昨日の安倍首相の記者会見は期待外れであった。緊急事態宣言とか、武漢肺炎対策でもっと踏み込んだ発言があると思っていただけに、拍子抜けしてしまった。喋り方にも問題があるような気がする。結論を最初に述べるべきで、前置きなど今はいらない▼重要な発言としては、検疫を強化するために、自衛隊を出動させるということであった。危機的な状況下では、自衛隊しかいないのである。もう一つは現金を給付するということであった。大規模な財政出動と口では言っても、あまりにも漠然としていた。あれでは国民の間に、失望感が広がるのは当然である▼政府のトップがそうであっても、医療現場は必死に頑張っている。ジョンズ・ホプキンズ大学の各国の回復者数がそれを物語っている。アメリカの感染者数は119748人で回復したのは971人であるのに対して、日本の感染者数は1693人で回復したのは404人である。多くの命が助かっているのである▼安倍首相はこのことを訴えるべきであったのだ。重症者の治療を優先し、クラスターを徹底的に封じ込めるという戦略は間違ってはいない。さらに、世界中がパンデミック状態なわけで、今後は水際対策をどう強化するかである。だからこそ自衛隊なのである。もはや平時ではないわけだから、安倍首相は危機の時代の政治家に脱皮すべきなのである。
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『わが友マキアヴェッリ』で塩野七生は、「低血圧の人は血糖値が低くなると、やたらとペシミストになる」と書いている。わたしは、おそらく低血圧である。なので、「新型肺炎」について、あまり書かないように“自粛”してきた(つもり)。
ところが、先週末の東京のお花見名所や繁華街の混雑ぶりをTVで見て驚いた。もう「新型コロナ」感染は、終息したと思っているのか!?
なるほど、そこは密室ではない。だが、密集しているし密接しているではないか。そもそも、この人数では、そこに向かう交通手段において、すでに感染拡大の「3密」になっているのではないか、と。
怖がりの小心者、低血圧のペシミストだから言うのではない。リアルに死の淵を覗(のぞ)いた時、形容しがたい感情から、涙が流れ歯の根が合わない震えに襲われた経験者としてお願いする。外出は、自粛すべきである。
「感染症対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は、(中略)『外出自粛といっても、1歩も外に出てはいけないということではなく、外に出ただけ、人とすれ違っただけでは感染しないので、食料などの買い物や気分転換のための散歩はしてもよい。外出の際に最も大切なのは、換気の悪い密閉空間、人が密集する場所、密接した近距離での会話の『3つの密』を徹底的に避けることだ』と話しています。
そして、『イタリアでみられるような重症者を救えなくなる医療崩壊を起こさないことが目的であり、私たちができるのは、手洗いやマスクなどの感染対策をして、《3つの密》を避けることだ。自分を守り、感染のリスクが高い人たちも守るという意識を強く持ってほしい』と訴えています」(2020/3/28 NHKニュース)。