SMEI / ドラベ症候群 / 重症乳児ミオクロニーてんかん について

SMEIの診断を受けた長男に関連して調べたことたち

予防接種後の長時間持続する熱性けいれんはドラベ症候群を診断するきっかけとなる

2019年12月29日 | 一般情報・疫学・レビューなど

以前は、ワクチンの予防接種による重篤な副作用として報告されることがあったドラベ症候群ですが、先天的な遺伝子異常で発熱に伴い痙攣発作が起こることが分かってきたことから、予防接種後の痙攣発作は原因ではなく結果をみているということが明らかになってきました。予防接種後の副作用による発熱は稀ではないので、発熱をきっかけにい遺伝子異常がある乳児で痙攣発作が誘発され、ドラベ症候群の診断に繋がることがあるとの論文報告を紹介します。

SCN1A Variants in vaccine‐related febrile seizures: A prospective study

方法
オーストラリアの小児病院が、SCN1A遺伝子検査をワクチン接種後に初発の熱性痙攣があった患者69名、近くにワクチン接種歴がない初発の熱性痙攣患者75名、熱性痙攣発作の既往のない子供90名に対して実施。

結果
予防接種後の熱性痙攣発作があった患者群から2例の遺伝子異常(p.R568X and p.W932R)を検出、どちらもドラベ症候群を発症した。また近くにワクチン接種歴がない生後9か月からの熱性痙攣患者(p.V947L)からも1例の遺伝子異常を検出した。3例全てが持続性強直間代発作を15分以上持続していた。また、熱性痙攣の既往がない群と比較して、熱性けいれんを患う小児では、リスクアレルとして報告されているrs6432860‐Tの濃縮を認めた(OR:1.91、95%CI:1.31–2.81)。

解釈
病原性SCN1A変異体は、乳児における予防接種後の発熱性発作で特定される場合がある。ドラベ症候群の早期診断は最適な管理と転帰に不可欠であるため、ワクチン接種後に長時間持続する熱性痙攣を認めた場合、SCN1A遺伝子検査を実施するべき。

個人的なコメント
長男も入浴後に一過性の部分発作がありましたが、BCG接種後に持続性強直間代発作が出て診断に繋がりました。ドラベ症候群の子供の予防接種に対する考え方についても別記事で書いています。

参考記事:

インフルエンザワクチンは接種すべきか

ドラベ症候群の児に予防接種を行うべきか?(論文+私的意見)

 

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