ラスト3戦、ホーム復帰初戦で痛恨のドロー。首位陥落も劇的同点弾で勝ち点1をプラス。
結果とすれば、極めて痛恨と言わざるを得ない。アウェイ8連戦を首位で終え、約3ヵ月ぶりに戻ってきたホームゲーム。雨中の一戦、そして相手が残留争いの真っ只中にいる湘南という簡単ではない状況とはいえ、優勝を掴むためには必須の勝ち点2を落としてしまった。
FC東京は前線の永井とディエゴ・オリヴェイラにボールを送って攻め込む回数を増やすも、湘南の粘り強い守備をなかなか崩せず。右サイドからは室屋がオーヴァーラップを仕掛け、大森、高萩、東らで細かくパスを繋ぎながら打開しようとするも、ボックス内までの繋ぎやシュートを狙うタイミングが遅く、不完全燃焼な時間帯が続く。
すると、湘南が次第にパスを繋ぎながら、ボールを支配し始め、FC東京陣内へ攻勢に出る。32分に山崎から預けられたボールを山田がペナルティアーク付近からシュートすると、僅かに左ポストに嫌われる。天候を鑑みれば、先制点を許すと難しい状況に陥りそうななか、互いに守備に奔走するなかで、36分に中央左サイドからの山田のスルーパスを受けた松田が小川を交わしてシュート。GKの背後に走り込んだ森重がゴールライン前でクリアしようとするも、シュートの勢いを殺せずにそのままゴールネットへ。残留争いのなか負けられない湘南が先制点を挙げる。
勝利のためには2点を挙げなければいけなくなったFC東京は、後半早々から攻撃のギアを上げる。2分に高萩のミドルは左枠外、直後には大森のスルーパスに反応した永井がペナルティエリアに侵入してシュートを放つも、GK・富居にセーヴされて同点のチャンスを逃してしまう。それでも攻撃の圧力を高めていくFC東京に対し、湘南はブロックを形成して対応しながら、カウンターで追加点を狙う形へ。
その後、FC東京は大森に代えて三田、永井に代えて田川、東にはユ・インスと交代カードを切って得点を奪いに行くが、決定的なシュートはなかなか打てず。時間の経過に焦りも出始め、適度に湘南のカウンターを受けてしまう。90分が着々と近づき、前線の田川、ディエゴ・オリヴェイラに放り込み、パワープレイで打開しようとするも、湘南が最後まで守備に奔走。ゴールを割らせない守りでアディショナルタイムへ突入。そのアディショナルタイムも残り僅かとなり、万事休すと思われた94分、前線で待つユ・インスが早く上げろと指示を出すと、岡崎がゴール前へロングボールを供給。競り合いのなかでのこぼれ球にスルスルと前の位置へポジションを上げていた森重が柔らかいタッチのハーフボレーを放つと、これがGK・富居の左をすり抜けてポストに跳ね返ってゴール。FC東京が土壇場で同点に追いついた。
湘南にとっては寸前で勝利をスルリと逃し、FC東京にとっては最悪の展開を免れる命拾いのドロー。ともに勝ち点1に終わったが、それを活かすも殺すも次節の戦いぶり次第ということになりそうな結末となった。
FC東京は優勝へのプレッシャーという以前に、連係や距離感が芳しくなく、特に中盤の橋本はボールロストやパスミスも目立ち、代表帰りの疲労が残っているのかとも思えるほど低調。また、ゴール前でのシュートへの積極性もあまり見られず、緩い細かいパスを繰り返しているうちに精度を欠き、相手に奪われる、自陣からボールを奪って速攻を狙うも距離感が悪く、相手に詰め寄られて前を向けずに後方へ戻す場面が散見。攻撃のリズムがあまり見られず、ヴァリエーションやアイディアも少なかったため、攻勢の時間帯は長かったが、それほど脅威を与えた場面は多くなかった。内容としては、決して褒められるものではなかったと思う。
また、選手交代もそれほど効果的ではなかったゆえ、試合の流れを一気に変えられるようなラッキーボーイの出現も、チームの勢いを高めてくれる要件だ。森重の同点ゴール直後、すぐにボールを拾って味方へ帰陣を早くするよう促したユ・インスや強烈なシュートと打開力を持つナ・サンホ、調子が上がってくればディエゴ・オリヴェイラとのコンビネーションも期待出来そうなジャエルなどが、スターティングメンバーに割り込んでくるくらいの勢いをもたらしてくれるといいのだが。
それでも、以前ならあっさりと負けていたところ（雨中の湘南戦は正直あまりいいイメージがなかった）、勝ち点1でももぎ取ったことに意義はあった。第32節の結果、松本に勝利した横浜FMが首位に。FC東京は2位へ後退した。次節、横浜FMが勝利し、FC東京が負けると、残り1節を残して優勝が決まってしまう。FC東京は久しく勝利がない浦和とのホーム最終戦。データとしては相当分が悪い相手だが、この壁を乗り越えてこそ優勝が見えてくるというもの。自ら優勝を掴み取りにいくために、ジンクスを打ち破り、勝ち点3を上積みして最終節の横浜FMとの直接対決に挑みたい。次節がトーナメント決勝戦くらいの意気込みで勝ち点3を奪いにいき、浦和へのジンクスを今季で終止符としたい。
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【明治安田生命J1リーグ 第32節】
2019年11月23日（土）14:03試合開始 味の素スタジアム
入場者数 34,250人
天候 雨 ／ 気温 14.5℃ ／ 湿度 90％
主審 東城穣 ／ 副審 山内宏志、村上孝治 ／ ４審 山岡良介
FC東京 1（0-1 / 1-0）1 湘 南
≪得点≫
（東）： 森重真人（90+4分）
（湘）： 松田天馬（36分）
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【FC東京】
≪スターティングメンバー≫
GK 33 林 彰洋
DF 02 室屋 成
DF 29 岡崎 慎
DF 03 森重真人
DF 25 小川諒也
MF 39 大森晃太郎 → 三田啓貴（61分）
MF 08 高萩洋次郎
MF 18 橋本拳人
MF 10 東 慶悟 → ユ・インス（79分）
FW 09 ディエゴ・オリヴェイラ
FW 11 永井謙佑 → 田川亨介（68分）
≪サブスティテューション≫
GK 01 児玉 剛
DF 14 オ・ジェソク
DF 32 渡辺 剛
MF 21 ユ・インス
MF 45 アルトゥール・シルバ
MF 07 三田啓貴
FW 27 田川亨介
≪監督≫
長谷川健太
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【明治安田生命J1リーグ FC東京 日程・結果】
第01節 02月23日(土)14:00 △FC東京 0-0 川 崎（Ａ・等々力）
第02節 03月02日(土)16:00 〇FC東京 3-2 湘 南（Ａ・ＢＭＷス）
第03節 03月10日(日)14:00 〇FC東京 2-0 鳥 栖（Ｈ・味スタ）
第04節 03月17日(日)13:30 〇FC東京 1-0 名古屋（Ｈ・味スタ）
第05節 03月30日(土)14:00 △FC東京 1-1 浦 和（Ａ・埼 玉）
第06節 04月06日(土)14:00 〇FC東京 2-1 清 水（Ｈ・味スタ）
第07節 04月14日(日)14:00 〇FC東京 3-1 鹿 島（Ｈ・味スタ）
第08節 04月19日(金)19:00 〇FC東京 1-0 広 島（Ａ・Ｅスタ）
第09節 04月28日(日)14:00 〇FC東京 2-0 松 本（Ｈ・味スタ）
第10節 05月04日(土)16:00 △FC東京 0-0 Ｇ大阪（Ａ・パナスタ）
第11節 05月12日(日)14:00 〇FC東京 1-0 磐 田（Ｈ・味スタ）
第12節 05月18日(土)14:00 〇FC東京 2-0 札 幌（Ｈ・味スタ）
第13節 05月25日(土)15:00 ✕FC東京 0-1 Ｃ大阪（Ａ・ヤンマー）
第14節 06月01日(土)14:00 〇FC東京 3-1 大 分（Ｈ・味スタ）
第15節 06月15日(土)19:00 ✕FC東京 0-1 神 戸（Ｈ・味スタ）
第16節 06月23日(日)19:00 ✕FC東京 0-2 仙 台（Ａ・ユアスタ）
第17節 06月29日(土)19:00 〇FC東京 4-2 横浜FM（Ｈ・味スタ）
第18節 07月07日(日)19:00 〇FC東京 3-1 Ｇ大阪（Ｈ・味スタ）
第19節 07月14日(日)19:00 ✕FC東京 0-3 川 崎（Ｈ・味スタ）
第20節 07月20日(土)19:00 〇FC東京 2-0 清 水（Ａ・アイスタ）
第21節 08月03日(土)19:00 〇FC東京 3-0 Ｃ大阪（Ｈ・味スタ）
第22節 08月10日(土)19:00 〇FC東京 1-0 仙 台（Ｈ・味スタ）
第23節 08月17日(土)19:00 ✕FC東京 0-1 広 島（Ｈ・味スタ）
第24節 08月24日(土)13:00 △FC東京 1-1 札 幌（Ａ・札幌ド）
第25節 08月30日(金)19:30 〇FC東京 2-1 名古屋（Ａ・パロ瑞穂）
第26節 09月14日(土)19:00 ✕FC東京 0-2 鹿 島（Ａ・カシマ）
第27節 09月29日(日)14:00 △FC東京 0-0 松 本（Ａ・サンアル）
第28節 10月05日(土)14:00 ✕FC東京 １-2 鳥 栖（Ａ・駅スタ）
第29節 10月19日(土)13:00 〇FC東京 3-1 神 戸（Ａ・ノエスタ）
第30節 11月02日(土)15:05 〇FC東京 2-0 大 分（Ａ・大銀ド）
第31節 11月09日(土)14:00 〇FC東京 1-0 磐 田（Ａ・ヤマハ）
第32節 11月23日(土)14:00 △FC東京 1-1 湘 南（Ｈ・味スタ）
第33節 11月30日(土)14:00 FC東京 vs 浦 和（Ｈ・味スタ）
第34節 12月07日(土)14:00 FC東京 vs 横浜FM（Ａ・日産ス）
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