脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

実務研修会中止-コロナ後の高齢者対応を憂う

2020年05月11日 | エイジングライフ研究所から
平成7年(1995年)2月、阪神淡路大震災の直後にエイジングライフ研究所第一回実務研修会は開催されました。西日本から参加予定の皆さんが交通手段が途絶え多数欠席されましたが、その後24年間欠かすことなく実施してきました。
けれども、今年令和2年(2020年)は中止することに決定しました。
伊豆高原海洋公園より大島を望む
会場予約は半年前ですから、半年先にはこの自粛の体制も解消に向かうのではないかと2月くらいから様子を見ていました。
先日意を決して、近年参加している市町の保健師さんに電話をしてみることにしました。
一番最初にお話しした東北地方の保健師さんは
「相談窓口への電話対応に追われています。ほとんど叱責、怒りの電話で、対応するスタッフが疲労困憊してるんです」
お話は続きます。
「それよりも、この状態が落ち着いた時の方が怖いんです。高齢者が三密を避けて外出控えたら、脳の老化は加速しますよね!今から戦々恐々としてます」
私が口をはさみます。
「それぞれのレベルで脳機能が落ちていくことが予想されるけど、一番大切なのは正常だった人が前頭葉機能だけ年齢不相応なほど低下を加速させてしまった。そんな小ボケの人たちを見落とさないことね。その時、どうしても必要なのが・・・」
保健師さんがさえぎるように
「二段階方式の脳機能テスト!これなくしては小ボケの方の生活指導はできません。使えることは十分納得してます」
「ただ、対応しきれるか・・・そこが不安なんです。どういう状態が来るか・・・」
一番最初にお話した、その保健師さんの言葉を聞きながら、「今年の実務研修会は中止」とすでに決めてしまいました。
連着寺には巨木があります。
百日紅
さらに数人の保健師さんとお話しました。
認知症予防活動を自分のものとして積極的に取り組んでいる人ほど、今だけでなく、コロナ後も恐れていることがひしひしと伝わってきました。
「せっかくここまでやってきたのに。三密も外出も禁止では認知症の予防どころか、積極的に認知症にさせているようなもの」という困った声は、本当に私の胸に響きました。
閑話休題
母の日プレゼント到着
電話でのメッセージもあり、「コロナへの警戒を緩めないように。お母さんは、緩みがちなタイプだから」というご注意を受けました。
「はい。ご忠告承りました」と素直に返事していると
「ところで、これって高齢者にとっては大変なことでしょ?認知症が増えちゃうねぇ」
この世代(40代)でも認知症の本体が理解できてる!とちょっとうれしくなりました。(もちろんわが子なので、理解できているということもありますが)
二色寄せ植えのはずが枝変わり発生
一般の人たちは、「どうも、生活ぶりで認知症になるかどうか決まる傾向はある。楽しそうに生きがいを持って生活してる人はボケないよな・・・」という実感はあると思います。
一方で「認知症は怖い。認知症だけにはなりたくない。そんな認知症が生活実態だけで防げるはずもない・・・」
「権威ある専門家たちは、アミロイドとかタウとか、わからないことを言うし・・・」と不安に駆られもするわけです。
玄関先のイボタノキ

株もとのアヤメ

最近、高齢のご夫婦が散歩されている姿をよく見かけるようになりました。
きっと、「うちにジーとしてると足腰が弱るからせめて散歩でもして、足腰使わなくっちゃあ」と思っていらっしゃるのではないかと思います。
あー!脳も同じなんですよ!
使わなければ老化が進むのです。
散歩することも脳の働きなくしてはできないことですから、足腰だけでなく脳にも有効です。でも、もう一歩先へ。
松の雌花

「自分らしく生きている」という実感を探しましょう。楽しく変化のある暮らしにどうにかして持っていきましょう。
趣味的なことだって、テレビの見方だって、ウエブの挑戦だって、楽しむ種はそこここにあるはずです。

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