*** june typhoon tokyo ***

横浜FM vs FC東京【J1リーグ】



 FC東京が自身のスタイルを貫き、昨季最終節の雪辱を晴らす。

 リモートマッチ2試合を経て、アウェイサポーターは入場不可、声援や接触禁止などの制限はあるものの、久しぶりの観客の前での試合となった、横浜F・マリノスがホーム・日産スタジアムにFC東京を迎えての一戦は、FC東京が逆転で勝利。互いに優勝がかかった昨季の最終節で横浜F・マリノスに苦汁を飲まされたFC東京が、リヴェンジする形となった。

 横浜FMは、強靭なCBのチアゴ・マルチンスが戻り、天野と扇原のダブルボランチ、マルコス・ジュニオールがトップ下で、前線の左に遠藤、中央にオナイウ阿道、右に水沼を起用。仲川、エリキ、エジガル・ジュニオ、喜田はベンチスタートとなった。
 一方、FC東京は、前節の川崎戦での0対4という大敗のダメージを払拭するべく、システムは4-4-2へ変更。左SBに中村帆高、橋本とアルトゥール・シルバのダブルボランチ、2列目の左に田川、2トップの一角には怪我から復帰した永井が入った。高萩、アダイウトン、レアンドロ、安部はベンチスタート。

 横浜FMが4分という早い時間に右CKの流れから水沼のバウンドするクロスをペナルティエリア内のオナイウが後方にすらすと、左後方から走り込んだ遠藤が決めて先制。あっという間の失点でFC東京の精神的ダメージが心配されたが、この日は横浜FMにボールを持たせながらも、高い位置から素早いプレスをかけ続けてカウンターの機会を窺うと、橋本、ディエゴ・オリヴェイラ、室屋と素早く繋ぎ、右サイドを駆け上がった室屋からのアーリークロスに反応して抜け出した田川が、後ろからチアゴ・マルチンスに倒されてPKを獲得。田川は腕を痛めてピッチに出るが、ディエゴ・オリヴェイラが確実にPKを決めてFC東京が同点に追いつく。FC東京は試合続行が無理と判断した田川に代わって、レアンドロをピッチに投入。

 飲水タイムが終わると、FC東京はディエゴ・オリヴェイラとレアンドロがコンビネーションを見せて敵陣へ攻め込むが、横浜FMもポゼッションを高め、ワンタッチで繋ぐパスワークでFC東京守備陣を惑わせていく。42分、FC東京は右サイドのハーフウェー付近から室屋が逆サイドへ長いパスを送ると、駆け上がったディエゴ・オリヴェイラが胸トラップでペナルティエリアへ侵入しようとした矢先に、横浜FMのGK梶川がペナルティエリア外で手を使ってディエゴ・オリヴェイラを倒してしまう。GKと1対1での決定機阻止でレッドカードかとも思ったが、判定はイエロー。チアゴ・マルチンスが田川を倒した際もカードが出なかったが(完全に抜け出してのGKと1対1ではなかったのと、チアゴ・マルチンスも一応ボールにアタックしているため、見方によってイエローとならないのは解かる)、これはレッド対象だろう。そんな不満が貯まりそうなところを、一瞬に払拭したのがレアンドロ。この反則で得たFKを見事に直接ゴール右上に決めて、前半でFC東京が逆転に成功する。

 逆転の勢いは後半開始直後にも。FC東京のGK林が横浜FM陣内の永井を目掛けてパントキックすると、永井が畠中を背負いながら踵でボールにタッチし反転。そのまま流れたボールとともに右サイドを駆け上がると、横浜FMの最終ラインとGKの間に速いクロス。これに左から駆け込んできたフリーのレアンドロが難しいハーフボレーをネットに突き刺して、FC東京が追加点。その後もさらに勢いを増すFC東京だったが、横浜FMも扇原の前線への浮き球にペナルティエリアに侵入したオナイウが後ろの水沼に落とし、水沼が左からエリア内へ駆け込んだ遠藤へラストパスを送るも、遠藤がシュートミスで決定機を逃す。78分にも左サイドからティーラトンが速いクロスを上げると、ニアでFC東京のDF陣が競ったボールがファーへ流れたところに仲川が駆け込みダイレクトでシュート。だが、これも大きく枠の上へ外れてチャンスを活かせない。

 FC東京は、後半からエジガル・ジュニオ、エリキ、仲川と強力なタレントを送り込んだ横浜FMに対し、ボールの支配はさせるものの、最後まで集中力を切らずに堅守で時間を進め、アディショナルタイム4分も危なげなく守って勝利。川崎戦の敗戦の嫌な流れを止めたと同時に、昨季最終節で敗れた横浜FMへのリヴェンジを果たした。

 横浜FMはダイレクト、ワンタッチでパスを素早く繋いでボールを支配し、攻勢を強めていたが、攻撃途中にボールが奪われた後の対応にやや苦心していたか。攻撃時にサイドの選手が絞って中に入ったところでボールを奪われ、カウンターとなると、DFの背後のスペースを使われていた。攻勢をかけてゴールを奪い切れば一気呵成となるが、決定機を逃すなどリズムが作れずにいると、やや脆さも露見。そこをFC東京がカウンターを中心にはめ込んだという形だ。

 FC東京は何といっても快速・永井の復帰が鍵となった。前線への速い動き出しと文句のつけようのないアシストへ繋がったクロスといい、横浜FMを困らせるのに十分なハードワークで貢献。ディエゴ・オリヴェイラとの関係性もさらに良くなりそうだ。田川も推進力を持っていただけに怪我による交代は残念だが、代わって入ったレアンドロが2本のスーパーなゴールを決めてくれた。また、来週の浦和戦をもってロシア・ロストフへ移籍する橋本もアルトゥール・シルバとともに中盤でしっかりとタスクを遂行し、左SBに入った中村帆高が熱の籠ったプレーで横浜FM攻撃陣を抑えたのも大きい。敗戦からズルズルと重くなることが少なくなかっただけに、自己のスタイルを完遂しての勝利は、1勝以上に大きなものになった気がする。

 さて、次はミッドウィークの試合がなく、週末にホーム味スタで迎える浦和戦。FC東京にとってリーグ再開後初の有観客試合となる。橋本のFC東京でのラストマッチということもあるが、まずは優勝するために越えなければいけない積年の壁、浦和から勝利することが最優先だ。浦和もここまで負けなしと好調を維持している。最善の準備で迎え撃ちたい。 

◇◇◇

【明治安田生命J1リーグ 第4節】
2020年07月12日(日)19:33試合開始 日産スタジアム
入場者数 4,769人
天候 曇 / 気温 23.9℃ / 湿度 64%
主審 東城 穣 / 副審 五十嵐泰之、熊谷幸剛 / 4審 中村 太

 横浜FM 1(1-2 / 0-1)3 FC東京

≪得点≫
(M): 遠藤渓太(4分)
(東): ディエゴ・オリヴェイラ(17分、PK)、レアンドロ(45+1分)、レアンドロ(46分)

◇◇◇

【FC東京】
≪スターティングメンバー≫
GK 33 林 彰洋
DF 02 室屋 成
DF 04 渡辺 剛
DF 03 森重真人
DF 37 中村帆高
MF 10 東 慶悟  → 高萩洋次郎(77分)
MF 18 橋本拳人
MF 45 アルトゥール・シルバ → 安部柊斗(59分)
FW 09 ディエゴ・オリヴェイラ → ジョアン・オマリ(77分)
FW 11 永井謙佑  → アダイウトン(59分)
FW 27 田川亨介  → レアンドロ(17分)

≪サブスティテューション≫
GK 13 波多野豪
DF 32 ジョアン・オマリ77'
DF 06 小川諒也
MF 31 安部柊斗
MF 08 高萩洋次郎
FW 15 アダイウトン
FW 20 レアンドロ

≪監督≫
長谷川健太

◇◇◇

【2020 明治安田生命J1リーグ FC東京 試合日程】
第01節 02月23日(日)13:03〇FC東京 3-1 清 水(A・アイスタ)
第02節 07月04日(土)19:00〇FC東京 1-0  柏 (A・三協F柏)※Remote Match
第03節 07月08日(水)19:30✕FC東京 0-4 川 崎(H・味スタ) ※Remote Match
第04節 07月12日(日)19:30〇FC東京 3-1 横浜FM(A・日産ス)

第05節 07月18日(土)19:00 FC東京✕浦 和(H・味スタ)
第06節 07月22日(水)19:05 FC東京✕札 幌(A・札幌ド)
第07節 07月26日(日)18:30 FC東京✕鹿 島(A・カシマ)
第08節 08月01日(土)19:00 FC東京✕鳥 栖(H・味スタ)
第09節 08月09日(日)19:00 FC東京✕C大阪(A・ヤンマー)
第10節 08月15日(土)19:00 FC東京✕名古屋(H・味スタ)
第11節 08月19日(水)19:00 FC東京✕広 島(A・Eスタ)
第12節 08月23日(日)19:00 FC東京✕湘 南(H・味スタ)
第26節 08月26日(水)19:00 FC東京✕鹿 島(H・味スタ)
第13節 08月29日(土)19:00 FC東京✕G大阪(A・パナスタ)

第14節 09月05日(土)・06日(日) FC東京✕大 分(A・)
第15節 09月09日(水)      FC東京✕横浜FC(H・)
第16節 09月12日(土)・13日(日) FC東京✕神 戸(A・)
第24節 09月16日(水)      FC東京✕大 分(H・)
第17節 09月19日(土)・20日(日) FC東京✕仙 台(H・)
第18節 09月23日(水)      FC東京✕C大阪(H・)
第19節 09月26日(土)・27日(日) FC東京✕鳥 栖(A・)
第29節 09月30日(水)      FC東京✕浦 和(A・)
第20節 10月03日(土)・04日(日) FC東京✕湘 南(A・)
第21節 10月10日(土)・11日(日) FC東京✕G大阪(H・)
第22節 10月14日(水)      FC東京✕清 水(H・)
第23節 10月17日(土)・18日(日) FC東京✕横浜FC(A・)
第25節 11月11日(水)      FC東京✕川 崎(A・)
第27節 11月14日(土)・15日(日) FC東京✕名古屋(A・)
第28節 11月21日(土)・22日(日) FC東京✕横浜FM(H・)
第30節 11月28日(土)・29日(日) FC東京✕ 柏 (H・)※1
第31節 12月05日(土)・06日(日) FC東京✕広 島(H・)※2
第32節 12月12日(土)      FC東京✕仙 台(A・)
第33節 12月16日(水)      FC東京✕札 幌(H・)
第34節 12月19日(土)      FC東京✕神 戸(H・)

※第14節以降の日程詳細は、8月初旬・10月初旬に分割して発表予定
※1 ACL準々決勝進出の場合、11月18日(水)へ変更の可能性あり
※2 ACL準々決勝進出の場合、別日へ変更の可能性あり

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