強いアメリカを取り戻そうとしているのだろう。トランプは20日、ロシアとの間で結んでいた中距離核戦力全廃条約を破棄することを表明した。明らかにロシアが条約に違反しているほか、中共が配備を進めている中距離ミサイルにも危機感を持っているからだろう。形骸化した条約に固執しているよりも、トランプは現実を直視しており、我が国にとっても他人事ではない▼北朝鮮にとどまらず、ロシアや中共の中距離ミサイルが日本に向けられている。とくに我が国にとっての脅威は、中共の対艦弾道ミサイルであり、2011年から配備されたDF21Dは射程1500キロで、横須賀を母港とするアメリカ第七艦隊の空母を無力化することができる。防衛省が「日本型トマホーク」と呼んでいる島しょ防衛用新対艦誘導弾の研究費として、今年度77億円の予算が付いたのは、それに対抗するためである▼すでに自衛隊は12式地対艦誘導弾を装備している。射程は250キロまで伸び、最大250キロまでの弾頭の搭載が可能だという。これを地上の攻撃にも使えるようにすればいいのである。トランプはトマホークを買わせたいと思うだろうが、速度はマッハ以下であり、我が国が開発した12式地対艦誘導弾はマッハ3である。目の前の危機に対処するためにも、できることから手を付けなくてはならないのである。
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