今日の十分日記

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原点回帰の雑記ブログ。十分で書ける内容をお届けします。十分以上書くときもあるけどね。十分以下もあるし。

館山ーー十分日記291

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鯨と生きる

昨年の夏、終わりの頃だった。

私は館山に行った。

とある小説を書こうと思っていて、その舞台に館山の海を使いたかったのだ。

駅前から電動自転車を借りて、館山の東京湾に突き出している部分の付け根。わかりにくい表現で恐縮だが、チーバくんの足の甲に当たると思っていい。そこに沖ノ島というところがあって、そこまでその自転車で走った。

岩場には無数のヤドカリがいて、コトコトと音をさせて歩いていた。

 

子どもの頃から、砂浜よりも潮だまりの方が好きだった。

砂浜に行っても泳ぐだけだから、すぐに飽きてしまう。

岩場の潮だまりには無数の生き物がいて、見ているだけで飽きなかった。

おそらく違法であろうが、父親が小さなウニを捕ってくれて、割って中身を食べさせてくれた。

 

そんな記憶があるからか、沖ノ島での時間は、精神を清浄にしてくれた。

海の近くに行くと、ただの道の駅で食べる魚でも恐ろしくおいしいことに驚く。

 

カンカン照りの太陽は真白く、日差しは痛かった。

鏡ヶ浦の湾は、ギラギラと輝いていて、ちょっとしか見ていられなかった。

景色を一望できる館山城にも上った。

そこにいる管理人の方といっとき話をした。

 

小説はまだ未完で、もう一度立山の景色を見て書こうと決めていたのだ。

ボヤボヤしているうちに台風15号がやってきてしまった。

その惨禍は報道されているとおりだ。

あの景色はきっと生き残ってくれているだろう。

なんとなく、南国の陽気さを持った人々であるから、また立ち直ってくれるだろう。

そう、楽観的に考えたくなるじぶんがいる。

 

観光でお金を落とすというのも、立派な復興だ。

また遊びに行こう。