浦添市伊祖の火ヌ神が祀られた神殿と英祖王が祀られた拝所☆|沖縄放浪日記

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2018年8月18日土曜日

浦添市伊祖の火ヌ神が祀られた神殿と英祖王が祀られた拝所☆

ハイサぁ~イ⭐

この間、浦添市安波茶にある『安波茶樋川』を見学した後、今度は同市伊祖に点在する史跡を見学しに向かいました。

沖縄県浦添市伊祖にある

『伊祖之神殿と英祖王拝所(根所)』

伊祖之神殿の写真
閑静な住宅街の中にある"火之神"が祀られている『伊祖之神殿』。
伊祖集落内には、"てぃだこ(太陽の子)"と呼ばれた『英祖王』の父祖代々の居城といわれる『伊祖城跡』がありますが、その『伊祖城跡』の南西側に広がる集落内にも井泉や拝所などの史跡が点在しています。

んで、今回は、点在する史跡のうち、沖縄で最初に生まれたとされる王統『英祖王統』の初代王である『英祖王』が祀られている拝所と"火之神"が祀られている神殿の2ヵ所をご紹介したいと思います。
英祖王拝所(根所)の写真
県道251号線(パイプライン通り)沿いにある『英祖王拝所』(根所)。
まず最初にご紹介するのは、浦添市内を南北に走る県道251号線(通称パイプライン通り)沿いにある『英祖王拝所』です。

クルマを拝所近くの駐車場に停め、さっそく見学へと向かいました。
英祖王拝所(根所)の写真
英祖王拝所(根所)
『英祖王拝所』の敷地入口に立つ左右の石柱には2頭の"シーサー(石獅子)"が設置されており、向って右側の柱には「西原家」、左側には「安里門中」と記された表札が出ていました。

この「西原家」「安里門中」とは、「西原家(にしばるやー)は伊祖集落の「根屋」と言われており、『英祖王』の子孫といわれているんだそうで、「安里門中(あさとむんちゅー)」は、この『英祖王拝所』を管理している一族なんだそうです。
(※参考⇒Wikipedia『門中(ムンチュー)』、沖縄方言辞典『根屋(ニーヤー)』)
太陽井戸(ティダヌカー)の写真
『英祖王拝所』の敷地内にある『太陽井戸(ティダヌカー)』。
んで、門を入るとすぐ右側に『太陽井戸(ティダヌカー)』と記された石碑が立つ手押しポンプが設置された井戸がありました。

また、汲み上げた水を溜めるための容器にも「安里門中」と記されていました。

この『太陽井戸(ティダヌカー)』を見た後、『英祖王拝所』の建物へ近づいていくと、『英祖王拝所』と記された表札の下に「一般の方でも御自由に参拝できます。 安里門中」と書かれていました。
英祖王拝所(根屋)の写真
建物内部に設けらている祭壇。正面の6基の香炉が置かれた祭壇の中央に『英祖王』と記された位牌が。。。
ほんで、恐る恐る建物の戸窓を開けて、建物内部を見学させて頂くと、正面に立派な祭壇が設けられており、向かって左側には「西原家 元祖」と記された位牌が祀られており、1基の香炉が置かれていました。
英祖王拝所(根所)の写真
「西原家 元祖」が祀られている祭壇。
そして右隣の祭壇は下の方に1基の香炉が置かれており、位牌はありません。

どうやらこちらは"火ヌ神"が祀られているようですね。
英祖王拝所(根所)の写真
"火ヌ神"が祀られていると思われる祭壇。
通常、"火ヌ神"が祀られている場合は、3基の霊石も一緒に祀られているのが一般的なんですが、こちらには霊石は祀られていませんでしたね。

そして、さらに右隣りの祭壇には「英祖王」の位牌を含む5つの位牌が祀られており、「英祖王」の左側には「御先祝女」「御王女」が、右側には「恵祖世主」(英祖王の父)・「世大主」が祀られていました。
(※参考⇒Wikipedia『ノロ(祝女)』)
英祖王拝所(根所)の写真
6基の香炉と5つの位牌が祀られている祭壇。
また、こちらの祭壇には6基の香炉が祀られてはいたんですが、下部に「参拝される皆様へ 線香には、火を使用しないで参拝されますようご協力願います。 管理者 安里門中」と書かれていました。

ほいで、一番右端には位牌ではなく、『観音菩薩』の額が立て掛けられており、1基の香炉が置かれていました。
英祖王拝所(根所)の写真
右端の祭壇。『観音菩薩』の額が祀られていました。
さらに、立派な祭壇の上部には、『安里門中家建設』と題された寄付者の御芳名が記された木板が掲示されていました。

・・・と、ここまで『英祖王拝所』をご紹介させて頂きましたが、今度は伊祖集落内にある『伊祖之神殿』をご紹介させて頂きます。
伊祖之神殿の写真
住宅街の中にある『伊祖之神殿』。
こちらは、『英祖王拝所』の敷地右側にある小道を入り、1つめの十字路を左折し、道なりに約100mほど進んで行くと、右側にあります。

『伊祖之神殿』は、周囲の地面よりも少し高くなっており、入口には鳥居が設けられています。
伊祖之神殿の写真
『伊祖之神殿』の鳥居。
表の道から階段を上がって鳥居を潜ると、参道の先に赤瓦屋根の『伊祖之神殿』があります。

冒頭でもチラッとお話しましたが、こちらは"火之神"が祀られているんだそうで、神殿の左隣にはムラの祭祀を行なう『神アシャギ』も設けられています。
伊祖之神殿の写真
『伊祖之神殿』と『神アシャギ』(左奥)。
参道を進んでいき、神殿を見てみると、手前に大きな香炉が1基置かれており、神殿の内部には小さな香炉が2、3基ほど納められていました。
伊祖之神殿の写真
伊祖之神殿
伊祖之神殿の写真
格子が設置された間口の前には大きな香炉が1基置かれ、内部には小さな香炉が数基納められていました。
また、内部をよぉ~く見てみると、香炉が置かれた祭壇の手前には賽銭箱も設置されていましたね。
賽銭箱にお金を投げ入れる時は、格子の間から手を入れて投げ入れるのでしょうか。。。(笑)
伊祖之神殿の写真
間口の上部には「伊祖之神殿」と記されていました。
そして集落の祭祀を行なう『神アシャギ』の方を見てみると、こちらには香炉は設置されていませんでしたが、神殿と同様に赤瓦屋根で造られていました。
伊祖之神殿の写真
神アシャギ。
かつては、沖縄の各集落にある"神アシャギ"は、茅葺屋根が一般的だったようですが、近年になってコンクリート造となり、こちらのように赤瓦屋根で造られる"神アシャギ"も見受けられます。
カミミチの写真
『伊祖之神殿』がある場所から『伊祖城跡』へと続く「カミミチ」。
この『神アシャギ』の後方から『伊祖城跡』に向かって道路が伸びているんですが、この道は、かつての「カミミチ(神道)」となっているんだそうです。

ちなみに、『伊祖城跡』のかつての正門は、この「カミミチ」の先になるんだそうですよ。
伊祖之神殿の写真
『伊祖之神殿』がある場所には、遊具も設置されていました。
浦添市の観光情報ポータルサイト『うらそえナビ』の『伊祖集落まちまーい』のページを見てみると、かつては幼稚園があったんだそうで、神殿の斜め前に立つガジュマルは、その時もあったんだとか。。。

しかも、このガジュマルの木は、地元では樹齢100年以上と伝わっているとのことですよ。
伊祖之神殿 ガジュマルの写真
樹齢100年以上と伝わる『伊祖之神殿』のガジュマル。
・・・と、ここまで『英祖王拝所』と『伊祖之神殿』をご紹介してきましたが、伊祖集落内にはこの2つの拝所の他に、かつて集落の人々の生活を支えていた井泉も点在しています。

なので、今回はここまでにして、また別の回にその集落内に点在する井泉をご紹介したいと思います。

それでは、そろそろこの辺で・・・でわでわ☆★☆

最後まで読んで下さいまして、誠にありがとうございますm(_ _)m
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『浦添市伊祖にある史跡

☆場所:〒901ー2132
      沖縄県浦添市伊祖

☆見 学:無料

☆駐車場:無し(伊祖公園と英祖王拝所は、駐車場あり)

※訪れる際は、くれぐれもマナーを守って、他の来訪者や地元の方々に迷惑をかけないよう、十分気を付けてくださいね。