ちょっと前の記事、5年前に行った藤城清治美術館の感想の続きになります
思い出してみるとどんどん記憶が蘇ってきました!
ちなみに5年前に書いた記事はこちら
https://ameblo.jp/poffy8luigi/entry-11999169732.html
記憶で書くので正確かどうかわからないですし、細かいところは違う部分もあるかもですが、そこはどうぞご容赦くださいませ。
あの日の展示の中盤あたりか終盤あたりに風の又三郎の原画コーナーがあったんです。
木造校舎の教室に赤い髪の少年(風の又三郎)が、ちょこんと座っている影絵が特に私の心に印象に残りました。
(風の又三郎の出だしのシーンです)
見たとき、
ああ~、
藤城清治さんは宮沢賢治の木造校舎を描ける人なのかぁと本当に感心しました。
宮沢賢治は東北出身で、明治に生まれ、昭和8年にお亡くなりになっています。
藤城清治は大正13年〜、今もご健在です。
世代は被っているものの微妙に違いますし、藤城清治は東京出身ですが、きっと取材もたくさんしたのでしょう。
だから、宮沢賢治が書いた木造校舎が描くことができるのだなと思います。
というか、藤城清治さんで描ける人ギリギリの年代なのではないでしょうか。
絵って、木造校舎を写生すれば描けるものではないんです。
例えば、私が木造校舎が建っているところで写生して、それを元に風の又三郎のシーンを描いたとしてもなんにも説得力のない絵になるんです。
なぜかというと、私は木造校舎で学生時代を送ったことがないからです。
木造校舎の中での体験をしてないんです。
嬉しいことや嫌なことがあったときに見えた教室の風景を知らないんです。
雨の日はカビ臭い日もあっただろうし、木の独特な匂いや雰囲気があるだろうし、想像はできますけど、長くその教室に過ごして見なければわからないことは、写生したぐらいではわからないんですよね。
本当の意味での木造校舎を描ける人っていうのは、
木造校舎を毎日毎日見て、何年も何年も通っていて、もういやっていうぐらいの人でないと描けないんです。
できたら、原作通りに小学生のときに教室の中を過ごしている人でないと!!
(小学生の背丈ぐらいの視線や風景を体験していないと!)
そうでなきゃ、ちょこんと座っている風の又三郎の奇異な存在と日常の木造校舎の教室の対比なんてかけないんです!!
このシーンはこの対比が重要なシーンですからね。
原作どおりの絵にするためには!
日常のなかに奇異な存在が現れるシーン!!
鉄筋コンクリートの校舎で育った私が木造校舎を描いたら、木造校舎は日常ではなく非日常になってしまうんですね。
そう!!
だから、それを表現できてしまう、藤城清治の宮沢賢治の小説を元にした影絵は本当に貴重で贅沢な絵なんです!!
もう、宮沢賢治のリアルなスピリッツを全面的に体感できる影絵なんて、もう後にも先にもないでしょう。
本当にあの日はじっくり見れて、贅沢な時間だったなと思います。
行けたら、また行きたいなぁ〜〜〜
美術館ではまだ風の又三郎コーナーがあるので、お近くの方やいける方は原画を見てみてね
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