それはまた別のお話

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「ジュディ 虹の彼方に」

2020-03-12 | 映画
『オズの魔法使』『スタア誕生』で知られる女優・歌手のジュディ・ガーランドを、『シカゴ』などのレネー・ゼルウィガーが演じた伝記ドラマ。47歳の若さで亡くなる半年前に行ったロンドン公演に臨むジュディを映し出す。自ら全曲歌い上げたレネーをはじめ、フィン・ウィットロック、ジェシー・バックリーらが共演。監督を『トゥルー・ストーリー』などのルパート・グールドが務める。

ジュディ・ガーランド=「オズの魔法使」の子役から歌手になったスター…ぐらいの認識しかなかったけれど、これほど壮絶な人生だったとは。
しかも晩年の彼女は実年齢よりかなり歳をとっているように見え、それが子役時代からの過酷な生活ゆえの結果だったことを強調しています。
年端もいかない子供を働かせるために覚醒剤や睡眠薬って…それはないよねぇ。

お酒を飲みすぎてステージに穴を空けても、マイクを握った瞬間に表情が変わる。
活き活きと目を輝かせて歌う迫力がすごい。
演じたレネー・ゼルウィガーのことはよく存じ上げませんが(歌手の方ではないのよね)曲数は少ないものの聴きごたえがありました。

何といってもラストシーンが感動的。
「Over The Rainbow」を歌えなくなってしまう彼女に、懇意にしていたゲイカップルが声を合わせ、それは会場全体を巻き込んでゆく。
この時代には同性愛であるというだけで罪になり苦渋を味わってきた彼らは、ジュディの歌に救われ、ジュディもまたファンの存在に救われてきたことがよくわかる。
決して幸せな歌手人生とは言えないと思うけれど、こんな瞬間に立ち会えたらファンも幸せだろうなぁ…
新型ウイルス対策での公演中止が続き、いま「ライブ」の現場がないがしろにされていますが(仕方のないことですが)、こうやって生の歌を聴き、その感動をアーティストに返すことってどれほど大切なことなのか。
今日改めて深く胸に刻みました。
映画館はガラガラだったけれど。

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