*** june typhoon tokyo ***

FC東京 vs パース・グローリー @東スタ【ACL】


 ニュースター投入が奏功し、レアンドロ芸術弾で貴重な勝ち点3獲得。

 ACLグループステージ初戦の蔚山戦とメンバーを代えずに臨んだFC東京。豪・パース・グローリーは高さがあるが、縦へ放り込むのではなく、ショートパスを繋いでくるスタイル。3バックで時に5バックにもなる布陣は、FC東京がこれまでなかなか崩せない印象もあるシステムだ。

 FC東京はディエゴ・オリヴェイラ、レアンドロ、アダイウトンの3トップが仕掛け、ボールを優勢に運ぶものの、パース・グローリーがスペースを与えない。ゴール前からのアイディアに欠けて、決定機らしい決定機がないままに時計が進んでいく。CKを獲得した回数も多かったが、単純なクロスでは高さのあるパース・グローリーのDF陣に競り勝てず。ディエゴ・オリヴェイラはやや中盤へ下りてきて巧みなボールキープを見せるが、そこからの連係がいま一つ。アダイウトンはそれほど前方にスペースがないこともあり、真骨頂のドリブル突破を仕掛ける度合いもそれほど見られず。ゴール前でのクロスに頭で反応するも、枠外という場面も散見。レアンドロは独特のリズムでパスを供給しながら前線へ顔を見せていく。

 パース・グローリーに強烈な攻め手がないこともあって、FC東京がボールを支配する時間帯が続くが、時折ミドルが枠外へ行くくらいで、激しいボールの奪取がみられる中盤とは対照的に、それぞれのゴール前では危険な場面が少ないまま。広範囲をカヴァーしている橋本は疲労からかミスパスも次第に出始め、初戦は躍動していた安部も運動量は豊富だが、ゴールへ近づくと相手DFに突っかかったりと、ややスムーズさに欠けたところも。サイドからは右サイドの室屋は果敢に前へ突破を仕掛けていくが、ワンツーなどで抜け出した後のクロスの質がいま一歩。左サイドの小川は攻め上がりが少なく、効果的なクロスを供給できないままでいた。

 このままだとスコアレスドローもあるかという思いが頭を過ぎり始めた59分、FC東京はこの日それほど長所が出せなかったアダイウトンに代わって、法政大出身のレフティMFの紺野を投入。すると、これまでボールを持ちながらもパース・グローリー守備陣にスペースを消されていたFC東京が、紺野のドリブルによって相手を揺さぶり、安部、紺野というルーキーたちが運動量衰えることなく掻き回しはじめると、次第にギャップも生まれてくる。すると、83分、高萩とのワンツーで右サイド奥まで侵入した室屋がクロス。これは相手DFに阻まれたが、そのこぼれ球を回収した流れからボールを受けたレアンドロが、エリア内へ侵入した安部にパス。安部が一瞬タメを作ってエリア内から後方のレアンドロにボールを戻すと、ペナルティエリアライン直前から浮き球気味にシュート。これが相手に微かに触れた後にGKの頭上を弧を描きながら越えると、そのままネットを揺らして、FC東京が待望の先制点を挙げた。

 おそらくアウェイでの勝ち点1で御の字という算段だったであろうパース・グローリーは、ようやく高さも含めたパワープレーに移ろうとするも、最後までFC東京のボール支配は衰えず。最後はジョアン・オマリを守備的クローザーとして投入。万全を期して守備を固め、FC東京がACLの大切なホーム戦を勝利で飾った。

 攻撃面では破壊力ある3枚を並べたものの、攻撃のインパクトはあまり与えらえず。高萩がトップ下あたりまで進出し、ミドルなどを積極的に打っていったりしたが、その分、ディエゴ・オリヴェイラがボールをもらうために下がるなど、純粋な意味での3トップの脅威はそれほど与えられなかったのかもしれない。中盤の関係性もまだ調整部分が多く、前へ運ぶ推進力という意味では不完全燃焼だろう。

 だが、この日は特に紺野が積極果敢にドリブルで攻め込み、停滞になりかけていたところに活力を与えることに成功。セットプレーのキッカーとしても可能性があるボールを蹴るなど、期待を持たせる活躍を見せてくれた。一方、GK・林のゴールキックにはやや不安定なところもあり、左SBの小川も攻守ともに目覚ましさは見られなかった。全体的な連係はまだだが、リーグ開幕前の2試合で1勝1引分の勝ち点4は悪くない結果だ。この勢いを保ちながら、冷静に連係部分などの課題にトライし、J1リーグ開幕戦のアウェイ清水戦に挑んでもらいたい。

◇◇◇

【AFCチャンピオンズリーグ2020 グループステージ MD2】
2020年02月18日(火)19:00試合開始 東京スタジアム
入場者数 7,755人
天候 晴 / 気温 9.2℃ / 湿度 45%
主審 ヤクーブ・アブドゥルバキ / 副審 アブドゥラー・アルジャーダニ、ハメド・アルガフリ / 4審 アルシャクシ・スレイマン

 FC東京 1(0-0 / 1-0)0 パース・グローリー

≪得点≫
(東): レアンドロ(83分)
(パ): 

◇◇◇

【FC東京】
≪スターティングメンバー≫
GK 33 林 彰洋
DF 02 室屋 成
DF 03 森重真人
DF 04 渡辺 剛
DF 06 小川諒也
MF 08 高萩洋次郎
MF 15 アダイウトン → 紺野和也(59分)
MF 18 橋本拳人
MF 20 レアンドロ
MF 31 安部柊斗  → 田川亨介(90+2分)
FW 09 ディエゴ・オリヴェイラ → ジョアン・オマリ(89分)

≪サブスティテューション≫
GK 13 波多野豪
DF 32 ジョアン・オマリ
DF 37 中村帆高
MF 38 紺野和也
MF 07 三田啓貴
FW 23 矢島輝一
FW 27 田川亨介

≪監督≫
長谷川健太

◇◇◇
















◇◇◇

【AFCチャンピオンズリーグ2020 FC東京 試合日程】
PO  01月28日(火)19:00〇FC東京 2-0 セレス・ネグロス(フィリピン)(H・東スタ)

≪グループステージ グループF≫
第01節 02月11日(火)19:30△FC東京 1-1 蔚山現代(韓国)(A・蔚山文殊)
第02節 02月18日(火)19:00〇FC東京 1-0 パース・グローリー(豪州)(H・東スタ)

第03節 03月04日(水)00:00 FC東京✕上海申花(中国)(H)
第04節 04月07日(火)19:00 FC東京✕上海申花(中国)(A・上海虹口)
第05節 04月22日(水)19:00 FC東京✕蔚山現代(韓国)(H・東スタ)
第05節 05月06日(水)20:05 FC東京✕パース・グローリー(豪州)(A・パース・オーバル)
第03節 05月27日(水)19:00 FC東京✕上海申花(中国)(H・東スタ)

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