戦を考慮してか、アンカーではなくダブルボランチを採用し、両サイドハーフには左にディエゴ・オリヴェイラ、右に三田、トップ下にレアンドロ、1トップに永井という布陣。対するC大阪は、4-4-2のフォーメーション。丸橋が先発に復帰し、左に清武、右に坂元、ブルーノ・メンデスと奥埜が2トップという陣容だ。

　ともに堅守でロースコアが予想される一戦。先に主導権を握ったのはFC東京。高い位置でボールを奪い、速攻を展開するが、雨の影響もあってか最後の精度に欠けて得点機には至らず。C大阪はパスミスも散見され、“らしさ”を欠いて、なかなか攻撃の時間帯が持てない。際どいシュートもあったが、両GKともに好セーヴを見せてスコアは動かず。その後もどちらかといえば、FC東京が有利に試合を運んでいたが、ともに最後を崩されまいと守備へ重心を寄せていることもあり、前半は失点をしないことに最重点をおいたようだ。

　後半も序盤は前半の流れを受けていたが、C大阪もラストパスは決まらずとも次第にFC東京陣内へ攻め込む回数が増えてくる。坂元がサイドを持ち上がって前線へパスやクロスを供給するなど、リズムが出始めると、50分後半にC大阪の時間帯が到来。右サイド奥から松田がディエゴ・オリヴェイラを交わしてクロスを入れると、ブルーノ・メンデスが渡辺との競り合いで当てたボールが丸橋の下へこぼれてシュート。これに中村帆高が身体を投げ出して止めるも、弾いたボールが奥埜の前に。奥埜が左脚で放ったシュートは右ポストへ直撃。さらにそのこぼれ球に反応した丸橋が左アウトサイドでゴールを狙うもGK林にキャッチされ、絶好の得点機を逃してしまう。
　
　すると、61分、FC東京は永井をアダイウトン、三田を内田にスイッチ。この采配が試合に動きをもたらし、2分後の63分、右サイドのスローインをアダイウトンが安部に繋ぐと、安部が中央をドリブルで突破しにかかる。右にレアンドロ、左にディエゴ・オリヴェイラが並走するなかで、安部が左へパスを送ると、ディエゴ・オリヴェイラが左からエリアに侵入して左脚でゴール右隅へシュートを流し込み、ホームのFC東京が先制点を挙げる。
　その3分後、左CKから一度はGKキム・ジンヒョンにクリアされたものの、その流れからC大阪陣内の左サイドへスルスルと押し上がった森重がクロスを送ると、エリア中央の内田とDFとの競り合いのこぼれ球にアダイウトンが素早く反応。スライディングしながらシュートをゴールへ押し込み、FC東京が追加点を挙げた。これがFC東京のチームJ1通算900ゴールとなった。

　圧倒された感じがないままに2点のビハインドを負ったC大阪は、73分に清武、ブルーノ・メンデス、奥埜を下げて、柿谷、鈴木、高木を投入。80分にはレアンドロ・デサバト、丸橋を下げて木本、片山をピッチへ送り出し、何とか反撃の糸口を見出そうとするが、カウンターを仕掛けやすくなったFC東京が、縦に速い攻撃でこれに対処。焦りが見えるC大阪を逆に押し込んでいく。
　後がないC大阪は、柿谷のテクニカルなドリブルや坂元のサイドからのクロスを軸に攻撃を仕掛け、FC東京ゴール前へと攻め入るが、ボールを回しながらもなかなか決定機を生み出せない。柿谷のFKも壁に阻まれ、不運な判定もあり、反撃の狼煙を上げられず。アディショナルタイムは6分と長めだったが、FC東京は先にピッチへ入っていた原や、アディショナルタイムに投入された田川が、果敢にプレスを繰り返し、C大阪のビルドアップを許さない。そのままタイムアップの笛が鳴り、FC東京が2位のC大阪へと歩み寄る勝ち点3を獲得。大分への敗戦で始まったホーム3連戦を2勝1敗と勝ち越し、優勝戦線への望みを繋げた。C大阪は直近の試合でやや不運な判定に泣かされることもあり、好調の勢いもややスローダウンし、今季初の連敗。

　2点差こそついたが、内容は堅守を軸に向かい合った好ゲーム。C大阪の波状攻撃が実っていたら、その展開も変わっていただろう。だが、そこで流れを渡さずに勝ち点3を結果として残せたのが、今季のFC東京の成長でもある。しかしながら、まだ前は遠い。次節からのアウェイ3連戦は、結果によっては、終盤に優勝戦線へ残っていられるかどうかの大きな分水嶺となり得る。まずは、次節、昨季不運の判定に泣き、今季もホームで3失点で勝利を献上した鳥栖との一戦だ。近年の相性はあまり良くない印象だが、ここをスッキリと勝利して、アウェイとはいえ、関東へ戻っての浦和、湘南戦へと弾みをつけたいところだ。

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【明治安田生命J1リーグ第18節】
2020年09月23日（水）19:03試合開始　味の素スタジアム
入場者数　4,316人
天候　雨／気温　19.9℃ ／湿度　90％
主審　山本雄大／副審　聳城巧、熊谷幸剛／４審　田中玲匡

　FC東京　2（0-0 / 2-0）0　C大阪

≪得点≫
（東）：ディエゴ・オリヴェイラ（63分）、アダイウトン（66分）
（Ｃ）：

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【FC東京】
≪スターティングメンバー≫
ＧＫ　33　林　彰洋
ＤＦ　37　中村帆高
ＤＦ　04　渡辺　剛
ＤＦ　03　森重真人
ＤＦ　06　小川諒也
ＭＦ　07　三田啓貴　 → 内田宅哉（61分）
ＭＦ　45　アルトゥール・シルバ
ＭＦ　31　安部柊斗
ＦＷ　11　永井謙佑　 → アダイウトン（61分）
ＦＷ　09　ディエゴ・オリヴェイラ → 原　大智（85分）
ＦＷ　20　レアンドロ → 田川亨介（90+4分）

≪サブスティテューション≫
ＧＫ　13　波多野　豪
ＤＦ　32　ジョアン・オマリ
ＤＦ　49　バングーナガンデ佳史扶
ＭＦ　28　内田宅哉
ＦＷ　15　アダイウトン
ＦＷ　24　原　大智
ＦＷ　27　田川亨介

≪監督≫
長谷川健太

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【2020 明治安田生命J1リーグ FC東京試合日程】
第01節　02月23日(日)13:03〇FC東京 3-1 清　水（Ａ・アイスタ）
第02節　07月04日(土)19:00〇FC東京 1-0 　柏　（Ａ・三協Ｆ柏）※Remote Match
第03節　07月08日(水)19:30✕FC東京 0-4 川　崎（Ｈ・味スタ）※Remote Match
第04節　07月12日(日)19:30〇FC東京 3-1 横浜FM（Ａ・日産ス）
第05節　07月18日(土)19:00〇FC東京 2-0 浦　和（Ｈ・味スタ）
第06節　07月22日(水)19:05△FC東京 1-1 札　幌（Ａ・札幌ド）
第07節　07月26日(日)18:30△FC東京 2-2 鹿　島（Ａ・カシマ）
第08節　08月01日(土)19:00✕FC東京 2-3 鳥　栖（Ｈ・味スタ）
第09節　08月09日(日)19:00△FC東京 0-0 Ｃ大阪（Ａ・ヤンマー）
第10節　08月15日(土)19:00〇FC東京 1-0 名古屋（Ｈ・味スタ）
第11節　08月19日(水)19:00△FC東京 3-3 広　島（Ａ・Ｅスタ）
第12節　08月23日(日)19:00〇FC東京 3-0 湘　南（Ｈ・味スタ）
第26節　08月26日(水)19:00✕FC東京 1-2 鹿　島（Ｈ・味スタ）
第13節　08月29日(土)19:00〇FC東京 3-1 Ｇ大阪（Ａ・パナスタ）
第14節　09月05日(土)18:30〇FC東京 1-0 大　分（Ａ・昭和電ド）
第15節　09月09日(水)19:00〇FC東京 2-1 横浜FC（Ｈ・味スタ）
第16節　09月12日(土)19:00△FC東京 2-2 神　戸（Ａ・ノエスタ）
第24節　09月16日(水)19:00✕FC東京 2-3 大　分（Ｈ・味スタ）
第17節　09月20日(日)19:00〇FC東京 1-0 仙　台（Ｈ・味スタ）
第18節　09月23日(水)19:00〇FC東京 2-0 Ｃ大阪（Ｈ・味スタ）

第19節　09月27日(日)16:00　FC東京✕鳥　栖（Ａ・駅スタ）
第29節　09月30日(水)19:30　FC東京✕浦　和（Ａ・埼　玉）
第20節　10月04日(日)15:00　FC東京✕湘　南（Ａ・ＢＭＷス）
第21節　10月10日(土)14:00　FC東京✕Ｇ大阪（Ｈ・味スタ）
第22節　10月14日(水)19:00　FC東京✕清　水（Ｈ・味スタ）
第23節　10月18日(日)14:00　FC東京✕横浜FC（Ａ・ニッパツ）
第25節　11月11日(水)　　　 FC東京✕川　崎（Ａ・未　定）
第27節　11月14日(土)・15日(日)　FC東京✕名古屋（Ａ・未　定）
第28節　11月21日(土)・22日(日)　FC東京✕横浜FM（Ｈ・未　定）
第30節　11月28日(土)・29日(日)　FC東京✕　柏　（Ｈ・未　定）※1
第31節　12月05日(土)・06日(日)　FC東京✕広　島（Ｈ・未　定）※2
第32節　12月12日(土)　　　　　　FC東京✕仙　台（Ａ・未　定）
第33節　12月16日(水)　　　　　　FC東京✕札　幌（Ｈ・未　定）
第34節　12月19日(土)　　　　　　FC東京✕神　戸（Ｈ・未　定）