うさぎくん

小鳥の話、読書、カメラ、音楽、まち歩きなどが中心のブログです。

One

2020年02月15日 | 日記・エッセイ・コラム
地下鉄の長いエスカレーターを昇っているとき、反対側から青いコートを着た女性が降りてくるのが見えた。小柄で長い髪、なんとなくまとまりの良い感じの子・。わりと最近会ったような気もするのだが、誰だか思い出せない。。
 あとになって、それは前の会社の銀行の担当営業の方だと思い出した。。といっても、エスカレーターで会った子が本人だという訳ではない。似ているというだけのことだ。。


これがひと月近く前のこと。
 今の職場は大きなフロアに、前の職場の10倍もの職員が仕事をしている。直前の職場は僕にとってはやや特殊で、10人ちょっとの陣容で顔つき合わせて仕事していた。今はたくさんの人が周りにいるが、直接自分の仕事と関わり合いのある人は少ない。

 それでも毎日すれ違っていると、いつもこの辺の席にいる人だな、ということはだんだんとわかってくる。人間不思議なもので、目の前の人を、それまで出会った様々なタイプの人たちと結びつけ、パターン化して認識しようとする傾向があるようだ。この人は昔総務でよく話していた人にちょっと似ているな、とか、こういう体育会系みたいな人、どこにでもいるよなぁ、とか。

 今も、通路を通りかかるときデスクで仕事している人を見るたびに、幼馴染の子を思い出す。別の席の若い子は、見かけるたびに昔好きだった子とか、最初の銀行にいたころよく遊んだ同僚の子をつい思い出してしまう。
 昔の恋人に似てるなんて、いかにも親父っぽい発言だが、でもそう感じるんだから仕方ない。道端の梢にとまるメジロが可愛いように、その子を見かけるとさわやかな気持ちになれる。。

エスカレーターで会った人はそれこそ一期一会で、職場の人でも何でもないのだが、本能的にこの人は誰に似てるかと、頭が自動的に働いたのかもしれない。

 こういうのは、今の時期だけの反応なんだと思う。。もうだんだんそうなってきているけど、時間がたつと相手の人の個性がわかってきて、今まで会った誰かさんに似ている人から、その人そのものに位置づけが変わってくる。その他大勢から"One"になる。

 ミュージカル「コーラスライン」の候補者たちが、オーディションでそれぞれの人生を語り、舞台では見えてこない個性が明らかになっていくように、たたぶん同僚たちのことも、これからだんだんとわかってくるようになるのだろう。。
 
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