草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

北一輝の研究家松本健一が高く評価した「新右翼」とは!

2019年02月19日 | 思想家

松本健一さんには一度しか会ったことがない。もう何年前になるだろうか。彼がこの世を去ったのは平成26年11月27日のことであり、その3年ほど前だったと思う。私が麗澤大学に訪ねたのだった。そこで話題になったのは、戦後の右翼の運動についてであった▼松本さんは昭和51年に『新右翼』を世に問うており、そこに収録されていた「新右翼と新左翼の転位」という文章について、色々と質問をしたのを覚えている。松本さんは日本学生会議の機関紙「ジャスコ」を取り上げ、「七〇年当時の新右翼の動向は、大学闘争を担った新左翼の昂揚と見合う程度に十分ラジカルであった」と書いていた。私もそれを購読していたこともあり、松本さんの考えを聞くことができた▼昭和45年7月20日号の「ジャスコ」で、日本学生会議は北方領土問題について「北方領域に日章旗が翻るのは、Y・P(ヤルタ・ポツダム)体制を崩壊させた暁でしかない」と断じたのだった。Y・P体制とはアメリカとソ連による戦後体制を意味し、それを解体することを訴えたのである。当然のごとく、それは日米安保条約を否定することであった。松本さんは日本学生会議のラジカリズムを評価したのである▼右翼と保守は違うのである。もともと右翼は反体制であったし、暴力を肯定していた。そうした観点からすれば、今の日本には、本当の意味での右翼も「新右翼」も存在しないのである。

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