ひょうきちの疑問

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お金とは何だ 36 ガイジンが円を借りると

2018-10-17 11:03:56 | お金とは何だ

水曜日

お金は地域限定である。
アメリカに住むガイジンが円を借りても、アメリカでは円は使えない。
だからそのガイジン(B)またはその代理人(B’)が、日本に来て日本の銀行(A)から円を借り、その円をドルに換えてアメリカで使うしかない。
日本に円を借りに来たのがB’である場合、B’は日本の銀行(A)から、100万円を借りる。(以下は、1ドル=100円とした場合)
A銀行は資産の部に貸付金100万円と、負債の部に預金100万円を打ち込む。
この時、日本全体のお金の量は100万円増えたことになる。

B’はその100万円をドルに換えるため、A銀行に外国送金を依頼する。この時、A銀行は負債の部のB’の預金に-100万円を打ち込み、B’の預金はゼロになる。同時に資産の部の外国為替にー100万円を打ち込む。
この時、B’は借金を返済したわけではないから、A銀行は負債の部のB’の預金から100万円を引き出し、それと同時に銀行の資産の部の外国為替からも100万円を引き出す。
つまりここでお金の量は100万円減り、元に戻る。

さらにA銀行は、アメリカにあるA銀行の支店(A’)に指示を出し(実際には手形を発行する)、そこに口座を持つBの口座に1万ドル(100万円相当額)を入金させる。
これは融資ではないからA’支店は、資産の部の外国為替に1万ドルを打ち込み、負債の部のBの口座に1万ドルを打ち込む。
つまりここではお金(ドル)の総量は1万ドル増える。

実際にはこの作業は、
1.日本の中央銀行である日本銀行、
2.さらにアメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)
を通じて行われる。

こうやって日本で増えた100万円が、アメリカの1万ドルとなって、アメリカで流通する。
こうやってお金を数字として考えると、日本の円がアメリカのドルに変わったように見える。



しかしお金の現物を頭に置いて考えると、私の頭の中ではこれとは違ったことが起こる。
円をドルとして送金するということは、円でドルを買うという売買であり、円とドルの交換である。
交換したものは、あくまでも交換であり、いくら交換してもなくならない。
つまりいくら交換しても、円は円としてあり、ドルはドルとして存在する。

両替商を念頭に置いて考えると、円をドルと交換するとき、両替商は、相手から円を受け取り、その代わりに相手にドルを渡す。こうやって円は両替商の手元に残り、ドルは相手の手元に渡る。
ドルを買った者はそのドルを手にしてアメリカに行き、そこでドルを使う。
では両替商の手元に残った円の現物はどうなるのか。
この円は「死に金」ではない。
これは両替商がドルを引き渡した代わりに受け取った円なのだから、紛れもないお金である。
つまり円をドルと交換しても、円はなくならない。お金として生き続ける。
しかもこの円が銀行から融資してもらったお金だった場合には、日本の円というお金の量は増えたままである。
その増えたお金を使って、両替商は別の物を買い、新たな商売をすることができる。

通常は送金すれば、お金は手元に残らないが、そのお金は同じ通貨圏内で誰かが使っている。
異なった通貨間で送金した場合もそれと同じで、送金元の通貨は消えてなくならず、所有者を変えて通貨圏内に残る。
そしてその通貨圏内のお金の量は増えたままである。

しかしはじめの例の銀行間の国際決済の場合には、円が消えて、ドルが通貨量として増えたように見える。
しかしそれは現物を念頭に置いた場合と、結果が異なる。
どちらが正しいのだろうか。


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