『ゲーム』(97)(1998.7.9.)
投資銀行を経営するオートン(マイケル・ダグラス)は、巨万の富を築きながら、私生活は孤独で殺伐としていた。ところが、ある日、音信不通だった弟(ショーン・ペン)が現れ、誕生日の祝いとして、あるゲームに参加できるカードをプレゼントする。半信半疑でゲームに参加したオートンは、次々と奇妙な現象に見舞われることになる。
この映画の狙いは、いかにもデビッド・フィンチャーらしい、どこまでが現実なのか分からなくなる、サイコっぽい、怖い話だったのだろうが、そうは問屋が卸さなかった。
なぜなら、構成に緻密さがないため、途中で見事にネタがバレてしまい、一人で右往左往する主人公の姿が半ば滑稽なものに見えてしまうからだ。まあ、ネタバレさえしなければ、ラストのどんでん返しも含めて、“『スティング』(73)のサイコ版”足り得たかもしれないのだが…。後の祭りだねえ。
この映画を見るきっかけは、キャストの中に、『課外授業』(75)でセックスシンボルとなったキャロル・ベイカーの名前を、久しぶりに見つけたからだった。