ひょうきちの疑問

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2020年のアメリカ大統領選以後はムチャクチャ

【世紀末】 平成不況は、グローバリズムの一環

2018-08-11 17:05:04 | 旧世界史14 1970~

土曜日

平成不況の原因は、1985年のプラザ合意にある。中曽根康弘政権下である。米国主導のもと、日本と西ドイツ政府により円買い・マルク買いが行われ、これによりドル安に誘導された。これは通常、貿易摩擦回避のための、ドル安誘導だと説明されるが、ではドル安により米国の輸出は伸びたのかと言えば、全くそんなことはない。看板倒れである。
私はその看板倒れのことを批判しようとしているのではない。もともとその看板が間違っていたのではないかと思うようになった。本来の目的はそんなところにはなかったのではないか、と思うのだ。

このプラザ合意が行われた1985年は、ゴルバチョフが、ソ連共産党書記長に選ばれた年でもある。
ここでアメリカのレーガンとソ連のゴルバチョフという役者がそろった年でもある。ついでに言えば、日本の中曽根康弘という、アメリカ追随型の政治家もいる。

すでに中国は、1977年から鄧小平が実権を握っている。
その中国は、プラザ合意の前年の1984年から、人民元の切り下げがなされている。
それまで、1ドル=1.5人民元だったものが、1984年には1ドル=2.8人民元へと切り下げられている。
さらに1985年には、1ドル=3.8人民元、
1990年には、1ドル=5.3人民元、
1994年には、1ドル=8.8人民元、
10年間で、約1/5以下に切り下げられている。
同時に日本は円高に向かって倍になっているから、対円ではそれ以上約1/10の切り下げになる。
中国製品が1/10の値段になれば、100円ショップで中国製品がずらりと並ぶのは当然である。
日本は悪くない。日本は品質で負けたのではない。通貨切り下げ操作に負けたのである。

この頃すでに、「小さな政府」「自由競争」をめざすレーガンの政策は新自由主義と呼ばれていた。

プラザ合意から4年後の1989年にはベルリンの壁が崩壊し、
翌年1990年には東西ドイツが統一した。
同年1990年に日本のバブル経済が崩壊した。このバブル発生の原因もプラザ合意である。
そしてその翌年1991年にはソ連が解体し、東西冷戦が終結した。
といってもアメリカ一極集中がはっきりとした年だったが、そのことは当時からあまり報道されなかった。。
しかしそれをアメリカニズムとは呼ばずに、グローバリズムという呼び方をした。これも看板に偽りありである。名は体を表していない。

その4年後の1995年には、ウィンドウズ95が発売され、本格的なインターネット時代が始まった。これは情報革命とも言われるが、この主役もマイクロソフトというアメリカ企業である。
その翌年1996年には、橋本龍太郎内閣のもと、金融ビッグバンなるものが盛んに喧伝され、金融の自由化、グローバル化が促進された。
金融とインターネットは抜群の相性である。株口座も銀行口座も電子化され、今では自宅のパソコンのボタン一つで、株の売り買いも、現金の送金も、できるようになった。外国株の売買も、外貨の売買も同様である。
日本の金融界は外資によって荒らされまくりである。政府はもはや自国の金融界を統制できなくなっている。それは日本の金融界が、外国金融の影響下に位置づけられるということである。金融のグローバル化とは日本にとってはそういう負の意味しかもたらしていない。

日本は金融と為替によって負けたのである。産業資本の力ではどうすることもできない。金融資本とはそれほどグローバル経済のもとで力を発揮するのである。
もともとこのグローバル化を求めたのはアメリカの金融資本ではないか。

日本は1989年から平成となったが、
翌年1990年のバブル崩壊以来、今日に至るまで30年間、一貫して不況である。平成はずっと不況である。その間、日本の財政は借金(国債)を膨らまし続けた。
日本のGDP(国内総生産)はこの30年間、1985年のプラザ合意当時とほとんど変わっていない。
逆に中国はGDPを急拡大させ、2010年には日本を追い抜いた。
我々の給料は減り、金利も低下し今でもほとんどゼロのままだ。
日本経済の活力は失われた。
非正規雇用が増大し、豊かだった日本は様変わりした。
こんな国は日本だけだ。
先進国中最低である。

日本の富はどこに持って行かれたのか。
プラザ合意の時から、このシナリオはできあがっていたのではないか。
レーガン・中曽根会談が、ロンヤス会談ともてはやされたときから。
二人が互いに、ロン、ヤスと呼び合っていたというのだが、日本とアメリカが対等に話したことなど戦後一度としてないのだ。これも看板に偽りありである。

グローバリズムのために行われたことは、

1.プラザ合意
2.日本のバブル崩壊
3.人民元の切り下げ
4.レーガンというハリウッド大統領、
5.鄧小平、
6.ゴルバチョフ
7.冷戦終結
8.新自由主義

9.インターネット
10.金融ビッグバン

通常はグローバル化の要因として、7.冷戦終結8.新自由主義9.インターネット10.金融ビッグバンだが、
それに加えて、1.プラザ合意2.日本のバブル崩壊3.人民元の切り下げは、どうしても付け加えなければならないだろう。

これらのことがいったいどういう関係にあるのか。
研究は端緒についたばかりである。
平成はまだまだ深い闇の中である。

グローバル化の中で、一番犠牲になった国が日本である。
それを決定づけたのが、小泉純一郎と竹中平蔵である。
竹中平蔵は日本の政治家ではない。アメリカが派遣した何者かである。

今もアメリカの株価だけは伸びている。
ニューヨークのウォール街だけは堅調である。
ウォール街は、2008年のリーマン・ショックで世界経済をどん底に陥れたが、その発生も、その回復も、メカニズムはよく分かっていない。
2001年の9.11事件も、いろいろなことが多くの本でささやかれているが、それも実態は解明されないまま、イスラム原理主義集団のせいだとされている。
この実態が暴かれれば、世界は大変なことになる。

これが我々の生きた時代である。
我々にはこの時代を生きた責任があるのではなかろうか。


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