大ヒットミュージカル「キャッツ」を実写映画化。ミュージカル映画『レ・ミゼラブル』などのトム・フーパーが監督を務め、猫たちの姿を生き生きと描く。『ワン チャンス』などのジェームズ・コーデン、英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルダンサー、フランチェスカ・ヘイワードをはじめ、『ドリームガールズ』などのジェニファー・ハドソン、『007』シリーズなどのジュディ・デンチ、世界的シンガーのテイラー・スウィフトらが出演した。
ミュージカル大好きなんですが、四季版は数回観劇しただけ。
つまり作品の骨格は理解しているものの全ナンバーを覚えているわけではなく、キャラに思い入れもない…
という私のような層にピンポイントで刺さる作品なんじゃないかな。
確かにあの人面猫に慣れるまでに結構な時間がかかりました。
舞台なら、役者さん「一生懸命メイクしました!」→観客「わかりました!猫ってことですね!」という共犯関係ができるのに、映画館ではやはり距離があるので一度違和感を覚えると没入できないんですよね(特に人面ネズミとか人面Gは無理だった)。
ただそれを補って余りある映像ならではの迫力や解放感がありました。
で。
今回は吹替で見たんだけど…これが今までの吹替イメージを一新しました。
キャストも想定通りから開けてビックリなものまで。
そして誰しもが精一杯の自己主張。
マンカストラップ山崎育三郎は最初のワンフレーズで「あ、育」とわかるし、「マキャヴィティって誰だっけ?」って思わせる隙も与えず山ちゃん(山寺宏一)そのもの。
古田新太そっくりなガスもレジェンド宝田さんに見えてくるし、スキンブルシャンクスに至っては「大貫くんさすがのタップダンス!」って心の中で拍手喝采。大貫くんが踊ってるわけでもないのに。
ともかく全員がキャラに近づけることなく本人前面押しでした(ってまだ字幕版見てないから知らんけど)。
ラム・タム・タガーだけ事前情報でヒゲダンの人(藤原くん)と知ってましたが、あの色気のある歌声がそれはまあ魅力的で、人面猫なのに惚れました…このキャスティングだけで吹替版見る価値はあると思われます。
有名ミュージカルの映画化はいま百花繚乱で、いろんなアプローチの作品があるべきだと思っています。
舞台版を忠実に再現したものから全く別の世界観のものまで。
ライオンが歌おうが人面猫が踊ろうがそれはそれで素晴らしい。
短時間でサクッと鑑賞できるので、怖いもの見たさで是非観に行ってほしい作品でした。