中共の提灯記事を書く朝日新聞や毎日新聞は、今月27日付の一面トップで、習近平の国連での演説を大きく取り上げた。「2060年までに温室効果ガスをゼロにする」という目標を表明したことを高く評価したのである。朝日新聞などは「野心的な宣言」とまで持ち上げた。世界で一番のCO2排出国がそれを実現するには、原子力発電に力を入れるしか手がない。それにはまったく触れず、中共を礼賛するのが今の朝日新聞や毎日新聞なのである▼日本も2030年までに26パーセントのCO2排出削減を公約しているが、現在原発が稼働しているのはわずか3基にとどまる。これでは目標達成が難しい。2011年の原発事故の恐怖が忘れられず、国民の多くが再稼働には否定的である。太陽光や風力などの再生可能エネルギーに頼るとしても、それが近い将来に基幹電源になるとは考えられない▼私たちは吉本隆明の言葉をもう一度噛みしめる必要があるのではないだろうか。「動物にない人間だけの特性は前へ前へと発達すること。技術や頭脳は高度になることはあっても、元に戻ったり、退歩することはあり得ない。原発をやめてしまえば新たな核技術もその成果も何もなくなってしまう。今のところ、事故を防ぐ技術を発達させるしかないと思います」(『反原発異論』)。私たちは「退歩」することは許されず、一歩一歩前に進むしかないのである。
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