脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】BABYMETAL / METAL GALAXY [2019]


日本よ、これがBABYMETALだ。

METAL GALAXY METAL GALAXY
BABYMETAL

曲名リスト
 ディスク:1
 1. FUTURE METAL
 2. DA DA DANCE (feat.Tak Matsumoto)
 3. Elevator Girl
 4. Shanti Shanti Shanti
 5. Oh! MAJINAI (feat.Joakim Broden)
 6. Brand New Day (feat.Tim Henson and Scott LePage)
 7. ↑↓←→BBAB
 8. Night Night Burn!
ディスク:2
  1. IN THE NAME OF
  2. Distortion (feat.Alissa White-Gluz)
  3. PA PA YA!! (feat.F.HERO)
  4. BxMxC
  5. Kagerou
  6. Starlight
  7. Shine
  8. Arkadia

Amazonで詳しく見る by G-Tools


…あれ?

BABYMETALのアルバム、イマイチ話題になってなくないですか…?

前作『METAL RESISTANCE』の時って
かなりメディアとかでも騒がれて世界を相手に戦う少女達みたいな
そんな扱いだったと思うんですけど…

俺の周り(※クソ田舎)がそうなってるだけで、
実は都会とかではめちゃ話題だったりするんですかね?
東京のオフィスでは「ベビメタのアルバムあげみざわ~!」とか
みんな喋ってるんですかね??




ほら、みんな盛り上がってるよ!
もっと日本国内でもベビメタ盛り上げていこうぜ!!


はい、つーわけでヒゲダンやスピッツと同じ日にアルバムが発売され
なんだかちょっとそっちに話題を持ってかれてしまった感がある
ベビメタの3rdアルバム『METAL GALAXY』についてですね。


真面目な話、このアルバムはもっと注目されるべきだと思うのよ。

何せあれだけ話題になった前作『METAL RESISTANCE』は
アメリカビルボードチャートで坂本九以来のTOP40入りとなる
39位だったわけなんですけど、今回の『METAL GALAXY』は
アメリカビルボードチャートで13位だったらしいですよ!?

コレって超凄くない?もっとベビメタを話題にしてあげて!


で、内容なんだけど今作はなんと2枚組アルバムとなっております。

やっほい!昔ならまだしもみな忙しいこの現代社会においては
時間が無い人間をどん底に突き落とすと評判の2枚組アルバムです!
やったね!メタル聴くならやっぱ地獄に落ちないとね!

…といいつつ、実は2枚合わせて一時間くらいの収録時間なので、
実は下手な一枚モノのアルバムよりも短いアルバムなんですけどね。


ではなぜにわざわざ2枚組なのか。それは聴けば分かる。
1枚目と2枚目でしっかりコンセプトが分かれているのが
この『METAL GALAXY』なのだ。


1枚目のディスクは言わば「新しいベビメタ」だ。
これは正直評価がかなりハッキリ分かれるところだと思うが、
俺は好みだった。逆に生粋のメタラーにはウケが悪いかもしれん。

先程の『DA DA DANCE』はB'zの松本さんも参加した曲で、
トランスの味付けが90年代の邦楽的空気を纏った新機軸だし、
「上へ参ります 下へ参ります」の歌詞がカワイクて面白い
『Elevator Girl』といった曲もキャッチーで楽しい。




そして『Shanti Shanti Shanti 』はまさかのエスニック!
これはまた大胆な試みをやったもんだ。



ビートルズでジョージ・ハリスンがインド音楽に目覚めた当時の驚きは
多分こんな気分だったんだろうなと思うよね。

他にもコナミコマンドを思わせるタイトルの『↑↓←→BBAB 』は
最近流行りのフューチャーベースを取り入れた音楽性だ。
歌詞もゲームの用語を散りばめた意欲的な内容になっている。
(結構良い曲なのにこの曲が海外盤だとカットされてるらしい)

ちなみに本家のコナミコマンドは「↑↑↓↓←→←→BA」である。
ベビメタの曲と似ているけど違う。
間違えやすいのでらちゃんと覚えておくように。


このようにディスク1ではベビメタが
多様に変化している事が窺い知れる。
もう3枚目のアルバムともなるとこういう展開も納得だ。

そしてディスク2は「王道のベビメタ」が堪能できる。



ちゃんと旧来からのファンに向けたアプローチも忘れていない。

敢えてアルバム全体で作風をガラっと変えてしまう手もあっただろうが
そこはメタルというジャンルのバックグラウンドからすると
なかなか難しいんだろうな。そういう意味でも2枚組に分けて
それぞれでターゲットを変えたというのはアリな判断だっただろう。


あと今回はコラボ曲も多くて、
やたらとコラボしたがりな最近の海外事情の風を
ベビメタも受けている事が分かる。



この「パッパパパヤー!」のフレーズと振り付けが頭から離れない
中毒性の高い『PA PA YA!!』でコラボしているF.HEROは、
タイの大人気ヒップホップアーティストだそうだ。

ただこの界隈の海外事情に詳しくない俺からすれば、
このアルバムのコラボ先の面子が全然分からないのです…。
きっと凄いんだろうって事は分かるけど分からない…。
ごめんなさい。キツネ様に叱られる!コレを機に勉強せねば。




この『Starlight』や『Arkadia』といった曲は
これまでのBABYMETAL路線が好きな人にはハマるだろう。
ディスク2は期待通りのベビメタが聴ける安心のディスクとなっていた。

ディスク2を聴いても楽曲のクオリティそのものは落ちていないし、
むしろ個人的には深みが増したようにも聞こえた。
BABYMETALは前作から想像以上にスケールアップしてるとも言える。

というのも個人的な感想だけど世界的に評価されたと言える前作
『METAL RESISTANCE』はパッケージ(売り物)の匂いが強くてね、
あからさまに日本を意識させる『KARATE』みたいな曲があったりと
クールジャパンのような官製感があったのが気になってたんだよね。

でもそれに比べて今作はのびのびと自由にやってて
ディスク1のチャレンジ性も好きだし、
むしろメタル以外の音楽が好きな人をディスク1で惹き付けて
ディスク2で引きずり込むというストーリーさえ想像出来る。


評価が分かれそうなアルバムだと言ったが、
俺は前作よりも今作の方が好みだし、
もっと日本でも注目されるべきアルバムとも思っている。

ただやはりYUIMETALの脱退は…残念だったかなぁ。
BABYMETALは彼女達の世界観も含めて楽しむというのが
ある種の「作法」だったので正直ダメージは大きかったと思う。

でもベビメタの方針によると、
アヴェンジャーズ」と呼ばれる3人のサポートダンサーから
1名が公演ごとに召喚されてステージパフォーマンスを行うという
仕組みに切り替わっているらしい。

アヴェンジャーズのメンバーは、
さくら学院の2019年度の生徒会長藤平華乃、
さくら学院OBの岡崎百々子、
そして元モーニング娘。の鞘師里保の3名

キツネ様が彼女達3名をアヴェンジャーズに選んだ
…というシナリオによって
BABYMETALはここまで見事に復活したのだ。

しかし鞘師がサポメンとかなんて贅沢なんだ!
彼女はモー娘。でもキーメンバーだったんだぞ!


そんなわけでまだまだ今後も何かありそうなBABYMETAL。

今作はメタルに興味が無いという層にもリーチするアルバムだし、
むしろ「メタルももっと色んな音楽を取り入れていこうぜ」といった
メタル界自体を牽引するかのような気概すら感じるアルバムだ。


「BABYMETALって今どうしてるの?」

彼女達はずっと世界で戦っています。
日本で名前を聞かなくなったからって消えたなんて思わないで欲しい。
テレビで観ない芸人が実はYoutubeで大人気ってのと似たような構造。

我々の知らない世界で彼女達は大きなチャレンジを続けているのだ。


【採点】
・もっと話題になるべき 30点
・2枚組に意味がある  30点
・新機軸&王道スタイル 20点
・豪華なアベンジャーズ  2点
82点