第6回 2章② いじめやブラック企業の発生原因とそこから抜け出す唯一の方法 | 日本人のための近現代社会

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主に日本近現代史を日本人の立場から分かりやすく解説した動画をあげています。日記は投資について書いていきます。

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前回の動画では社長と社員みたいに立場の違いがあったとしても人としての権利という意味では平等なんだよという話をしました。さらに、気を付けなければならない事として「立場と権利をはき違えてはいけない」というような話をしました。今回は説明の続きで国民と国家と企業、この3者の関係について少し深く掘り下げていきます。

動画解説

ようつべ https://www.youtube.com/watch?v=QknDUcVMLlg&t=56s

ニコニコ https://www.nicovideo.jp/watch/sm37030254

 

 そもそもの話、国家や企業と国民の間には前回の動画でも言ったように強い弱いという立場の違いはあっても権利という意味においては平等なはずですよね。

 例えば農家はコメや野菜なんかを作って国民が生きていくために必要な食料を生産します。企業は売買をとおしてその生産物の流通を行っています。これが農家と企業の役割と言えます。政府の役割はというと、法律を作ってこれらの関係がスムーズに流れるように補助をしたり、強盗などのように横から出てきてかっぱらおうとするような悪人を処罰したりという役割があるわけです。

 ところが、農家や企業と違って政府には自らが働いてお金を稼ぐという能力がないので税金という形で企業からも国民からもお金を集めて活動のための資金としているという事になります。これは政府と国民や企業との約束ということになるわけですね。つまり国民や企業はちゃんと法律を守って働いて税金を納めれば役割を全うしているという事になります。これに対して政府は収められた税金を使って治安を維持したり、外国からの脅威を排除したりして国民や企業を護れば役割を果たしていると言えます

 国民にしても企業にしても政府にしてもそれぞれがきちんとお互いの権利を尊重し自分の役割をはたしていれば何の問題も起こらないわけです。

 

 ところが、前回解説したように企業や政府といった強い者が立場と権利をはき違えるとブラック企業、ブラック政府が当たり前になってしまうということなんですね。ブラック企業というのは基本的に安い賃金で奴隷的労働をさせようとしますよね。本来であれば企業が違法に国民を奴隷化しようとしているような状況があれば調整役として政府がきちんと取り締まるというのが当たり前なんです。でないと権利が守られませんからね。ところが現実はどうですかね。もはや非正規雇用は当たり前の世の中ですし、ブラック企業なんて世の中にいくらでもあります。間を調整して国民の権利を守るはずの政府はいったい何をやっていますかね。むしろ非正規社員を増やして、貧しく不安定な国民を量産するという方向で法律を作っていますよね。そのうえでさらに消費税を上げたり、扶養控除をやめたりという形でますます国民が不利になる状況を作り続けています。これは果たして諭吉先生の仰る権利が平等であるという事に即していると言えるんですかね。

 いやいやと、政府だって頑張ってるから世界一治安の良い日本が守られてるんじゃないかという人もいると思います。それはね、たしかにその通りなんですけど、治安を維持するなんてのは国民や企業と政府との約束の初歩の初歩の部分であって、いわば税金を納めている以上やって当たり前、必要最低限の仕事なんですよ。これで感謝しろというんであれば、われわれ国民だって「税金払ってるんだから感謝しやがれ」と言ってOKという事になりますよね。

 

 では、何でブラック企業のような存在してはいけない状況が生まれるのか。もう分かりますよね。「立場と権利をはき違えているから」です。企業や政府が国民に比べて立場が強いという事を利用して国民の権利を侵害しているという事です。ブラック企業が国民をいじめてる状況で、政府は助けるどころかもっとやれって言って法整備まで促進してるわけですよ。

 どっかの学校であったいじめ自殺の話で、現場を目撃した先生が「お前らやりすぎんなよ」と言っただけで全く助けてくれなかったっていう事が明るみに出たことがあったじゃないですか。あの時国民は「なんてクズな教師なんだ、ふざけるな」ってみんな思ってSNSなんかでも発信してましたよね。

なんで同じこと、むしろもっとひどい事を国や企業がやってるのに耐えるだけで怒らないんですかね。いじめられてる事、いじめの手助けをされてる事にすら気づいてないんですかね?僕としては非常に不思議な状況なんですよね。

 

 じゃあこのような状況から抜け出すためにはどうしなければならないか。この事も諭吉先生はちゃんと教えてくれてます。何と言っているか。

わかりやすく現代語に直すと、とち狂った政治にならないようにしたいと思うのならばすぐにでも勉強を始めて政府と向かい合えるレベルにまで自らの力を高める必要がある。これが私が学問を勧める理由の一つであるということですね。これ、実は同じ内容が日本国憲法12条にも書いてあるんですよ。

「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない。(以下略)」

 

 つまり基本的人権は日本国民に与えられているけど、それは侵害されやすいものだからちゃんとがんばって維持する努力をしないとだめだよと言っているわけです。基本的人権というと今の日本人は当たり前だと思っていますが、そんな時代ですらいじめのような人権侵害はどこででも起こります。ましてや人権という概念すらなかった時代においては人権を獲得するために多くの人が戦って死んでます。そういう歴史を経てようやく獲得した権利なんですよ。だからちゃんと声を上げて守っていこうねという話ですね。

 

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