親分、では今日から舞台はアメリカですね。独立宣言は1776年、フランス革命が1789年ですから、それより少し前ですね。確か、1773年に「ボストン茶会事件」が起きます。これはイギリスの植民地政策に反対する急進派が港に停泊中の貨物船の積み荷だった紅茶を海に投棄したという事件ですよね。
よく知ってるじゃないか。アメリカの東海岸には大小35の植民地があったんだ。イギリスはその植民地から税金を取っていた。しかし、植民地からの議会参加は認めていなかったんだ。植民地からすると、意見は聞いてもらえないのに、税金だけは取られるというのに反発したんだ。そこで独立戦争になったんだな。それまで開発のために多額の投資をしていたのは主にユダヤ人の金融家たちだった。そこで、彼らは独立はさせるが経済的な支配はいつまでも自分らのものにしようと考えたんだ。
さすがはユダヤ人金融家ですね。どうしたんですか?
彼らにはイギリスでのポンド支配という成功体験がある。そこで、アメリカでもドルの発給権をユダヤ人金融家たちが押さえて、金融的支配をしようとしたんだ。
うまく行ったんでしょうか?
彼らの目論見を見抜いていたのが、ベンジャミン・フランクリンだった。フランクリンの反対でうまく行かなかったんだが、1790年にフランクリンが死んでしまった。翌年に、完全じゃないんだが、金融家80%、政府20%出資という形で「第一合衆国銀行」を10年間の期限で作ったんだ。
アメリカは最初からユダヤマネーで出来たんですね。それにしても、ベンジャミン・フランクリンは解っていたんだ。ほとんど学校にも行かず、独学で学んで、建国の父とまで呼ばれた人ですよね。確か科学者でもあった人なんですよね。
この銀行は何回か更新されたんだが、1836年に時のアンドリュー・ジャクソン大統領が、「一部の金融家が甘い汁を吸うばかりで国民の利益にならない。」と言って更新に猛反対して破綻させてしまった。
ジャクソン大統領は凄い大統領なんですよね。破天荒というか、いかにもアメリカの開拓時代そのままの命知らずな男で、すぐ喧嘩をし、「決闘だ!」と叫ぶんです。本当に決闘をして、胸を打たれた後、相手を殺したこともあったそうです。軍隊時代にはインディアンを大量に虐殺しまくったそうです。今なら大統領なんてとんでもない人なんでしょうけど、当時はそれが英雄だったんでしょうね。東部13州以外の南部出身で大統領になった第1号なんです。
随分、詳しいじゃないか。
そういう破天荒な人が好きなんですよ。
ところで、銀行の話に戻るけど、アメリカの金融は未だ力がなく、国債や州が発行する証券を金融家たちに買い占められて、動きが取れなくなる。そうこうしているうちに、南北戦争が起こったんだ。
南部の奴隷制度に反対する北部との戦争ですよね。
それは表向きの理由で、本当はアメリカの混乱を狙ったイギリスの金融家たちの仕業なんだ。戦争が起きると一番儲かるのが金融家たちなのさ。金融家たちは北部にも南部にも戦費を融資しているんだ。しかも年利30%の高金利だ。ここでリンカーン大統領が戦費を調達するために政府紙幣を発行するんだ。この紙幣で北軍は南北戦争に勝つんだが、面白くないのは金融家たちだ。議会の金融勢力を動員して民間(自分たち)主体の銀行をつくるための「国立銀行法」というのを成立させるんだ。リンカーンはこの法案を廃止させようとした。ところが、その直後1865年に暗殺されたんだ。
ということは、リンカーンを暗殺したのはイギリスの金融家たちの仕業なんですか?
勿論、証拠はないんだが、暗殺犯の雇い主だったユダ・ベンジャミンは犯行後にイギリスに逃げているんだ。ディズレーリ首相の元側近でもあり、ロスチャイルドとも親しかったというから間違いはないだろう。
いや、怖いですね。金融を支配するというのは命がけなんですね。
その通りだ。そうやって、ユダヤ系の金融家たちはドル発給権をもつ中央銀行を設立しようと動いていたんだな。実に100年以上もかかっているんだ。それだけアメリカの金融支配することは世界支配につながる大計画だったんだ。
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