ここ十数年ちょっとした講演や講義を依頼されると、鍼灸の分野でももっと“臨床”や“医療学”の研究を進めるべきではないのか、ということをお話しさせて頂くことが多いです。
すなわち、「臨床鍼灸学」や「鍼灸医療学」の必要性ですね。
ブログで詳細に述べるには限界があるのですが、その後の事は各自考えを深めて頂くとして、今回は“臨床”についてごく一部、触りだけを書いてみたいと思います。
臨床とは何か…語源を中心として
臨床、英語でclinicの語源は、人がその上に横たわる寝台やベッドを意味するギリシャ語"κλινη"からきています。
ラテン語のclinicusから英語のclinicが広まり始めた17世紀。その頃はまだ医学用語というよりは宗教用語で、「死ぬまで洗礼を先延ばしにする人」という意味で用いられたようです。
その後19世紀に入って英国で医学教育が合法化されたのですが、その際にそれまで宗教用語として用いられていた色合いが薄められ、紀元前3~5世紀のヒポクラテスに遡る臨床医学を指す太古の尊い言葉としてclinicの語が用いられています。
ヒポクラテスについては、医師の倫理・任務についての、ギリシア神への宣誓文、『ヒポクラテスの誓い』でお馴染みですね。
そして20世紀に入り、米国において、最新の科学や技術を用いて1対1で知識や医療を授ける場を広義の「クリニック」と呼ぶようになりました。
現在の日本においては、そのような「クリニック」は診療所と呼ばれ、「臨床」とはまた違った意味合いで用いられています。
では、日本における「臨床」の定義とは…
狭義には、医学・歯学・看護学等の医療分野において、医療の介入を行う「現場」、あるいは「現場を重視する立場」を指す。とされ、最近では心理学・教育学・社会学・法学等の学問領域においても、カウンセリング・教育その他の介入を行う「場」を指すことも多くなりました。
「臨床」についてのイメージがだいたいつかめたでしょうか。
次回は、その「臨床」の意味をもう少し深く考えてみたいと思います。
引き続きよろしくお願い致します。
日本水仙
(我が家にて)
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