防衛省が債務不履行 | 同床異夢

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 政府がF-35の追加発注を100機程度検討していることは紹介した。

そして、現在発注済みの42機については、国内からの組み立てから撤退し

出来上がったものを直接米国から購入すると発表された。

 

       (三沢基地に着陸するF-35)

これにより、1機あたり30億円〜40億円の節約になるとのこと。

42機にかけると1260億〜1680億円の計算になる。

追加発注の100機も含めると、5000億以上の節約になるが・・・

 

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しかし、ここで考えてもらいたいのは、

5000億出せば失われた技術は復活できるのか?

ということだ。

 

どういうことかというと、日本で戦闘機組立ての技術がなくなるというこだ

飛行機を組み立てるのも、それなりのノウハウが必要で、組み付ける職人によって

性能が左右する場合もある。

 

有名な話がF−15である。

米軍で出る不具合が日本では出ない。

これは、日本の技術者が優秀であるからに他ならない。

 

もっと古い話になると、ロッキードF−104、スターファイターという戦闘機も

米軍は早いうちに退役させたが、日本では昭和36年〜昭和61年の25年間も使用し続け、

他国に比べて事故や不具合が極端に少なかった。

  (世界中で不人気だったF−104スターファイター)

日本人の技術の高さがわかる。

この頃からのノウハウがずっと現在まで受け継がれてきたから、現在の日本は

ジェット戦闘機における高い技術を維持できている。

 

しかし、5000億円をケチって組み立て技術を放棄すると、今までのノウハウが

すべてなくなる。

 

 技術者を育成するには、それなりの時間が必要だ。

一度、空白期間が出来ると、先生といわれる人がいなくなるので

それを復活するのにとてつもない時間と労力が必要になる。

 

国防というのは、今を生きる人達だけのことを考えるのではなく

子供や孫の世代まで、安全に日本国が有り続けることを考えなければならない。

その中には技術の伝承というものも含まれる。

 

先輩達が残してくれたノウハウを現在の日本人は、お金のために捨てようとしている。

それが、未来の日本を担う子達によい方向に働くのかどうか、今一度考える必要がある。

 

 そして・・・

防衛省が日本の防衛産業に対して支払いをジャンプしてほいしと要請。

支払い延期要請 防衛業界 戸惑い、反発(東京新聞 11月29日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201811/CK2018112902000131.html

防衛省は装備品をローンで購入している。

そのローンの支払いを少し待ってくれと、日本の防衛産業に要請しているのだ。

 

世間ではこれを「債務不履行」といって、これをやってしまうと

銀行はお金を貸してくれなくなる。

そうなると、信用がなくなり取引する会社がなくなる。

やがて会社は倒産ということになる。

 

それを、国の機関が行うとしているのは異常事態だ。

つまり、これは防衛省が悪いのではなくて、日本政府の予算があまりにも低すぎるから

起こっていることなのだ。

 

そして、防衛予算がそんな状態でありながら、

「日本政府はF-35を100機導入を検討」

などのニュースが出てきてしまう。

これは、アメリカの貿易不均衡といわれている攻撃をかわすために打ち出したことだろう。

しかし、その影響で日本の防衛産業への支払いを遅らすというのは、本末転倒だ。

一体誰の税金で装備品を購入していると思っているのだろうか?

(スターファイターの後継になったF-4ファントム 装着するミサイルは全て国産である)

 

支払いをジャンプなんてことを頻繁にやっていると、日本企業も防衛産業から

撤退せざるを得なくなる。

民間企業が債務不履行なんてやると、自分の会社が倒産してしまう恐れがあり

死活問題なのだ。

それを、公の組織がするとはとんでもないことだ。

 

公の組織はそんなことしても、省が潰れたり国が潰れることはない、この緊張感の違いを

役人や議員は理解しているのだろうか?

 

会社は従業員を路頭に迷わすことになるのだ。

そんなことを、日本政府がやっていいのだろうか?

防衛省は民間企業に支払いのジャンプをお願いするのではなくて、

政府にお金をなんとかしてくれと頼むのが順番ではないだろうか?

 

日本の防衛産業を育てるのは、日本政府の仕事だが、その逆のことを行っている。

これは、大問題だと思う。

 

防衛産業に従事している会社は日本で何万社とある。

しかし、防衛産業と儲かっている会社は殆どない。

そんな状態で、この先日本の安全保障が担保できるのだろうか?

 

「外国から購入した方が安い」などと平気で言う議員がいるが

その外国が売ってくれなくなったらどうするのだろうか?

また、メンテナンス部品などがコンスタントに入ってこなくなったら?

足下を見られて、部品値段が高騰したら?

 

現に、アメリカから購入した物で、お金は支払っているが納入されてないものは

沢山あり、部品一つにとっても、納期通りに来ない事例は沢山ある。

1年とか2年遅れで来るものもあるそうだ。

 

部品がこない間は、その装備品は使えなくなる。

5000億のお金が浮いたからといって、使えない状態の装備品で日本を守れるのか?

 

アメリカは現在同盟国ではあるが、その関係が未来永劫に続くとは限らない。

 

それを考えた時に、日本を存続させるために必要なことは何か?

緊縮財政なのか?それとも、お金がなくても防衛技術の確立なのか?

どちらが必要なのかは、言うまでもない。

安全保障の基本は独自でまかなえることである。

 

最近の大人がなんでも銭金で物事を判断するので、

「お金がないのなら仕方がないじゃないか!」

と言う人が多くいる。

 

そんな人に尋ねたいのは、自分の家が火事になり、消防隊が

「予算の都合で回せる消防車がありません」

と言われても

「あ、そうですか、わかりました」

と理解を示せるのだろうか?

 

防衛も同じで、

「お金がないから助けられません」

と言われて、納得できるのだろうか?

 

ただ、日本は既にそんな状態になりつつあることを、

皆さんに真剣に考えてもらいたい。

 

繰り返しになるが、防衛省が、支払い出来ないのは予算が足りないからだ。

予算をつけるのは、国民が理解するしかない。

防衛省の予算付けに反対するような議員を選んではいけないし、

また、安全保障に知識がない議員を選んでもいけない。

 

是非、地元の議員に防衛省の予算を上げて貰いたいと言ってもらいたい。

聞く耳を持たない議員には、「次は絶対投票しないから」

と言ってやってもよいと思う。

 

最後まで読んで下さりありがとうございました。

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