山王アニマルクリニック

日々の診療、いろんな本や音楽などについて思い巡らしながら、潤いと温もりのバランスを取ってゆこうと思います。

蚊アレルギー

2021-08-23 20:18:55 | 診療よもやま

(何年か前の記事ですが、続編を書き、つなげました)

どんよりとした7月でしたが、8月になったら今年も暑いですね。

夏と言えば蚊に刺される季節なのですが、猫を外出自由にしていると、写真の子のように、鼻や耳介など毛が短い所を蚊に刺されボツボツができてしまうことがあるのです。

これは蚊に刺されたことよるアレルギーなのですが、ひどい子になると出血するほど引っかいてしまうこともあります。

 

見ての通り、けっこうかゆそうでしょう?

 

外猫でも全くかゆがらない子も多いのに、不思議ですね。

この症状…私の臨床経験の中では、黒猫の発症率がやけに高いです。

蚊は黒い色に最もひきよせられる(黒、青、赤、黄、白の順)からなんでしょうか?

そう言えば、真っ白な猫で発症したケースは、今のところないですかね(黒と白の差は3~4倍)。

(いきものを調べたりできるアプリなどを作っている会社のまとめ→蚊に好かれる人の特徴とは?

この病態は外出させず、蚊に刺されない環境にすれば治るのですが、それが難しいケースも多いのでしょう(蚊に刺されないシーズンになると治ります)。

ネット上では、首輪に装着するタイプの虫よけ製品で治ったと書いている人もいますね。

 

そんなわけで、日焼けを防ぎ、白い服を着れば少しは蚊に刺されにくくなるのかもしれません?!

(ここから続編です)

最近来院した毛色がぼぼ白のこの猫ちゃんですが……

 

なんと、この子の白い耳介にもプツプツがあります。

しかし、頭部は黒も含んだトラ模様がありますね。

まだ初発なので軽症ですが、年を追うごとに悪化する子もいます。

全身真っ白な猫ではまだ見たことがない気がするのですが、そんなに甘くはないんでしょうね。

この猫ちゃん、2日前に来たばかりなのに猫同士のケンカ傷にてまた来院…蚊アレルギーのかゆみには免疫を抑制するステロイドが効きますが、ケンカ傷の治りは悪くなってしまうのです。

外にでてしまう猫は、常にこのような外傷リスクがあるので、なるべくステロイドを使わない方がいいと思います(そもそも外に出ない子はこの病態にならないので、この矛盾を解決するためには蚊よけ対策が必要です)。

今年来たもう一匹の蚊アレルギーの子は、蚊よけ対策をせずステロイドのみを使っていたら、いわゆる風邪のようになって発熱してしまいました(問題ないことも多かったのですが、寒暖差があったりタイミングの悪いことが重なると…)。

最近、この他にも蚊アレルギーの子の来院が多いので、なるべく外に出さないか、蚊よけ対策をしましょう!!


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